博報堂の原田曜平氏が提唱する「マイルドヤンキー」は、地方で生まれ育ち、都会に対する憧れをあまり持たず、地元で働いてその生活に満足する現在の若者たちを総称する言葉です。同氏によると「マイルドヤンキー」こそが現在の消費の主役であり、新保守層であると言います。
さらにカリスマファンドマネージャーでありベンチャー投資家の藤野英人氏は、こうしたマイルドヤンキーを束ねて地域経済を牽引する経営者のことを、「ヤンキーの虎」と名づけています。同氏の著書「ヤンキーの虎 新・ジモト経済の支配者たち」によると、地域経済が衰退していると言われている中で、こうした「ヤンキーの虎」たちは“地域コングロマリット”とも言える多角化を行い、見事に業績を伸ばしています。
例えば不動産業を中核としながらカラオケボックスを経営し、コメダ珈琲など伸び盛りのフランチャイズ事業を行い、さらには今流行りのベーカリーカフェを展開する、などこうしたイメージです。
こうした「ヤンキーの虎」たちは勉強熱心です。東京で開催されるセミナーや勉強会に足しげく通い、情報収集に余念がありません。また都心で流行している業態を地方に持ち込む、いわば国内版タイムマシン経営を行っています。地方にお洒落なパン屋が多いのは、こうしたことの結果だといいます。
なぜ彼らが衰退していると言われる地方で業績を上げ続けるのかというと、意欲があり、リスクを取るからです。藤野氏の著書によれば、地方は旧態依然とした企業が多く、リスクを取らない人が多数派だといいます。そうした環境下でリスクを取り、積極的な経営を行うので、市場全体は縮小していても簡単にシェアを奪えるのだと同氏は指摘します。
特に地方は「意欲がある人・ない人」「リスクを取る人・取らない人」が二極化しているといいます。地方こそにチャンスがあると私は感じました。
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