●同NPOは教育の格差・不公正を是正することを目的に設立された。
●優秀な大学の卒業生を教師として2年間、教育困難エリア・教育困難校に派遣するプログラムを有する。
●同NPOが教員を派遣すると、平均して学力が3割上がるという実績を有している。
●ティーチフォーアメリカは、アメリカの文系大学生の就職希望ランキングでグーグルやディズニーを抜いて1位になった。
●同NPOは寄付金により運営されており、年間300億円近くの寄付を集めている。
●企業が教育に関心を持つことと、その企業のサスティナビリティー(企業持続性)には明確な関連性がある。また企業においても、そうした姿勢を前面に出すことが利益につながる面が強い。
Teach For Japan 松田悠介氏 | Teach For ALL マッド エックフォード氏 | Teach For America L シェーン リン氏 |
●世界35カ国にビジネスモデルを展開している。例えばアジアなどは貧困により重大な教育格差が生じている。こうしたことを是正していくことが世界展開の目的である。
●日本においてはティーチフォージャパンがあり、その代表が松田悠介氏である。松田悠介氏自身が1人の教師との出会いで、いじめと向き合い立ち直った経験を持つ。
●ティーチフォーアメリカの上部組織としてティーチフォーオールがある。
●ティーチフォーイギリスにおいても、アメリカと同様に就職希望ランキング1位を取った。
●同NPOを卒業する7割近くの人が教育関係の仕事を希望する。
●入る時には教育関係の仕事を希望する人の割合は1割程度と、多くの人が同NPOをキャリアパスの1つと考えて入る。しかし卒業時は教育関係の仕事を希望する人が劇的に増える。
●TFAには50,000人が申請し、そのうち15%が採用されている。
●今まで37,000人の卒業生がおり、11,000人が教育現場で教鞭を取っている。86%の卒業生が教育関係あるいは同エリアで仕事をしている
●また政府の企画立案部門で働く人材もいる。
TFAのプログラム | TFAを支援する大企業 |
●TFAのバイスプレジデント シェーン リン氏からご講演いただきました。同氏は2011年 11月から同NPOに入る。その前はヘイ・コンサルティンググループで人事コンサルティングを行っていた。
●TFAのコアバリューは 1)変革的 2)リーダーシップ 3)チームワーク 4)多様性 5)謙遜 の5つである。
●例えば50%の教員が有色人種であり、多様性を重視している。また合宿を重視しており、そうした中でチームワークの精神を学ぶ。
●TFAへの志望者は単に仕事に来ているのではなく、それ以上のものを求めてきている。
●日本においても子供の学力と親の世帯年収には密接な関係がある。
●また学力の低い高校と、高い高校とでは大学進学率に大きな違いがある。
●さらに日本においても、働き手の価値観が変わってきている。優秀な人材が必ずしも大企業で働くことを志向していない。
●今、日本においても優秀な人材は 1)徹底して自己成長できる環境 2)事業を通して社会に貢献できることが実感できる環境 を志向している。
●また教員の側も一方的に知識を教えるのではなく、コーディネーターとしてのスキルが求められる。その中でTFJも注目を集めている。
●TFAでは新卒採用が中心であるのに対し、TFJでは中途採用を中心としている。中途採用で社会人経験がある方が、教育現場においても説得力がある。
●来年は30名の採用を予定している。公的教育に関わる以上、失敗が許されない。従ってTFJとしては小さく始めることで良しとしている。
●またPWC(プライス・ウォーターハウス・クーパース)日本法人においては、同NPOへの出向も含めて支援を行っている。
NPOで寄付をしてもらったら終わり、ということではなく、寄付をしてもらった企業に対してのリターンをきちんと考えている。
●なぜ給料が高い・低いに関わらず優秀な人材を集めることができるのか?
最近の強い傾向として、お金だけでなく自分自身にスキルが身につくこと、社会の役に立てることが就職への動機として強くなっている。
●リーダーシップのトレーニングとして、どの様なことを行っているのか?
