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2023年8月の時流とその対策(2)

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いよいよ大不況に突入か?厳しかった8月の市況

この8月は全体的に苦戦した会社が多かった様です。

その要因として、半導体不足や部品不足が解消に近づき、自動車の生産等は復調してきましたが、逆に部品不足が解消したことによって、大量の流通在庫が発生することになり、業界を問わず部品関連の需要はこの8月は2~3割前後マイナス、業種・業界によっては半分近くにまで減った、という話もききます。

合わせて、中国市場の苦境がこの傾向に拍車をかけている様です。
日本のGDPはエネルギー高の影響もあってか、この上半期は6%もの成長になった様ですが、逆にいえば中国も6%ほどの成長しかしていません。
中国の不動産大手の恒大がアメリカで破産法を申請しましたが、中国市場の落ち込みは我々の想定を超えている様です。実際、大学卒業後の若年層の失業率は25%を超えているともいわれ、中国当局は統計数字の発表もやめてしまいました。若手がひっぱりだこの日本とは真逆の減少だといえます。

その結果、ずっと好調だった電池向けの製造装置も、出荷先が中国の場合は新たな注文がほぼストップしており、注残をくいつぶすだけの状態が続いている大手装置メーカーもあります。
逆に北米向けの電池の製造装置は絶好調で、その関係の仕事をしている私の関係先は、この5月末決算は過去最高の売上と利益をあげました。

あらためて、現在の製造業関連の不振の原因をまとめると、次の様になると思います。

<現在の製造業関連の不振の原因>
1)流通在庫があふれており、生産調整に入っている
2)中国市場の不調
3)半導体(=特にスマホ・PC向け)の不調
4)世界景気のリセッションへのネガティブな心理

しかしながら、全ての会社の業績が悪いわけではなく、どんな景気状態だったとしても様々な要因によって業績の良い会社というのもあります。

逆に、今、好調な会社(製造業・商社/販売店)の特徴とは?

例えば、工作機械受注もこの7月は前年対比2割のマイナス、といわれていますが、しかしながら月次での受注金額は1000億円を超えています。この7月の受注金額は1142億円です。
もともと工作機械産業は「1兆円市場」といわれており、月次で1000億円を超えていれば好調、というのが生産財業界のかつての常識でした。工作機械業界は円安の恩恵を受けている業界の1つだといえます。

また「半導体が悪い」と先ほど書きましたが、前述の通り“スマホ向け”“PC向け”の半導体は特に中国市場の冷え込みもあって悪いですが、同じ半導体でもデータセンター向けの半導体は絶好調です。
なぜならAI(ChatGPTなど)を事実上駆動させているのはデータセンターであり、そこ向けの半導体は好調だということです。同じく車載向けの半導体も堅調です。

実際、私の関係先の某セットメーカー(=装置業)も、この車載向けに電子部品を製造している大手企業がメインユーザーの1社であり、この某セットメーカーもこの9月末決算は過去最高の売上になる見通しです。
もっと正確にいえば、この私の関係先の某セットメーカーは、従来の装置事業だけでなく、外注先を活用した部品加工事業を昨年から本格的に立ち上げました。この某セットメーカーが過去最高の売上になる理由は、この部品加工事業が前年対比で3割以上増えたことが要因です。前述の通り、外注を活用したビジネスモデルであるため、設備投資をすることなく売上を増やすことができます。
この電子部品大手のユーザーが、内製する設備の部品加工は外部から調達していることから、同セットメーカーは売上と利益を増やしたのです。

まとめると、今、好調な製造業あるいは商社/販売店の傾向は下記だといえます。

<今、好調な製造業あるいは商社/販売店の傾向>
1)メインユーザーが、比較的大きな市場の中で独自技術を有しており差別化されている
2)メインユーザーの主な出荷先が北米である
3)普段から新規開拓を重視しており、結果的に成長産業から仕事が取れている

リーマン・ショックの時も、「液晶業界」「公的なインフラ」「医療・ヘルスケア関係」については仕事が減りませんでした。そうすると「結局のところは運なのか?」という話になりそうですが、「運」も大事ですが「運」だけではない、成功のセオリーというものがあるのだと私は思います。

普遍的な成功の原理原則(=成功のセオリー)とは何なのか?

プロ野球の名監督として知られる故野村克也の言葉で、

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

という言葉があります。

これは、勝つときは文字通り運がよかったり、相手の調子が偶然悪かったりで、実力を伴わなくても勝てることがあるけども、負ける時というのは負けるなりの理由が常にある、ということです。

私もそう思います。

そして、この名言は、実はもともとは江戸時代の肥前国平戸藩の藩主、松浦静山が残した剣術書にこのくだりがでてくることで知られています。この剣術書は「常静子剣談」という書物だそうですが、勉強家としても知られた野村監督は、なんらかの形でこの名文句のことを知られたのでしょう。

同様に、帝王学の定番の書物として有名な中国の古典に、「貞観政要」という書物があります。
この書物は西暦でいうと800年前後に記述されたといわれますが、同書の中では“帝王が行うべき重要な仕事”というのは、主に次の2つだといいます。

1つ目は、「諫言(=かんげん:部下からの正しいアドバイス・忠告)を受け入れ、讒言(=ざんげん:人を陥れるための偽りの報告)を退ける」ということ。

2つ目は「過去の失敗に学び、同じ過ちを繰り返さないこと」だといいます。

つまり、前述の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と、帝王学のテキストである「貞観政要」が述べる帝王の重要な仕事2つ目は、同じことを言っているのだと思います。

では、特に中小製造業・商社/販売店が「負ける」パターンとは、どの様なパターンでしょうか?

それは、

・特定顧客、あるいは特定業界に依存している

と、いう状態だと思います。

この様に考えると、「運しだいなのか?」と思いがちな企業業績も、実はそうでないことがわかります。
つまり「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を実行すべく、前述の“特定顧客、あるいは特定業界に依存している”状態を、いかに解消するかにあります。

前述の、「今、それでも業績の良い会社」というのも、普段から新規開拓・新業種開拓に注力して、「負け」の要素をつぶしている会社であることが、よくわかります。

私たち船井総合研究所 ものづくり支援室では、あらゆる
・部品加工業
・セットメーカー(=装置業 等)
・機械工具商社・他 様々な販売店

が、いかに「特定顧客・特定業界依存からの脱却」を行うかを、様々な形の経営セミナーで、その方法を具体的にわかりやすくお伝えしています。

ぜひ、こちらのリンクから詳細をご覧いただければと思います。

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