
参加費用5万円のプライベートショー:Zoholics@米国・ヒューストン
先日の5月13日から1週間ほど、米国・テキサス州のヒューストンに出張していました。
目的は、米国で開催されるZohoのイベント、Zoholics・ヒューストン2025に参加するためです。
ZohoのプライベートショーであるZoholics(ゾーホリクス)は、日本でも毎年開催されており、日米だけでなくインドを含む世界中のいたるところで開催されています。
その中でもZohoの売上の大半を占める米国市場で開催されるZoholicsは、Zohoの最新情報が得られる、ということもあって世界中から有力なZohoパートナーが集まります。
当社も(私も)その一環として、Zoholics・ヒューストン2025に参加してきました。
まず日本のZoholicsと大きく異なる点は、参加が有料だという点です。
参加費用は350ドル、日本円にして約5万円です。
つまり、お金を払ってでも情報が欲しいユーザーのみを対象としている、ということです。
ちなみに2019年の米国Zoholicsの参加者は200名ほどだったそうですが、5年経過した今年は1600名以上が参加。
8倍以上の集客になっています。
トランプ関税の影響を大きく受ける北米経済
ちなみに今回のZoholics@米国・ヒューストンで通訳をお願いした方は、カナダ在住の日本人の方です。
その方によると、日本のニュースで観ている以上に、今回のトランプ関税の影響が大きいといいます。
具体的に、今まではカナダ・米国・メキシコが、NAFTA(北米自由貿易協定)の影響もあり、あたかも1つの国であるかのような、サプライチェーンがつくられてきました。
例えば製造業においても、カナダは米国と比べると、3割程度も人件費が安く、またアルミに代表される資源も豊富で電気代が安いことから、フォードやGMも多くの工場をカナダにもっているといいます。
そして米国で生産した部品をカナダに持ち込み、カナダで安くアッセンブリ(組立)をした上でさらに米国に持ち込み、最終製品を米国で仕上げて米国製として集荷する、といった製造がなされてきました。
ところが一連のトランプ関税が適用されると、人件費が安いはずのカナダ生産、あるいはメキシコ生産が逆に割高なものになってしまいます。
その結果、米国メーカーに収益面で大きな影響を及ぼし、さらにはカナダやメキシコの雇用や投資にも大きな影響を及ぼす、というのが今回のトランプ関税です。
カナダでの反米感情は今までになく高まり、カナダでは米国製品の不買運動が起きているほか、米国への観光旅行もキャンセルして、カナダ国内の旅行に切り替える、といったことが頻発している他、新聞も連日「Trade war:貿易戦争」という見出しを掲げて、この問題を大きく取り上げています。
実際、私も今回はヒューストンにしか訪れていませんが、空港はガラガラ。
市内のレストランも閑散としており、予約無しでもほぼ待たされることなく食事がとれるなど、従来の米国とは打って変わった雰囲気になっています。
従来のサプライチェーンの考え方は、国境をできるだけ無いものと考え、とにかく人件費の安いところで生産して、世界中から部品を集めてきて、あるいは完成品として出荷する、というものでした。
製品開発とマーケティングは米国で行い、製造は全て新興国で行うアップルが、その良い例でした。
ところが現在の流れは、自国の雇用や産業の創出を目的として、国境をひき、国外に仕事を出すにしても明らかな同盟国間にとどめる、という流れです。
この米国の進め方の是非はともかく、経営者としてはかつての「ドルショック」あるいは「オイルショック」「リーマンショック」といった産業構造変革と捉え、粛々と対応していくしかないと思います。
産業構造変革期(構造不況時)の経営の鉄則は、特定業種・業界依存からの脱却!
