2024年の振り返り:新旧対立と戦争経済
2024年も12月となり、はや2025年新年が近づいてきました。
2025年は干支でいうと「乙巳(きのと・み)」の年になります。
一般論として、新年の時流予測は、この「干支(えと)」でもって論じられることが多いです。
ちなみに、こちらが2024年の時流を干支で論じた昨年のコラムになります。
2024年1月の時流とその対策: 今年の干支は「甲・辰(きのえ・たつ)」/2024年は新旧対立の年?
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/maker/13246/
このコラムを読むと、2024年は新芽がでて新旧対立の年になる、とあります。
またその延長線上として「戦争経済」にも触れています。
今年を振り返ってみると、記憶に近いところでいくと、自民党の総裁選とそれに伴う総選挙で与党が大敗したこと。日本だけでなく、ドイツ・フランスも与党が苦戦しており、韓国も戒厳令という前例が無いような事態が起きています。米国大統領選挙も、新勢力といえるトランプ氏の勝利。
また、このコラムを書いている時点で、長年独裁を続けてきたシリアのアサド政権が崩壊した、とのニュースが入ってきています。
そして前述の「戦争経済」は現在も依然として続いています。もはや現在の地球上で、何らかの形で戦争(紛争)に巻き込まれている人の数は、世界人口の約半数ともいわれています。
この様に振り返ると、時流予測でよく用いられる干支(えと)というのは、あながち無視できないかもしれません。皆様の会社や、御取引先ではいかがだったでしょうか?
2025年「乙巳(きのと・み)」は、どんな年に?
それでは2025年の「乙巳(きのと・み)」は、どんな年になるのでしょうか?
2024年の十干「甲(きのえ)」は、十干のスタートにあたります。2025年はそれに続く「乙(きのと)」となります。2024年の新芽から新しい動きが始まるものの、なかなか思ったようにいかない、右往左往するような年になるといいます。いわば新たなことを進めようとする勢力と、それに抵抗する勢力との最後の戦いともいえるような展開になるかもしれません。
しかし乙の年は、新しい世の中に合わせて体制を変える必要がある年だといいます。
また2025年の干支(えと)は巳(み)となります。巳の年は蛇が冬眠から覚める様に、内在していた問題が一気に噴出する、あるいは裏が表になる、舞台裏の人物が表で活躍する年だともいいます。
ちなみに60年前の「乙巳(きのと・み)」の年は、1965年の昭和40年でした。昭和40年はどのような年だったかというと、この年を底に景気は再び上昇期に入り、昭和45年までの「いざなぎ景気」を謳歌したといいます。
ただし昭和47年にはドルショック、昭和48年にはオイルショックと産業構造を変えるような事件が立て続けに起こり、この期を境として日本経済はもとより、世界経済は大きな変化を遂げます。
ドルショックというのは、金とドルの交換停止という、いわばソブリンリスク(国家的な危機)です。そして2024年の今、米国政府の公的債務は34兆ドル(4870兆円)を突破したといわれます。米国だけに限った話ではありませんが、こうした国家の債務危機について、本当に持続可能なのかどうなのかは誰にもわかりません。このように考えると、干支にも一定の歴史的ルールが適用されるのかもしれません。
これから2025年以降の経営者にとってのテーマは何なのか?
さて、2000年から今年までの25年、いろいろな意味で日本にインパクトを与えたのは新興国の「中国」でした。2000年頃から中国は仕入先・あるいは販売先(マーケット)として注目されました。
そして2008年の北京オリンピックでその流れは決定的になり、2011年の上海万博でこの流れは本格的なものになり、この前後で中国への進出を決意した経営者の方も多かったのではないでしょうか。
現在もかつての勢いは無いとはいえ、日本の対中国への輸出は2割近くにもおよびます。
仮に、中国への直接進出はしなかったとしても、当時としては中国の市場をこの目でみて、それが自社のビジネスにどのような影響を与えるのか思考することは、経営者として必須だったはずです。
なぜなら、日本のどこでどんなビジネスをするにせよ、世界2位の経済大国になった中国の影響を何らかのかたちで受けなかった人はいなかったはずだからです。
そして今、かつての中国と同じ位置づけとなっているのが「インド」です。
インドと中国の最大の違いは、中国は中国語という独自言語圏なのに対して、インドは事実上の英語圏である、ということです。英語圏であるが故に、米国のIT産業とも結びつき、さらに逆流(=リバース)して米国に経営者を送り出すような立場にたっています。
前回も申し上げましたが、インドが欧米に輩出している経営者としては次の様な人たちがいます。
・サティア・ナデラ (Satya Nadella)氏 ・・・ マイクロソフト CEO
・スンダー・ピチャイ (Sundar Pichai) ・・・ グーグル CEO
・アジェイ・バンガ(Ajay Banga) ・・・ 世界銀行グループ 総裁
・インドラ・ヌーイ (Indra Nooyi) ・・・ ペプシコ 元CEO
・パラグ・アグラワル (Parag Agrawal) ・・・ ツイッター(現 X) 元CEO
・リーナ・ナイル (Leena Nair) ・・・ シャネル CEO
・シャンタヌ・ナラヤン (Shantanu Narayen) ・・・ アドビ CEO
・アルビンド・クリシュナ(Arvind Krishna) ・・・ IBM CEO
インドのリバース・イノベーションが世界を凌駕する
かつて世界を凌駕した中国のビジネスモデルは、アップルのiPhone製造に代表されるような「世界の大工場」モデルでした。しかし、インドのビジネスモデルは、それほど単純なものではありません。
インドのビジネスモデルは「リバース・イノベーション」といわれます。
リバース・イノベーションとは何か?
