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2023年11月の時流とその対策:テスラ社の最新情報と、日本の自動車産業の衝撃の未来!

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想像をはるかに超える16,000トンのマシンを導入したテスラ社

以前のこのコラムで、今年9月に実施した米国視察でテキサス州・オースティンにあるテスラ社の巨大工場であるギガ・ファクトリーの話をしました。テキサス州の広大な敷地の中に、日本では考えられないほど巨大な工場建屋が続いており、参加者からも「こんな大きな工場なのか・・・」と、ためいきが漏れたほどです。

また自動車部品を成形するダイカストマシン。日本ではどんなに大きくても1,300トンくらい。それがテスラのギガキャストでは10,000トンを超える超巨大なダイカストマシンが使用されており、日本では100点ほどの部品を溶接等で組み合わせて製造する部品を、わずか1ショットで製造しているのです。

そしてテスラ社の最新技術動向を伝える米国メディアのThe Tesla Spaceによると、さらにテスラ社は10,000トンをはるかに上回る16,000トンのダイカストマシンを導入したそうです。

The Tesla Space
16,000トンギガキャスト導入のYoutube動画

日本では10,000トンのダイカストマシンでも、道路交通法の関係もあり日本国内での輸送は不可能といわれています。それが16,000トンとなると、想像をはるかに超える大きさのマシンです。
テスラ社では新型車であるサイバートラックの生産、およびモデルYの生産のために16,000トンのギガキャストを導入したとしています。これにより、モデルYではさらに部品点数が削減され、なんと従来モデルと比べても40%もの部品が削減されたとしています。

従来の金型屋は不用に?ギガキャストで起きる金型の技術革新!

これだけ巨大なダイカストマシンとなると、従来の金型製造技術だと金型が相当高いものになってしまいます。そこで、このギガキャストの製造法においては、金型も従来工法と全く異なるやり方でつくられるといいます。
具体的には3Dプリンタによる“砂型”です。3Dプリンタにより、1ショットごとに砂で型をつくるのです。砂でつくられた型ですから、“中子(なかご)”も砂でつくることによりアンダーカット(=干渉部)が発生しても、ワークを取り出すことができます。

そうすると従来工法により、職人がマシニングセンタや研削盤でつくりあげてきた金型が不要となり、職人でなくても3Dモデリングが可能な若いオペレーターでも、金型に相当する砂型が簡単につくれてしまうことになります。
日本の金型業界が厳しくなった理由の1つは、3Dモデリングにより職人技術が不要になったことになります。今回、3Dモデリングに加えて、砂を造形で固める3Dプリンティングが採用されることにより、従来の金型がゼロになることはないでしょうけども、しかし業界にとって大きな打撃になることは間違いありません。

大馬力が必要なトレーラーなど、商用車もEVシフトの現実!

「いやいや、普通の自動車はEVになるけども、馬力が必要な大型トラックや商用車は水素エンジンなど内燃機関が残るのでは?」という声もあります。
しかし先に述べたThe Tesla Spaceの動画の中にもありますが、既に米国のペプシ社は大型トレーラーにEVを採用しており、内燃機関トラックと何ら変わらない性能が担保できたので、随時EVトレーラーに切り替えていくとしています。

動画の中でも言われていますが、ペプシのトレーラーの積載物は飲料ですから、相当に重たい荷物です。そんな重量物を何ら従来と変わりなく輸送することができる、という実験結果を経てEVへの切り替えを決断しているわけです。

日本のニュースだけを見ていると中々伝わってきませんが、世界が大きくEVに舵をきっているのは否定しがたい事実だと思います。

安い広大な土地、安い人件費、水平分業でコモディティ化するEV

さらにテスラ社は、メキシコの新工場に加えて、トルコでも新工場建設を検討しているとしています。
トルコというのはEUの奥座敷であり、ドイツやフランスなどEU主要国と比較すれば人件費も土地代も破格に安いので、EUに対しての本格生産拠点であるといえます。

