注目のキーワード

2024年10月の時流とその対策(3):
中小製造業がAI活用で生産性130%になった理由とは?

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

最新著書「CRMカンパニー」の増刷が決定しました!

私も著者の一人として執筆に参加、今年8月に出版された「CRMカンパニー ~データ・生成AI活用で業界平均の3~5倍の収益性を実現する」(同文館出版)の売れ行きが好調で、この度、増刷されることになりました。本書は現在でも、丸善や紀伊國など大手書店の「CRM」のコーナーに並んでいます。

本書が好調な要因として、多くのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント:顧客管理)が、主に“既存顧客”を対象としているのに対して、本書「CRMカンパニー」では“未来顧客”までをも対象に含んでいることが挙げられると思います。

CRMカンパニー

>>ご購入はこちらから

https://amzn.asia/d/fmXjlk4

 

最強のフレームワーク「ザ・モデル」とは何か?

一方で、今、流行りの経営のフレームワークとして「ザ・モデル」といわれている概念があります。

「ザ・モデル」とは、米国のCRMベンダーであるセールスフォースドットコム社が提唱する概念です。すなわち、「ザ・モデル」ではビジネスのプロセスを次の4つに分解します。

・マーケティング(集客)
・インサイドセールス(アポ取り)
・フィールドセールス(訪問・成約)
・カスタマーサクセス(アフターフォロー)

多くの日本企業では、これらの4つのプロセスを同一の営業担当者が行っているケースも珍しくありません。その結果、同じ既存顧客への訪問をルーチンに繰り返すのみ、というパターンが一般的です。

これに対して、「ザ・モデル」では前述の通り、上記の4つのプロセスに分けて考えます。なぜ、4つのプロセスに分けて考える必要があるのかというと、各プロセスでKPI(=成功のために押さえておくべき数値)が異なるため、そもそも1くくりで考えることができないのです。

具体的に、上記4つのプロセスは下記の様なKPIで表現されます。

・マーケティング(集客)・・・Webアクセス数×問合せ率=見込客数
・インサイドセールス(アポ取り)・・・見込客数×案件化率=案件数
・フィールドセールス(訪問・成約)・・・案件数×受注率=受注数
・カスタマーサクセス(アフターフォロー)・・・受注数×平均単価=受注額

なぜ、一般的な日本企業では新規開拓がうまくいかないかというと、上記4つに分けるべきプロセスを1人の営業担当者が担っているケースが多いからです。

営業担当者のKPIは、多くの場合「売上額」であり「粗利額」です。そうすると彼ら(営業担当者)はおのずと、
・案件数
・受注率
・平均単価
は上げようと頑張るものの、
・Webアクセス数
・問合せ率
・見込客数
を増やす動きはとりません。なぜなら後者のKPIは「売上」「粗利」をつくる上で、遠いKPIだからです。

ちなみに「ザ・モデル」について、ここでは単純化して説明しましたが、実際には「ザ・モデル」は導入される会社によって詳細が異なります。

つまり、前述の4つのプロセスに完全に分業されているケースもあれば、会社によっては“マーケティング”と“インサイドセールス”を兼務しているケースもあります。あるいは“フィールドセールス”と“カスタマーサクセス”を兼務しているケースもありますし、“フィールドセールス”のことを“開発営業”と呼ぶ会社、あるいは“カスタマーサクセス”の機能をルートセールスに持たせている会社もあります。

そして社員10名前後の中小企業でも、「ザ・モデル」の成功事例はあります。

 

SFAはもう古い、これからはCRMプラットフォームの時代

ここで、繰り返しになりますが前述の「ザ・モデル」を下記に再度示します。

・マーケティング(集客)
・インサイドセールス(アポ取り)
・フィールドセールス(訪問・成約)
・カスタマーサクセス(アフターフォロー)

ここで、多くの会社で導入されているSFA(営業管理システム)は、
上記でいうと
・フィールドセールス
の部分しかカバーされていません。

「ザ・モデル」を実現するためには、上記「マーケティング」から「カスマターサクセス」まで、一貫した管理が行えるデジタルツールが必要です。これが「CRMカンパニー」で述べている「CRMプラットフォーム」なのです。

不景気の昨今、従来と同じやり方では業績も生産性も上がりません。

インターネットやYoutubeで「ザ・モデル」と入力すると多数のコンテンツが上がってきますが、あらゆる業界・あらゆる規模の“勝ち組企業”はこぞって、「ザ・モデル」を導入しています。

こうした背景もあって、最新著書「CRMカンパニー」は増刷に至ったのだと思います。

 

「未来顧客」をどのようにつくるのか?

