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2023年10月の時流とその対策:中小企業を取り巻く現在の景気の実態と今後について

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日銀短観、景気判断2期連続で改善は本当か?

日銀はこの10月2日、日銀短観 大企業の景気判断が2期連続で改善、と発表しました。
報道によると、今回の調査は8月下旬から9月末にかけて実施され、大企業の製造業の景気判断を示す指数は、プラス9ポイントと、前回を4ポイント上回り2期連続で改善した、といいます。

しかし先日、ある中小製造業(部品加工業)の社長が次の様にいわれていました。
「ニュースをみると日銀短観もプラスで、製造業は調子が良い、みたいなことをいっているけど、うちはさっぱりなんだけどなあ・・・」と、いうのです。

ちなみに、この日銀短観の景気判断とは、どの様な調査なのでしょうか?

ここでいう景気判断を示す指数、というのはDI(Diffusion Index:ディフュージョン・インデックス)のことです。DIとは、例えば
「今の景気はどうですか?」
という質問に対して、
(1)良い
(2)さほど良くない
(3)悪い
という回答の割合を算出して、上記(1)の割合から、(3)の割合を引き算した数値が、前述の“景気判断を示す指数”ということになります。

例えば、仮に100社に対して調査を行い、その回答結果が下記の様だったとします。

(1)良い       ・・・25社  25%
(2)さほど良くない  ・・・55社  55%
(3)悪い       ・・・20社  20%

そうすると景気判断DIは、 25%-20%=5 と、なります。つまり5ポイントです。

前述の“大企業の製造業の景気判断を示す指数は、プラス9ポイントと、前回を4ポイント上回り2期連続で改善”というのは、上記の様に「良い」と答えた割合が、さらに9ポイント増えた、ということになります。

中小企業 製造業・商社の景気の実態は?

ちなみに、この景気DIというのは日銀だけでなく、様々な機関が定期的に出しています。

例えば帝国データバンクが10月4日に発表した9月の景気動向調査は、2ヶ月連続の悪化という内容になっています。その要因は、
・原材料価格やエネルギーコストの高止まり
・米欧中経財の成長鈍化による景気の押し下げ
だといいます。
同調査によると、規模別には「大企業」「中小企業」が3ヶ月ぶりにそろって悪化。業界別にも3年5ヶ月ぶりに全10業界で悪化したとしています。

さらに日本商工会議所によると、この9月の景気DIは全産業がマイナス9.0と、2ヶ月ぶりに低下。
特に製造業は、
・中国経済の鈍化
・電子部品の需要停滞
・材料やエネルギーコストの増大
により、悪化したとしています。さらに先行き(10-12月)の見通しDIは、マイナス12.9とさらに悪化しており、賃上げ等も収益を圧迫するものと懸念しているとしています。

また全国商工会連合会は、8月の小規模企業景気動向調査をまとめ、全業種の景気DIがマイナス19.1で、2ヶ月連続で悪化したと発表しました。特に製造業は景気DIがマイナス23.8に落ち込んでおり、売上高DIも景気DIも、ともに二桁悪化したとしています。

この様に、同じ景気DIでも、大企業中心の日銀の調査と、中小企業の割合が高いと思われる帝国データバンクや日本商工会議所の調査、さらに小規模企業(=おおよそ従業員50人未満)を対象とした調査では、結果が全く異なるのです

昔から、「本当の情報を得るためには1つの新聞だけでなく、複数紙を読まなければいけない」といいますが、こうした景気DIについては、さらにそうした分析が求められると思います。

なぜ中小企業の景況感が悪い、本当の理由

ではなぜ、大企業の景況感が、そのまま中小企業の景況感と一致しないのでしょうか?

例えばトヨタ自動車の来年2024年3月期は、営業利益3兆円と過去最高の利益を達成する見込みです。
では、トヨタ自動車がつくる車種の全てが良いかというと、そうではありません。
前回のこのレポートでも書きましたが、私は先月9月に、米国・テキサス州のダラス・フォートワースエリア、またオースティン周辺を1週間ほど視察してきました。米国・テキサス州のオースティン周辺は、米国トヨタ自動車が本社を移転したこともあり、特に昨今注目されているエリアです。
そして私は、オースティンから南に位置するサン・アントニオ市に立地する、米国トヨタ自動車のサン・アントニオ工場も視察しました。

この、米国トヨタ自動車 サン・アントニオ工場では、タンドラという大型ピックアップ車と、セコイアという大型SUVが生産されています。両方の車種ともに、4000ccを超える排気量で超大型であるため、日本では限られた逆輸入車しか販売されていません。米国での販売価格も800万円以上する高級車です。

そして今回の視察は、100名を超える経営者の方をお連れしていることもあり、工場見学を2日間に分けて実施しました。ところが、この2日間とも、米国トヨタ自動車 サン・アントニオ工場は午後になると稼働を停止してしまうのです。現地スタッフの方は「部品不足で生産ができない」と説明していましたが、私はそうは思いませんでした。
なぜなら同工場はあまりにも活気が無かったからです。
あくまで私の勘ですが、これは「部品不足」なのではなく、「タンドラやセコイアといった高額な大型車が売れていない」から生産調整をかけているのだ、と私は思いました。