かつアップルのiPhoneの生産受託で飛躍したフォックスコンも、MIHコンソーシアムというEV製造のためのサプライチェーンをつくり、今回の東京モビリティショーにコンセプトカーを出展しています。

前述のテスラだけでなく、世界中のほぼ全ての有力プレーヤーが「EVはスマートフォン以上に巨大な魅力的なマーケット」と捉えて、新興国からも軒並み参入してきています。

現在のEVビジネスの最大の課題は、「EVは特に電池の原価が高く、つくればつくるほど赤字」という点にあります。しかし前述のテスラ社の様に、「とにかく合理的に」「従来の製造方法とは次元の異なる製造方法」「ありあまる土地で」といった武器で、異次元の製造方法がEVに適用されると、また、前述のファックスコンが中心となるMIHコンソーシアムの様な、従来型の「垂直統合」から国際的な「水平分業」が一般化すると、EVのコストは下がり国際的に一気に普及する可能性があります。

ただし、そうなると日本の自動車産業は大ピンチになります。

なぜなら自動車がスマートフォンと同様に、国際的にコモディティ化してしまうからです。
ハードウェアが国際的にコモディティ化してしまったスマートフォンの場合、アップル・シャオミ・サムスン・ファーウェイなど、国際的に製造メーカーは数えるほどしかありません。それは「水平分業」が促進された結果、スマートフォンそのものがコモディティ化して、国際的に寡占が進んだからです。
今やスマートフォンで日本のメーカーは、ほぼ存在しません。

自動車も同様で、仮に前述の様なEVの「水平分業」が促進された場合、ベンツ・テスラ・BMW・ポルシェといった高級車として自社ブランドを確立しているメーカーはともかくとして、軽自動車や小型車がメインの日本メーカーは、軒並みコモディティ化の波に飲み込まれる可能性が高いといえます。
前述のスマートフォン、あるいは家電の時もそうでしたが、結局は日本の消費者も安い商品に流れます。

もちろんEVシフトがうまくいかず、ガソリン車やディーゼル社など、内燃機関の車が将来にわたって残る可能性もあります。ただしそれは「希望的観測」であって、ほぼ間違いのない未来は前述の様な革新的技術によるEVシフト、あるいは全てがEVシフトしないまでも、かなりの内燃機関のシェアがEVに喰われるという未来なのです。

実はこれだけある!自動車産業以外の膨大な製造業分野!

従って、仮に従来の仕事が自動車産業に依存しているとするならば、自動車産業以外の業種からの仕事の獲得が早急の課題になると思います。
さらに現在のところ、国内の自動車産業というのは市場規模が大きく、かなり大きなボリュームの仕事がきているケースが多いといえます。従って自動車産業以外の業種の開拓には相応の時間がかかります。

自動車産業以外の業種というのは具体的にいうと、

・半導体・液晶分野
・電子部品・電池分野
・ロボット・各種アクチュエータ等の生産財分野
・建設機械・農業機械分野
・その他各種産業機械分野
・医療機器分野
・ヘルスケア分野
・食品・飲料・化粧品分野
・水処理・治水等のインフラ分野
・発電・送電分野等のインフラ分野
・住宅・建設分野
・化学・材料分野
・他 多数

となります。

実際、経済産業省の統計データをみてみても「輸送用機械器具製造業」は、製造業出荷額全体の19.1%であり、全体の約2割にすぎません。次に市場規模として大きいのは「化学工業」であり、これが全体の9.7%、以降は5%前後未満の産業がロングテール的に集積しています。

ちなみに「製造業は衰退している」といわれていますが、それでも日本の製造業の市場規模は180兆円といわれています。参考までに建設業が22兆円といわれていますから、それでも日本国内最大の産業はやはり製造業なのです。