そして前述の「ドルショック」「オイルショック」あるいは直近の「リーマンショック」といった産業構造変革期(多くの場合、構造不況時)の鉄則は、特定業種・業界に依存しないことです。
ちなみに、自動車販売業や不動産業など、いわゆるBtoC業態(一般消費者を対象とする業態)の場合は「複数事業を展開する」ことです。
つまり、特定のセグメントの顧客に依存しない、ということです。
繰り返しになりますが、製造業や生産財商社といったBtoB業態(法人を対象とする業態)の場合は、自動車産業など特定業種・特定業界に依存しないこと。
ましてや特定顧客に依存しない収益構造を実現することが必須です。
つまり自社の真の強みの見極めと、継続的な新規開拓が重要になる、ということです。
“新規開拓”というと、「自社には無理だ」と身構えられる会社も多いかもしれません。
ところが、現在のように世の中の「DX」や「データ経営」が進めば進むほど、準備さえできていれば(準備のできている会社にとっては)新規開拓は容易なものになります。
なぜなら、一昔前は大手企業のバイヤーは“人脈”をもとにサプライヤー選定を行っていましたが、今やサプライヤー選定のプロセスの大半が“デジタル”で占められるようになっています。
つまり、大手企業のバイヤーは情報収集の大半をインターネットで行い、インターネットの中でサプライヤーの評価を行っています。
例えば先日、私の関係先の機械加工業(従業員35名)が、その名前を聞けば誰もが知っている某大手ハイテク企業の取引口座を獲得しましたが、そのキッカケは「無酸素銅の加工風景」をアップしたYoutube動画でした。
Youtube動画がキッカケで同社の精密加工のソリューションサイトを閲覧し、その後、問合せフォーム経由で問合せに至っています。
また同社の営業担当は、この某大手ハイテク企業がどのような動線で自社のサイトに流入し、どのような情報を閲覧していたかを把握した上で、適切な「仮説」をもってアポ取り・営業活動を行うことができました。
ちなみにこの機械加工業は前述したZohoのCRMプラットフォームを導入しており、「受注した後」だけでなく、「受注する前」の“データ経営”を実現しています。
製造業・商社が取り組むべき本当の意味での「データ経営」とは?
ここでポイントは、製造業であれ商社であれ、「受注した後」のデータ管理は、販売管理システムあるいは生産管理システムで、きちんとなされているケースが多いです。
しかし「受注する前」のデータ管理については、ほとんど手つかず、という会社が多いのではないでしょうか。
あらためて、管理すべき「データ」の流れを下記に示します。
<管理すべき「データ」の流れ>
a)見込客の情報探索
↓
b)資料請求・引合いの発生
↓
c)商談の発生
↓
e)受注
↓
d)仕入先への手配/在庫手配/工場への手配
↓
e)工程管理/原価管理/品質管理
↓
f)出荷/売上計上/請求書の発行
↓
g)債権の回収
繰り返しになりますが、多くの会社が、会社として管理できているデータは上記プロセスでいうところの e)以降です。
しかし本来的には、少なくとも上記プロセスの c)の段階から会社として管理することが求められますし、前述の新規開拓の推進、という趣旨からいくと a)の段階からデータ管理が求められます。
そして現在は、中小企業であっても、コスト的にも技術的にも a)からの管理が十分に可能な時代になっています。
【先着80名様限定!】船井総研から新著の出版決定!あの神田昌典氏も特別講演!「AI時代のデータ経営」出版記念セミナー!
その中で、私たち船井総合研究所では700社を超える中小企業に対して、DXコンサルティングを提供すると同時に、前述のZohoの導入実績があります。
また、船井総合研究所自身も、全社員、1500アカウントのZohoを導入し、自らがZohoを社内システムとして活用しています。
Zohoは前述の a)~i) まで全てのビジネスプロセスを網羅しています。
また「データは21世紀の石油」といわれますが、こうした自社データの蓄積こそが、将来のAI活用の準備にあたるともいえます。
まとめると、今、「データ経営」に舵を切れるかどうかが、この産業構造の変革を乗り切れるか否かだと私は思います。
こうした船井総合研究所の実績をもとに、今年7月に新著「AI時代のデータ経営(仮題)」を出版することになりました。
さらに、新著の出版を記念して、下記要領にて「出版記念セミナー」を企画しました。
本出版記念セミナーにご参加のお客様には、本書をもれなくプレゼント。
また、本書を読むだけでなく、本書を読む前に出版記念セミナーにご参加いただくことで、より本書への理解を深めることができます。
ぜひ、社長だけでなく、社長の右腕の幹部社員の方とも、ご参加いただければと思います。
さらに本セミナーには、ベストセラー連発の著名マーケッター 神田昌典氏も特別講演!
なお、本セミナーは会場の関係もあり、先着80名様限定となっています。
本セミナーの詳細・お申込みはこちらから
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/129887
ぜひお早めに、本セミナーへのお申し込みをご検討いただければと思います。
<このような方におススメのセミナーです>
・自社にAI・データ経営を導入して、短期間に業績を向上させたいと考えている経営者の方
・データ活用、あるいは生成AI活用により、自社の業績を向上させたいと考えている経営者の方
・DXに取組みたいと思っているが、何から手を付けたらいいのか迷っている経営者の方
・同じ中小企業で、DXに取り組んで成功している同業者の成功事例を聞いてみたいと考えている経営者の方
・現在の自社のシステムが老朽化(レガシー化)しており、それを何とかしたい経営者・ご担当者の方
【セミナー概要】
日程◆ 2025/7/22 (火)
時間◆12:30~17:00
会場◆船井総合研究所 東京本社(八重洲)
〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲
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