実際、テキサス州よりも日本車の比率が高いカリフォルニア州・サンフランシスコに在住の現地通訳によると、今、米国で人気の日本車は、トヨタ RAV4という安価なSUVだといいます。
ところがRAV4は米国で生産しておらず、日本からの輸出なので品不足になっており、納車までに2年以上かかる人気だといいいます。
タンドラやセコイアは、米国のカーメーカーであるGMやフォードも似た様な車種を生産しており、日本車でなければならないポジションでは、そもそもありません。それに対してRAV4は、見た目や機能性に対して価格が安く、米国車に対して有利なポジションの日本車といえます。「安くて壊れにくくて、だけど見た目もそこそこのSUVが欲しい」ということで、RAV4が人気なのだと思います。
実際、日本国内でもRAV4がらみの仕事は、相応にでまわっています。

つまり、トヨタ自動車は「売れている車種」「売れているエリア」にポートフォリオを最適化することによって、全世界で円安を武器に、前述の様な「営業利益3兆円」という未曾有の利益をたたきだしているのです。

それに対して、下請けの中小企業の多くは、特定の車種や特定の国向けの仕事をしていることが大半です。
つまり運よく「売れている車種」の仕事をしていれば忙しい、あるいは運よく「売れているエリア」向けの仕事をしていれば忙しい。ところが運悪くその逆だと、前述のサン・アントニオ工場の様に仕事が半分以下とかになってしまうわけです

また東海エリアではよくいわれていることですが、今回、トヨタ自動車は初めてサプライヤーからの値上げを認めるそうです。その理由は、昨今の原料高・エネルギーコストの上昇に加えて、前述の様に自社は過去最高の利益を上げる中、サプライヤーへの配慮もあるのだと思います。
ところが、この値上げを認めてもらえるサプライヤーというのは、あくまでもティア1企業(=1次取引先)であり、ティア2やティア3も同様に値上げが認められるかというと、必ずしもそうではありません。
もっといえばティア1企業というのは、アイシンやデンソーといったトヨタグループの企業群です。真偽のほどはともかくとして、東海エリアでよくきかれるのは「結局、儲かっているのはトヨタグループだけだ」という話です。

2~3年前の「仕掛け」が、現在の業績をつくる:EVシフト時代に絶対に必要なこと!

とはいえ実際問題として、現在の業績は、現在の努力でつくられているわけではありません。
やはりBtoBのビジネスというのは、「種をまいてから実がみのるまで」の間に相応の時間がかかります。なぜならお客様からの信用と信頼が得られなければ、そこそこの金額のリピート受注を獲得することはできないからです。

従って、現在の売上・利益というのは、言い換えれば2~3年前に取り組んだ「仕掛け」の結果が、現在の数字に反映されている、と考えるべきでしょう。
2~3年前といえば、まさにコロナ禍の真っただ中です。そうすると特に多くの中小企業は効果的な打ち手が行えていなかった、ということも前述の景気指標の結果なのかもしれません。

それに対して、前述のトヨタ自動車グループをはじめとする大企業は、EVシフト等も含めて相応の未来予測を行い、組織改編やグループ改編を通して、それなりに手を打ってきているといえます。
つまり、中小製造業もこうした動きにしっかりとキャッチアップしていく必要がある、ということです。

具体的に、中小企業というのは、
・PUSH型ではなく、PULL型の営業の仕組み
・属人ではなく、営業DXを活用した営業の仕組み
をつくりあげて、組織的・計画的・戦略的に常に成長分野の新規顧客開拓が行える様にするべきだと思います。

前述の「PUSH型」営業というのは、こちらから飛び込み訪問を行ったり、あるいはTELアポをしてこちらから訪問のアポをとったりと、文字通りこちらからPUSHする営業スタイルのことを指します。
それに対して「PULL型」営業というのは、こちらから売り込むことは一切せず、お客様からの問合せのみに対応していくスタイルの営業のことです。

この「PULL型」営業の中心となるが、ソリューションサイトとよばれる集客専門のWebサイトのことです。多くの会社が「会社案内サイト」しか持っていません。「ソリューションサイト」をつくることによって、従来と比較すると少なくとも10倍以上の新規問合せを発生させることができるのが「ソリューションサイト」です。ちなみに、この「ソリューションサイト」を活用して、日本で最も「PULL型」の新規開拓に成功している会社が、超優良企業として知られるキーエンスです。
キーエンスは、何と50を超えるソリューションサイトを運営していることは、あまり知られていません。

例えば私の関係先の某部品加工業(機械加工業)の場合、従来から持っていた会社案内サイトに加えて、自社の強みを訴求したソリューションサイトを立上げ、それまでは年間数件あるかないかだった問い合わせが、何と毎月10件以上の問合せが来る様になりました。実に数十倍もの成果です。
その結果、従来は自動車業界の特定数社のみの売上だったのが、現在では3年前と比較しても3倍以上の顧客数になっています。自動車業界以外にも、医療業界やインフラ業界からの仕事も取れる様になり、現在は自動車業界からの既存顧客の売上は3割ほど減少していますが、医療業界やインフラ業界など、新規業界からの売上がこれをカバーしているため、売上トータルでは横ばいを維持することができています。