さて、前述の「CRMカンパニー」の特徴として、既存顧客の管理だけでなく“未来顧客”の創出・管理ができる、という話をしました。ここでいう“未来顧客”とは、前述の「ザ・モデル」の中でいう

・マーケティング(集客)

で生み出される新規顧客のことです。

ここでマーケティング、すなわち新規顧客の創出に大きな役割を担うのが「ソリューションサイト」になります。

例えば、静岡県浜松市にアート電子株式会社(従業員45名)という電子部品(プリント基板)設計・製造メーカーがあります。皆様もご存じの通り、プリント基板の業界は国内市場がどんどんシュリンクしており、大半が中国等の新興国に流出しています。

ところが、アート電子株式会社の場合は、なんと毎月60件を超える新規問合せをWebサイトから獲得し、その中から優良顧客に絞ってマーケティング活動と営業活動を行うことにより、生産性を130%も向上することに成功しています。

そんな同社が運営するソリューションサイトが「ノイズ対策.COM」です。プリント基板を設計・製造する上で大きな課題となるのがノイズ対策です。「ノイズ対策.COM」では、プリント基板に対するあらゆるノイズ対策の方法が、体系的かつ網羅的にまとめられており、こうした対策を施したプリント基板の設計・製造事例がコンスタントにアップされています。

なおアート電子様は、自社の会社案内サイトとは別に、ソリューションサイトである「ノイズ対策.COM」を立ち上げています。

ここで、よくある質問が「なぜ、ソリューションサイトが必要なの?」「会社案内サイトの中にノイズ対策の記事を書けばいいんじゃないの?」といったことです。

 

なぜソリューションサイトが必要なのか?

なぜ「会社案内サイト」と「ソリューションサイト」を分けなければならないのでしょうか?

2つ理由があります。

1つ目は、SEO対策を目的とするものです。

SEOとは“サーチ・エンジン・オプティマイゼーション(=検索エンジン最適化)”という意味です。具体的に、前述のアート電子様でいうと、「ノイズ対策」というキーワードで検索された際に、自社のWebサイトを検索エンジンの中でTOP表示させるための対策のことです。

ここで、アート電子様の「会社案内サイト」というのは、あくまでもアート電子様そのものを説明するWebサイトになります。グーグル等の検索エンジンも、その様に認識しています。

これに対して「ノイズ対策.COM」は、明らかに“ノイズ対策”を専門に扱うWebサイトだということが一目瞭然です。グーグル等の検索エンジンも、その様に認識しています。

検索エンジンにそのように認識されると、当然のごとく「ノイズ対策」というキーワードでTOP表示されやすくなります。シュリンクする市場の中で、同社が毎月60件もの問い合わせを獲得できているのは、そうしたことが理由です。

2つ目は、顧客の視点です。

誰もが名前を知っている大企業と、ほとんど知名度の無い中小企業の違いは、その会社名のブランドの浸透力にあります。

例えば、トヨタが自動車を製造している会社だということは、誰もが知っています。したがって、トヨタが自動車のPRを目的としたソリューションサイトをつくる必要はありません。

なぜなら、繰り返しになりますが、誰もがトヨタを自動車メーカーだと認知しているからです。

それに対して、アート電子様がプリント基板の設計・製造メーカーであることは、地元では知られているでしょうし、既存顧客の間では知られているでしょうけども、全国のプリント基板を必要としているユーザーやバイヤーの大半は知らないでしょう。

ましてや、高品質のノイズ対策に強いプリント基板の設計・製造メーカーである、との認知は非常に限られたものだと考えられます。したがって、「ノイズ対策」とインターネット検索して“アート電子”という会社名が上がってきても、それをクリックする可能性は必ずしも高くない、ということなのです。

ところが「ノイズ対策.COM」というサイトが上がってくれば、「まさに探していた内容だ!」と、喜んでクリックされることでしょう。そして内容を確認したユーザーやバイヤーが、「どんな会社が運営しているのだろう」と、運営会社のリンクをクリックして、アート電子様の「会社案内サイト」をみると、「これは信用・信頼できそうな会社だ」と、問合せにつながるのです。

 

生成AIの活用で、問合せ数3割アップを実現!

さらに最近では、同社のソリューションサイト「ノイズ対策.COM」には、生成AI(ChatGPT)と連動させたチャットボットを実装しています。

このチャットボットは、アクセスしてきたユーザーに対して「ノイズ対策のどんなことでお悩みですか?」と聞いてきます。仮に「電磁波に強い回路設計のポイントを知りたい」と入力すると、生成AI(ChatGPT)が「ノイズ対策.COM」の中から最適な事例を探してきて、「こうした事例があります」と、同サイト内の最適な事例をレコメンド(=提案)してくれます。

こうした生成AIの活用により、同社では新規問合せが3割も増加しています。

そして、こうしたチャットボットは全てCRMプラットフォームにつながっています。

したがって、

・どんな質問をした人が、実際の問合せにつながったのか?
・どんな質問に対して回答ができ、あるいはできなかったのか?

