中期経営計画がうまくいかない3つの理由とは?
企業や組織が計画的、継続的に成長を続けるためには経営計画が不可欠です。かつ3~5年スパンの中期経営計画はあらゆる会社にとって必須のものと言い切ることができます。
ところが、多くの会社で中期経営計画はうまくいかず、文字通り「絵に描いた餅」となってしまっています。あるいは「今の様に変化の大きな時代は経営計画そのものを立てるのが無意味だ」と豪語される経営者の方もおられる様ですがそれは逆で、変化が大きな時代だからこそ計画が必要なのです。
ではなぜ、中期経営計画は「絵に描いた餅」になってしまうのでしょうか?数多くのプロジェクトで、200社以上の企業に対して中期経営計画を提案・策定してきた筆者の経験でいえば、その理由は次の3つです。
(1)キーとなる社員を巻き込まずに策定している
(2)ビジネスモデル(=顧客の創造)を伴わない計画となっている
(3)人材戦略(=特に採用と育成)を伴わない計画となっている
9年間で売上を3倍(年商7億円→年商22億円)に伸ばした㈱エス・エヌ・ジーの取組み
端的に言えば、納得性と実行性を伴わない計画だから、それが遂行されないのです。
それに対して、前述の3つを伴う経営計画を策定することができた会社は、計画通りに業績を伸ばすことができています。例えば愛知県碧南市に本社を置く生産財商社㈱エス・エヌ・ジー様(従業員35名)の場合、年商7億円だった同社を5年間で売上を2倍にする中期経営計画を策定して見事に達成。さらにその後4年間で売上は3倍となり、直近の決算では年商22億円を実現しました。製造業の海外移転が続き、またモノタロウやミスミなどネット通販が猛威を振るう同業界の中で、この成長は画期的であるといえます。
では具体的に、同社が中期経営計画に盛り込んだ中身はどの様なものだったのでしょうか?
連載記事一覧
なぜ、中期経営計画は「絵に描いた餅」になってしまうのか?【連載:業績3倍を実現する中期経営計画のつくり方(1)】
なぜ、あの会社は中期経営計画で売上が3倍になったのか?【連載:業績3倍を実現する中期経営計画のつくり方(2)】
自社の成長に新卒採用が必要な理由【連載:業績3倍を実現する中期経営計画のつくり方(3)】
製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る