前述の通り、自動車産業の全体のシェアが約20%と突出して高いため、感覚的に自動車産業からの仕事がかなり多く感じるわけですが、言い換えれば残り約80%の産業は自動車産業以外といえます。

もっといえば、例えば大企業の場合は最低でも50~100億円に育つ可能性のある事業でなければリソースが投入されずらく、その結果M&Aなどで身売りの対象になってしまったりします。

しかし自社そのものの事業規模が10億円いくか、いかないかの中小製造業の場合、自動車以外の新規分野でそれこそ1~3億円でも数字がつくれれば、それは自社にとって無視ができない、かなり大きな新規売上になるのではないでしょうか。

今、中小製造業「経営者」の早急な課題は、間違いなく“脱”自動車業界依存!

何より大切なのは自社の文化です。そもそも不安定な民間企業であるにも関わらず、特定業界・特定顧客からだけの仕事に依存する「親方日の丸」的な文化に社内がなってしまうのは、存続を目的とする経営側からすると経営リスクでしかありません。
常に新しいことにチャレンジするという社内風土を醸成することこそ経営者の仕事であり、また現在の様に不況にさしかかっている今のタイミングは、そうした社内改革を実行・推進する上でも良いタイミングであると私は思います。

ただし従来の延長線上だけでは、なかなか「脱」自動車産業への依存、からの脱却は困難です。

例えば来る11月13日(月)に東京会場で開催予定の経営セミナー「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」の特別ゲスト講師(セミナー当日は動画にてご登壇)の関東製作所様の場合、もともとの自社の本業はブロー金型の製造ならびに射出金型の製造でした。

しかし金型製造という本業のみで、自動車マーケット以外からの受注を推進するのは困難です。
そこで同社では従来の金型製造に加え、「射出部品成型」という金型よりも裾野の広い“部品加工分野”に新規参入することで「脱」自動車を目指す体制がととのっています。
現在、同社では営業DXによって新規開拓を仕組み化することで、何と年間3億円も新規顧客から数字をつくることに成功しています。

↓↓↓「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」の詳細・ご案内はこちからから!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105375

また同様に営業DXによって、毎月40件を超える新規顧客からの引合いを獲得することに成功。
さらに直近では「ChatGPT」を自社サイトのチャットボットと連携させることにより、大きな成果をだしている千葉県のカネコ様の場合、同社の本業はもともと“冷間鍛造品の二次加工”でした。
しかし“冷間鍛造品の二次加工”という事業領域だと、やはり自動車以外の仕事を取ることが困難です。
そこで同社も新規事業として「特注ネジ」「特注リベット」の領域に参入し、その結果前述の様な目をみはる成果を出すことに成功しているのです。

↓↓↓ChatGPT活用がわかるセミナーはこちら!:製造業「生成AI」活用経営セミナー
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105930

つまり関東製作所様の場合は、

・従来の金型製造の、そのお隣のサプライチェーンに事業領域を拡大した

ことによる成功事例であり、

さらにカネコ様の場合は、

・従来は客先だと考えていた冷間鍛造会社を仕入先に切り替え、完成品に事業領域を拡大した

という、「自社の強みを活かした」戦略を伴う営業DXの実行により、大きな成果をあげているのです。

つまり「脱」自動車業界依存の第一歩は、まずは自社の強みを活かした「お隣の領域」あるいは「仕入先・販売先を逆転させた領域」での新規事業にあると思います。
次にそれを加速させるための「営業DX」がポイントになります。
その道のベテランを新たに雇用することなく、現在いる社員で、かつわずかな投資で新規事業をスタートする最初の一歩が「営業DX」なのです。

ぜひ下記セミナーへのご参加をご検討いただき、自社の新規事業と営業DXを考える1つの機会にしていただければと思います。

↓↓↓部品加工業向けセミナーはこちら!:部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー


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↓↓↓生産財商社向けセミナーはこちら!:機械工具商社 時流対策セミナー 2024


https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105124

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