<第1回目:なぜ今、老舗企業の倒産が増えているのか?>
ここ10年間、実は老舗企業の倒産が増加しています。
東京商工リサーチの調査によると、業歴30年以上の会社を「老舗企業」と定義して、業歴10年未満の会社を「新興企業」とした時、この業歴30年以上の「老舗企業」の倒産が増えているのです。
2005年くらいから、企業全体の倒産件数に対する「老舗企業」の割合が30%を突破しました。その後も現在までこの水準はずっと続いており、2016年の老舗企業の倒産割合は32.2%でした。
では、業歴10年未満の「新興企業」の方はどうでしょうか。
意外なことに老舗企業を10ポイント近く下回る、22.4%というデータが出てきています。
この話を聞いて、皆様はどう思われるでしょうか。
そもそも、企業というのは存続が難しいものです。実際、多くの零細・中小企業は設立から10年間で90%以上が倒産すると言われています。さらに20年間存続する確率が0.4%、そして30年間存続する確率は0.02%とも言われています。
逆に考えれば、30年間存続した「老舗企業」は、それなりに強い商品力やビジネスモデル、あるいはブランド力があったからこそ30年にわたり存続できたのです。
ところがここ10年間は、「老舗企業」の倒産が「新興企業」の倒産を上回る状態が続いています。
それはなぜでしょうか?
それだけ時代の流れについていけていない、老舗企業が増えている、ということなのです。
ちなみに2016年のデータでいうと、業種別で見たときに最も老舗企業が倒産していたのは「製造業」の51.6%でした。
次に「卸売業」の39.4%と、「農業・林業・漁業」の36.6%をも上回っています。
ではなぜ、この様な結果が出ているのでしょうか?
その答えの1つがデジタル化への対応の有無です。
私は船井総合研究所の中で製造業の担当をしておりますので、飛び込みの経営相談案件の多くが私のところに来ます。
そうした中で、色々な意味で苦戦している会社の共通点は、このデジタル化への対応が著しく遅れている、ということです。
例えば先日、ある金融機関からの紹介で従業員150名の産業資材メーカーからの経営相談に応じました。
この会社はバブル期の売上が60億円ほどあったそうですが、現在は売上が40億円で、伸び悩んでいるから提案を求められていると、そうした案件でした。
そこの会社は社長さんが60歳くらい、二代目の経営者の方でしたが、大手産業資材メーカーからのOEM(=受託加工)が売上の大半であり、自社オリジナル商品をつくらなければならない、船井総研さんでそうしたお手伝いができないか、と、最初はそうした相談でした。
ところがヒアリングを進めていくと「いや、やっぱり受託加工もしないと売上がつくれない」と、意見が変わってしまいます。
「現状の課題は?」とお聞きすると、営業担当者が客先に振り回されて困る、といいます。製造業そのものは多忙ですから、たくさん引合いはくるのだと。ただ、時間をかけてその引合い・宿題に対応しても結局受注につながらない、最後は価格競争に陥るのだといいます。
幹部の方も同席されたので、幹部の方に「御社の同業他社と比較した時の強みは何ですか?」と聞いても「大手に無いフットワークだ」とか「多品種少量生産への対応だ」と、一般論しかでてきません。
その結果、同社は本来出すべき利益が出せていません。
同社が行うべきことは次の3つです。
まず1つ目は営業の動き方そのものを見直すこと。
同社の場合6名の営業担当者がいますが、訪問先の6割近くが既存のマンネリ化した取引先です。
製造業はデジタル化すればするほど利益が上がります。今どき生き残っている製造業というのは、従業員15名クラスでもきちんと生産管理システムが導入されています。
ところが、従業員が30名を超えてきて、自前の営業部隊を持つレベルの会社になったら、今まさにしなければならないことは「営業のデジタル化」です。
なぜなら営業活動は
・値決め
・仕様決定
・顧客ニーズの獲得
という最も重要な工程を担うのに対して、全く属人であり完全にその人のスキルに依存している状態だからです。
仕事ですから、また中小企業ですから、特定個人のスキルに依存するのはある程度やむを得ないことです。
ただし、その人がいなくなったらどうするのか。あるいはその人の気力体力が衰えた時はどうするのか。
ある程度仕組み化した上で、新しい新人が育つ環境づくりも必要です。
厳しい言い方になりますが、特に生産財メーカー・セットメーカーの場合、営業を営業だけに任せていても業績は上がりません。
2番目はきちんと自社の強みを把握すること。
同社の主力商品は接着財です。業歴でいうと50年近く続いている会社ですから、
・フットワークがよい
・多品種少量生産ができる
といった様な抽象的な強みではなく、このセグメントのマーケットに対して同業他社の製品と、こうポジションが違う、と、マーケティング発想で具体的な強みを把握しておかないとなりません。
中小企業が大企業よりもフットワークが良いのは当然で、また多くの場合結果的に多品種少量生産になっているのであって、それは本来的な強みとはことなることです。
3番目は、その自社の強みをターゲットとなる相手先企業のキーマンにしっかりと伝えること。
いわゆる業歴30年以上の老舗企業になると、特定の分野を手掛けているにしてもラインナップはかなり広くなり、間違いなく自社のラインナップ・品揃えは客先に正確に伝わっていません。
私のコンサルタントとしての経験からいって、自社の商品を取引先全てにきちんと伝えただけで業績は確実に上がります。
もっというと、前述の社長が言っていた「お客に振り回されて無駄な仕事をしている」最大の要因は、肝心の営業担当者が自社の本当の意味の強みを理解せず、惰性で営業活動を行っているからです。
そして、この3つを実現するのが「営業のデジタル化」です。
しかも、この「営業のデジタル化」は最先端の業界よりも、むしろ成熟業界の方が有効です。
例えば私のコンサルティング先の某社は(従業員110名)、この「営業のデジタル化」によるここ3年間の取組みで、営業利益率が2~3%から15%近くに改善しました。
~次回に続く~
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課題 2:お客からの特別仕様が多く振り回されている。
課題 3:どうも営業活動がマンネリ化している。
課題 4:新規開拓が進んでいない。
課題 5:どうも時代に乗り遅れている様に感じる。
課題 6:いまだに価格競争に陥っている。
課題 7:自社の強みが活かせていない気がする。
課題 8:営業が属人になっている。
課題 9:若手がいつまでたっても育たない。
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