リーダーシップ強化の為のプログラムを有している。会議室でただ教育するのではなく、ニューヨークのオフィスからメキシコの田舎へ行くなど、実践的な内容である。
最初の第一歩として「あなたは何者なのか?」という自己認識からスタートし、アイデンティティの確立を行う。
小さなチームをつくり、共同して課題解決にあたるというセッションを行う。共同して行うことで、今までは考えもしなかった課題解決方法が上がってくる。
●組織文化のどういう点でモチベーションが上がるのか?
例えばハワイ出身のスタッフが、なぜハワイでリクルーティングを行っていないのか?といった質問にも、きちんと幹部が説明をしてくれる。
そうしたスタッフからの声に対して、幹部や上層部がこと細かく対応してくれることがモチベーションの上がる点である。
●イノベーションを起こすために何を行っているのか?
多様性が大事である。考えられ得る限り最大限多様性を実現する採用を行っている。
またイノベーションは1人が起こすのではない。1人1人に耳を傾けて傾聴する姿勢が大切である。
マンハッタンにあるIBM社の外観 | 社是である「THINK」が壁一面に |
●ワトソン エクスプローラ
会社内における情報共有のツールとして、検索エンジン的に活用できる。
●ワトソン エンゲージメント
会話を理解して答えを出すことができる。
●ワトソン ディスカバリー
仮説に基づいて推測を行うことができる。
●ワトソン エコシステム
ワトソンを外部ベンダーに提供することにより、アプリケーションを提供する。
●ワトソン デベロッパークラウド
開発用のツール。
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●医療分野での活用が有望分野である。医者は非常に多忙である。膨大なカルテを管理運用する上で、ワトソンの様なスーパーコンピュータが有用である。特にガン関連の病気はカルテが膨大であり、コンピューティングが求められている。●また患者の立場からすれば、大病院で行列に並んで医者の診察を受けることなく、コンピュータにより診断を受けることができる。
●もちろん医療分野に関わらず、顧客に対して様々な提案を行うことが求められるシーンでの活用なども考えられる。
●創業者であるスチュー・レオナルド氏が1969年にコネチカット州ノーウォークで創業。
●当初は酪農業を営み各家庭に牛乳を配達していましたが、その後小売業をスタート。全米でナンバーワンの生鮮品専門スーパーマーケットです。
●一般のスーパーマーケットの様にチェーン展開はしておらず、4店舗での展開のみ。ただし1店舗あたり100億円前後を売り上げ、全体で400億円の売り上げ。
●小売業で生産性の指標の1つとされる”坪あたり売り上げ”で世界一であり、ギネスブックにも載っている。
●店内はワンウェイコントロールであり、お客を回遊させる仕組みになっている。
●また同店は”小売業のディズニーランド”と言われ、店内にはお客を喜ばせる仕組みが随所にある。例えば天井にレールが敷かれ、ミニ鉄道が店内を走りまわる
●店舗の入口には、大きな石が置かれ、同社の顧客志向のポリシー、考え方・姿勢を宣言する2つのルールが刻みこまれている。
RULE1 「THE CUSTOMER IS ALWAYS RIGHT」(お客様は常に正しい)
RULE2 「IF THE CUSTOMER IS EVER WRONG REREAD RULE1」(お客様がもし間違っていたらルール1.を読み直しなさい)。
●同店の「お客様は常に正しい」は、小売業の世界ではあまりにも有名な理念である。同店はこうした理念を体現するため、お客からの返品は無制限に受け付けている。
●同店の強みは”良い商品を安く”ということで、同じく食品に強いスーパーのホールフーズやトレイダージョーと比較しても、価格帯は低めである。ただしこうした同店のポリシーが高くお客に受け入れられ、共感されていることが前述の”坪あたり売り上げ世界一”を実現していると思われる。