リバース・イノベーションとは、安価な人件費を目当てに進出してきた欧米企業の技術をマスターし、今度はその技術を武器に打ってでる手法のことを指します。
例えば、来年3月に予定しているインド視察(驚きのサステナグロースカンパニー視察セミナー in インド)でも視察予定になっている先に、マヒンドラ・リサーチ・バレイ があります。
ここは、インド現地のマヒンドラというEVメーカーが開発した、チェンナイ郊外にある大規模な複合都市です。ここには自動車の設計・開発・テストセンターが集積しており、EVや自動運転の技術開発も行われています。
しかし、このマヒンドラという会社は、もともとは米国の農機メーカーの下請け(OEM)メーカーでした。
ところが、いつの間にか自社ブランドで米国に進出して米国市場を凌駕、そして日本にも“三菱マヒンドラ農機”という形で進出してきています。
そしてマヒンドラは、今やEVを看板商品とする総合自動車メーカーです。
イタリアのカウンタック社も、もともとはトラクターのメーカーだったといいますが、インドの一小企業だと思っていた農機メーカーが、いつの間にか総合自動車メーカーとして世界を凌駕する。
それがリバース・イノベーションなのです。
同じ文脈がソフトウェアでもいえます。
もともとZOHO(ゾーホー)は、米国のデータセンターで使用するログ監視システムのサプライヤーでした。米国でデータセンターのニーズをつかみ、その開発をインドで行う、というビジネスモデルで、ZOHOは瞬く間に、データセンターのログ監視の領域で世界トップクラスになります。
そして世界に販路を広げる中でCRMが必要になり、最初は米国製の某CRMを使っていたといいます。しかし「なぜ、この程度の性能のCRMが、なぜこんなに高いのだ」と、自社でCRMを開発することを決め、そのCRMの外販を始めました。これが現在のZohoです。
今やZohoは、セールスフォースドットコムとならぶグローバル水準のCRMプラットフォームとして、その性能や信頼性はガートナーなど、世界的な評価機関からも高く評価されています。
つまり、Zohoも一種のリバース・エンジニアリングなのです。
このように、「中国よりもさらにコストが安いから」という文脈ではなく、根本的にインドは中国とは全く異なるビジネスモデルで世界に影響を与えようとしているわけです。
こうした視点でも、今、経営者としてインドをみておく価値はあるでしょう。
世界で最も成長している国「インド」の秘密を探り、自社の経営に生かす視察セミナー
そこで今回、船井総合研究所では、来年2025年3月2日(日)~3月8日(土)の7日間にて、「驚きのサステナグロースカンパニー視察セミナー in インド」を企画いたしました。
↓↓↓インド視察の詳細は、こちらをご覧ください
https://global.funaisoken.co.jp/in_session/in_session-626-2-2-2-2
本視察セミナーは、「インドのシリコンバレー」といわれるバンガロールと、インド屈指の工業都市であるチェンナイ(旧マドラス)に訪問します。
現在確定している視察先は下記の通りです。
・トヨタ自動車(トヨタ・キルロスカ・モーター)/R&D・製造拠点
・マヒンドラ・グループ/現地自動車メーカー EV等を生産
・ZOHO本社/本社機能、開発拠点、ZOHO大学
・ITTマドラス校/天才を生みだす世界トップレベルのインドの工科大学
・インフォシス/ITオフショア会社、世界中の大手企業が開発を委託
・ウォルマート・テックセンター/米国のウォルマートのDXを、地球の裏側で支える
・ビヨンド・ネクスト・ベンチャーズ/インドのスタートアップに投資するベンチャーキャピタル
・日本からインドに進出した中小企業の現地法人(製造業になる予定)
・その他 多数
さらに今回、
・インドMIM
の視察も確定しました。インドMIMとは、文字通りMIM(=金属射出成形)の世界最大のメーカー(部品加工業)です。さらにチャールズ皇太子(現国王)がお忍びで度々訪れたとされる、インドヨガを中心とした医療施設も訪問が確定しました
他、多数の視察先企業、また現地講演のアレンジを現在進めています。
もちろん、私、片山和也も講師として本視察セミナーに参加いたします。
↓↓↓インド視察の詳細は、こちらをご覧ください
https://global.funaisoken.co.jp/in_session/in_session-626-2-2-2-2
インドというと、昔のイメージから「お腹をこわすのでは」といったイメージがありますが、それは現地での過ごし方によります。私自身、昨年3月にインド出張で1週間ほどチェンナイに行きました。そうした現地での万全なアテンドも含め、船井総合研究所にてプロデュースさせていただきます。
なお、今回は現地での受け入れの点からも、「50名様限定」での視察セミナーとなります。
そして現時点で、空席があと15名ほどになっています。
今年9月の米国視察の際も、100名様限定でありながら募集2ヶ月ほどで満席となり、その後はキャンセル待ちとなりました。今回のインド視察は50名様限定ということもあり、早期の満席が予想されますので、ぜひ、お早目にお申込みいただくことを、お奨めしたいと思います。
また、今回のレポートでは冒頭に暦(こよみ)の話をさせていただきましたが、来年2025年の恵方(えほう=縁起の良い方角)は西南西です。
西南西といえば、地図でみればわかりますが、まさにインドの方角です。そうした意味でも来年3月のインド視察は「縁起の良い」企画であるといえます。
ぜひ皆様と、世界で最も成長している国インド、そして世界で最も経営者人材を輩出しているその環境を、この目でみて学びたいと思います。
本視察セミナーへのご参加のご検討を、何卒よろしくお願い申し上げます。
↓↓↓インド視察へのお申込みは、こちらからどうぞ!
https://global.funaisoken.co.jp/in_session/in_session-626-2-2-2-2
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