何と!営業DXの導入で年間3億円超の新規開拓受注に成功!/インフラ業界・IoT業界 他

また東京に本社・工場を置き、従業員229名(2023年9月現在)を擁する株式会社関東製作所の場合、従来はブロー成型金型という事業領域のみを手掛けていましたが、現在は射出金型・射出成形・部品加工まで手掛けることによって業績を大きく伸ばしています。
具体的に同社は何と、現社長就任後12年で売上を6倍以上に伸ばされています
また前述の、
・PULL型の営業の仕組み
・営業DXを活用した営業の仕組み
にも熱心に取り組まれ、一昨年はコロナ禍の中にも関わらず、何と年間2億円超もの新規開拓による受注に成功、昨年は年間3億円超という新規開拓受注の成果を上げられています。

同社は従来、ほぼ自動車業界に依存する受注内容でしたが、現在では非自動車マーケットの優良顧客を続々開拓できる仕組みをつくることに成功されています。

そして、今回、この株式会社関東製作所 代表取締役社長 渡邉 章 様を特別ゲスト講師として、
来る2023年11月13日(月曜日)東京会場(船井総研丸の内本社)にて、「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」を企画いたしました。

※上記特別ゲスト講師様は、東京会場内における動画でのご講演となります。

↓↓↓「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」の詳細・ご案内はこちからから!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105375

同社は「射出成形」という一品料理ではなく、リピートを伴う量産品での受注を狙う、そうした意味では難易度の高い新規開拓を、営業DXを活用して展開されています。
部品加工業(製造業)の場合、「ウチの業界は特殊だから」「ウチの業界は難しいから」と、なりがちですが、同社の事例をお聴きいただければ、広く様々な製造業に適用できる内容だとご理解いただけるかと思います。

また第1・第3・第4講座では、船井総合研究所の部品加工業専門コンサルタントが、射出成形だけでなく、
・機械加工
・板金加工
・プレス加工
・鋳物加工
・その他
といった、部品加工業全般の成功事例について、わかりやすくお伝えします。

<本セミナーの講座内容>
第1講座
今、部品加工業が非自動車マーケットを狙うべき理由
・EVシフトのこれからと、今後の自動車マーケット
・「半導体」「電池」「インフラ」「医療」「FA」他、これからの成長マーケットを攻略する方法!
株式会社 船井総合研究所 片山 和也

第2講座 特別ゲスト講師
営業DXで年間3億円の新規開拓を実現する我が社の取り組み
・非自動車マーケットの大手優良企業を続々開拓する我が社の取り組み
株式会社 関東製作所 代表取締役 渡邉 章 氏

※本講座(特別ゲスト講師様)は、東京会場内における動画でのご講演となります。

第3講座
非自動車(内燃機関)マーケット攻略のビジネスモデルを90日間で構築する方法!
・成功事例1:取り組み半年で大手電子部品メーカーの口座獲得!月額数百万円のリピート!(近畿エリアK社:従業員30名)
・成功事例2:取り組み1年で毎月十数件の新規引合い獲得!医療・産機分野の新規顧客を続々獲得!(関東エリアK社:従業員35名)
・成功事例3:取り組み1年で電池関連メーカーの口座獲得!月額数百万円のリピート!(東海エリアF社:従業員80名)
・その他 成功事例多数
株式会社 船井総合研究所 生駒 宏武
株式会社 船井総合研究所 黒木 賢雄

第4講座
来るべき大不況を乗り切るために、部品加工業 経営者の皆様にすぐに取り組んでいただきたいこと
・「人を増やさず利益を増やす」ビジネスモデルの導入こそが、最大の不況対策!
・ピンチをチャンスに!不況期こそが社内改革の最大のチャンス!
株式会社 船井総合研究所 片山 和也

<日時・会場>
東京会場 2023/11/13 (月)13:00~16:30
船井総合研究所 東京本社
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1−6−6 日本生命丸の内ビル21階

<参加料金>
・一般価格 30,000円 (税込 33,000円)/ 一名様
・会員価格 24,000円 (税込 26,400円)/ 一名様

↓↓↓「部品加工業「脱」自動車マーケット戦略セミナー」の詳細・ご案内はこちからか!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/105375

こうした取り組みというのは、本業が100%以上忙しい時には中々着手できるものではありません。
少し仕事に余裕がある今、あるいは仕事量が減ってきている今だから、幹部や管理職も含めて、こうした取り組みを受け入れやすくなるのではないでしょうか。

ぜひ本セミナーは、社長の皆様だけでなく、社内の幹部の方、管理職などキーマンの方もご一緒に参加されると良いかと思います。セミナー会場で皆様とお会いできますこと、心より楽しみにしております。

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