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世界に誇りたい日本の製造業【第3回:わずか4人でも大企業顔負けの生産性を実現する町工場】

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あらゆる業界で変わる、利益を上げる為のルール!

製造業においても利益の上げ方におけるルールが変化しています。

今までは生産工程を細かく分ける「工程分割」を行い、その工程あたりの所要時間(=サイクルタイム)を短縮することが生産性を上げる、すなわち利益を上げるルールでした。

ところが多品種小量が半ば当たり前となった今の時代は生産工程を統合する「工程集約」を行い、納期全体(=リードタイム)を短縮することが利益を上げるルールです。

部品加工の分野において、この「工程集約」を実現するのが「複合機」といわれる設備です。

従来は丸い材料は旋盤で削り、四角い材料はフライスで削るのが常識でした。しかし「複合機」は旋盤とフライスの機能、両方を持っています。材料を1度セットすると、丸でも四角でも完成品の状態までもっていけます。設備を“かけっぱなし”にすることができるので、生産性が上がるわけです。

しかし「複合機」は、丸い材料から四角い形状を削り出すことになるので、材料はかなりムダになります。それを嫌って、経験豊富な職人ほど「複合機」の活用を嫌がる背景があります。

 

景気の好不況よりも、リスクを取るか取らないか

そうした中で、船井総研ファクトリービジネス研究会 会員企業でもある東京・大田区の有限会社今製作所は、従業員わずか4人という典型的な町工場でありながら、4台の複合機をフル活用して大企業顔負けの生産性(社員1人あたり付加価値1500万円以上)を実現しています。

実は部品加工において材料比率は5%くらいしかないので、材料が多少ムダになってもトータルでみると生産性は格段に上がるのです。しかし多くの現場の職人は、変化を嫌うが故に中々「複合機」を本格的には使いこなせていない現実があります。

同社の今社長の口癖は「失敗は経験」です。取れる範囲でのリスクを取り、その結果少人数の町工場でありながら高収益経営を実現しているのです。

 

今の時代は景気が良いか悪いかよりも、経営者に意欲があるか無いか、リスクを取るか取らないかで業績が決まる時代です。あらゆる業界で変化しつつある利益を上げるためのルールを知り、それを実際に実行していくことが大切です。

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