といった分析ができるため、実際に仕事につながりやすい事例やコンテンツが明確になると同時に、現状の自社が満たしきれていない技術課題も明確になります。

また、Zoho(ゾーホー)のようなグローバルなCRMプラットフォームは、前述の生成AIとの連携はもちろん、いわゆるファースト・パーティ・クッキーの取得からインターネット広告の有効性の分析も可能です。

ファースト・パーティ・クッキーとは、いわゆる「相手の顔が見えていない状態」での顧客情報です。例えば「どんなキーワードで検索した人が」「どんなインターネット広告の記事を読んで」問合せに至ったのか、という分析を行うことができます。

これが冒頭に述べた「未来顧客」をつくるノウハウです。

さら、に同社の場合は女性社員を中心としたインサイドセールス部隊も抱えており、プリント基板の設計・製造といった技術力はもちろんのこと、同社ならではの「ザ・モデル」を構築しているのです。

これが同社の生産性を130%もアップできた要因です。

そして船井総合研究所では「御社のAI活用とDXを確実に推進できる1日」というテーマで、下記日時にて「参加無料」の特別セミナーを企画いたしました。

本セミナーには、前述のアート電子 株式会社 取締役社長 伊藤 規晋 氏 にも、特別ゲスト講師としてご登壇いただきます。

 

参加無料!先着100名様限定!御社のAI活用とDXを確実に推進できる1日!

本セミナーの概要は下記の通りです。
※本セミナーは参加無料/先着100名様限定ですが、現在の時点で70名ものお客様からお申し込みをいただいておりますので、できるだけ早くお申込みいただければと存じます。

<本企画の概要>

~御社のAI活用とDXを確実に推進できる1日~
Zoho(ゾーホー)活用の全てがわかる祭典!Zohoカスタマーサクセス年次総会

Zohoカスタマーサクセス年次総会2024

日時:2024年11月11日(月曜日)12時30分~16時30分  ※受付開始 12時~

会場:船井総合研究所 東京本社 サステナグローススクエア TOKYO(八重洲)

参加費用:無料(先着100名様まで)

↓↓↓本無料セミナーの詳細・お申込みはこちら!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119653

今回は特別ゲスト講師として、縮小する市場の中、DX推進ならびに生成AI活用により、自社の生産性を130%もアップすることに成功!また生成AIで新規問合せを3割増やすことに成功したDX成功事例企業の経営者(製造業:従業員50名)をお招きしています。

 

今回のセミナーにご参加いただきたいのは、次の様な方です。

<この様な方にオススメ>

・Zohoをもっと活用して「業績向上」や「生産性向上」を実現したい中堅・中小企業の経営者の方
・大企業の一般論ではなく、中堅・中小企業の為のDXの具体的な進め方を知りたい経営者の方
・生成AI(AI)を自社の経営に活用したいと考えている中堅・中小企業の経営者の方
・ZohoでどんなDXができるのか、知りたいと考えている中堅・中小企業の経営者の方
・これから自社が取るべきDX戦略・ロードマップを知りたいと考えている中堅・中小企業の経営者の方

↓↓↓本無料セミナーの詳細・お申込みはこちら!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119653

本セミナーには、船井総合研究所 代表取締役社長 の 真貝 大介 も登壇いたします。
本セミナーのプログラムの概要は下記の通りです。

 

<本セミナーのプログラム>

第1講座 基調講演
当社のZohoカスタマーサクセスが目指すところ
株式会社 船井総合研究所 代表取締役社長 社長執行役員 真貝 大介

第2講座 ZohoDX成功事例発表
生成AI活用+Zohoで大きな成果を上げるZohoDX成功事例
アート電子 株式会社 取締役社長 伊藤 規晋 氏

第3講座 業界平均5倍の収益性・生産性を実現するためのZoho活用について
Zoho活用によるDXの推進のポイントを、500社以上におよぶ導入実績と成功事例から、
皆様にわかりやすくお伝えします
株式会社 船井総合研究所 DX支援本部 副本部長 片山 和也
株式会社 船井総合研究所 DX支援本部 ディレクター 橋本 吉弘

第4講座 2024年度ZohoカスタマーサクセスMVP表彰
・MVP表彰式
・MVP企業(Zoho活用成功企業)「経営者」からのご講演

第5講座
分科会1 接客・店舗型ビジネス
分科会2 BtoCセールス
分科会3 BtoBセールス
分科会4 EC

第6講座 本日のまとめ
中堅・中小企業がDX推進するにあたって、必ず成功させるための3つのポイント
株式会社 船井総合研究所 DX支援本部 副本部長 片山 和也

本セミナーは先着100名様限定の特別企画(参加無料)となっております。
ぜひ、お早めに、下記URLから本セミナーへのご参加を検討いただければと思います。

↓↓↓本無料セミナーの詳細・お申込みはこちら!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/119653

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