この6月に発行される2015年版の中小企業白書では、収益力の「企業間格差」が大きなテーマで取り上げられます。
特に中小企業の中でも9割を占める、小規模企業において特に収益力の格差が開いているといいます。
中小企業白書で取り上げられるくらいですから「企業間格差」は大きな流れですが、確かに日々現場でコンサルティングを行っている私の目からみても、同じ業種・業態内であっても「企業間格差」が広がっている様に見えます。
そうした中で業績を伸ばしている会社の共通点は、以前にもお伝えしましたが、「自社らしさ」あるいは経営者の「自分らしさ」を全面に出せている会社です。
わかり易い例が完成車メーカーです。
今、国内の完成車メーカーの中で絶好調なのがマツダと富士重工です。マツダは「理解してくれる人だけに買ってもらえれば良い」という思い切ったデザインと、スカイアクティブという独自技術が当たり、過去最高益をつけています。
また富士重工の場合は「四輪駆動」に徹底的にこだわった結果、北米を中心に根強いファンを持ち業績も好調です。
それに対して苦戦が伝えられるホンダは、世界6極体制という戦略で日本・アジア・北米・アフリカなど、世界6エリアのニーズを反映させた開発体制をとっています。
各エリアでのニーズの反映は無難である反面、「自社らしさ」が打ち消されるリスクがあります。
例えば可処分所得が減少している日本において、「どんな車が欲しいですか?」と聞いたら、「軽自動車!」という答えが大半を占めることでしょう。
それでは「自社らしさ」を全面に出すことができません。
「自社らしさ」とは言いかれば自社の強みのことです。
現在の時代は自社の本当の強みを理解し、その強みをさらに磨きこんでいくことが求められる時代だと思います。
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