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今、キーエンス本が売れている理由

一般に3000部売れれば成功、といわれているビジネス書の世界で、10万部突破という異例のベストセラーになっている近著が、「キーエンス解剖 最強企業のメカニズム」(西岡 杏 著  日経BP)です。

今、あらためてキーエンスが注目されている理由は、

・平均年収が2200万円と圧倒的であること
・この10年間で売上4倍・営業利益も4倍になっている
・かつ営業利益率は55%をキープ
・トヨタ自動車、ソニーに次ぐ、国内3位の時価総額を誇る

ということです。

ユニクロやニトリ、あるいはセブンイレブン以上の成長企業が、実は「生産財」マーケットにあった、ということが改めての認識ですが、本書の中で述べられているキーエンスの驚くべき高収益のポイントは以下の通りです。

(ポイント1)粗利率8割以上が前提の製品開発
粗利率8割以上、というのが製品開発の原則だそうです。つまり、売上高から原価を引き算した利益が8割以上、ということです。さらに、その新商品をだした結果、売れなくなる既存商品の粗利のマイナスも加味して8割という、非常に高い利益水準を最初から設定していることが、高収益の根源にあります。
なお一般的な電機メーカーの粗利率は、3~4割前後といわれていますから、その差は歴然です。

(ポイント2)顧客の声をきかない
顧客から「こういう製品をつくってほしい」という要望は原則きかない。なぜなら、そういう”顕在ニーズ”に対応したところで主導権がとれず、いずれ価格競争に陥ることが理由だからです。
一方、同社では「ニーズカード」という顧客からのニーズを 営業部門から商品開発部門にあげる制度がありますが、この「ニーズカード」でも重視されるのは顕在ニーズではなく”潜在ニーズ”です。
例えば同社のヒット商品の1つに「蛍光顕微鏡」がありますが、これは従来、暗室でなければ観察できなかった工程を暗室無しで観察ができる様になった顕微鏡で、測定時間が従来の1/10以下、という圧倒的な生産性を実現します。
こうした商品開発も、もし顧客の声に耳をかたむけていたら「そもそも暗室をなくす」という発想には至りません。
iPhoneを開発したアップルのスティーブ・ジョブスも「顧客の声をきかない」開発で有名ですが、同じ考え方だといえます。

(ポイント3)シェアの目標はたてない
そもそも市場に競合の無い商品を開発して売り出しているので、該当する「市場」そのものが無いはずで、従って通常の商品開発の考え方である、
・市場規模を推計して
・そのうち、どれだけのシェアが取れるか
という開発は行いません。
そうではなく、
・具体的なターゲット企業が何社あって
・そのうち何社で購買に至るのか
というロジックで商品開発を行っているのです。

(ポイント4)スター営業マンはいらない
特に属人化しがちな営業プロセスにおいて、徹底した
・標準化

・ナレッジの共有化
を実現しています。
具体的には「ロールプレイング」「デモ機営業」を中心とした再現性の高い営業スタイルを取っており、他にも
「1日5社アポをとって訪問する」「5社アポがとれなければ、その日は外出しない」という徹底した行動管理を行っています。
成功事例や顧客キーマン情報は社内ポータルで共有され、SFAへの関連情報の入力が徹底されています。

(ポイント5)全製品即納
普通の製造業では、在庫をもたず製造リードタイムを短縮して対応する、という考え方が製造業の主流ですが、キーエンスでは全製品即納が原則。
おりからの半導体不足で、ライバルメーカーの納期が非常に長くなる中でキーエンスは即納体制を維持できたため、この時期に多数のユーザーでライバルメーカーからキーエンスに切り替わったといいます。

大きく、前に述べた5つのポイントが、低成長下の日本でキーエンスが躍進している理由だといいます。

しかしながら、本当に大事なこと、あるいは真実というか、真似をされては困ることはこういった書籍の中では語られないものです。

それでは、本書で語られていない、キーエンス躍進の「仕組み」とは何なのでしょうか?

書籍で語られていない真実:キーエンスが劇的に業績を上げられている理由

例えば、本書の中では一切触れられていませんが、キーエンスには実は50サイトを超える「ソリューションサイト」があります。
例えば、

・測定器ナビ
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure-sys/measurement-selection/

・顕微鏡観察ラボ
https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/bz-casestudy/

・計測器ラボ
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/

・流量知識.COM
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/

・接続.COM
https://www.keyence.co.jp/ss/products/controls/network/

・・・他 多数、全部で50サイト強

これらは、全てキーエンスが運営するソリューションサイトです。

多くの会社が、自社の会社案内を目的とする「コーポレートサイト」は持っていますが、「ソリューションサイト」というのはほぼもっていません。

私の過去の経験でいえば、「ソリューションサイト」は「コーポレートサイト」と比較した時に、新規問合せの数(=新規リード創出数)が5~10倍にもなります。
キーエンスは50以上のソリューションサイトを持っているわけなので、単純計算でいくと

50サイト×10倍=500倍

と、通常の500倍前後もの新規問合せを獲得しているはずです。

繰り返しになりますが、自社の会社案内を目的とするコーポレートサイトに対して、何らか特定の問題解決をテーマとする「ソリューションサイト」を構築しようとすると、
・どの様なサイトタイトルでいくのか?
・どの様なコンセプトにするのか?
・どの様なコンテンツをつくるのか?
・サイトをアップした後のSEO対策や、PPC広告をどう運営していくのか?
といったノウハウが必要になります。

キーエンスのWebサイトを観察していると、数ヶ月に1つくらいの頻度で、新たなソリューションサイトが生まれていますから、同社ではこうしたソリューションサイトの構築・運用ノウハウを完全に内製しているのだと思います。

キーエンスといえば、直販体制で徹底的に標準化された熱心な営業部隊を持つことで知られていますが、こうした超優秀な営業部隊の存在に加えて、新規顧客からの問合せを続々と発生させるソリューションサイト群を持っていることも、同書では語られていない真実だと思います。

何が言いたいのかというと、本当に「重要な情報」というのは、得てして隠されている、というか知られていないものです。これからの厳しい時代を生き抜く経営者としては、先ほど述べた様な「本当の情報」をキャッチしていくための、高いアンテナを持っておく必要があると思います

御社でも「ソリューションサイト」を中心とした、営業DXに取り組みませんか?

なお、先に述べた様な「ソリューションサイト」の効果については、船井総研が運営するYoutbeチャンネルでも、その最新の成功事例を公開しています。
キーエンスの様な完成品メーカーだけでなく、
・部品加工業
・機械工具商社(販売店)
・セットメーカー
等、数多くの業界で成功事例があります。

ぜひ、ご覧いただければと思います。

【セットメーカー】導入1.5年で新規商談5億円!受注1億円を実現!

【機械工具商社(販売店)】新規開拓で毎年1億円を作り出す我が社の取組み

【機械加工業】優良大手企業(上場企業)の新規開拓に成功!

【ネジ製造業】展示会の10倍の成果を実現!

【射出成形】2年で新規商談10億円、受注1.2億円!

他、多数の成功事例をご覧いただくことができます。
https://www.youtube.com/@zohoyoutube1828/videos

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<日時>
2023年6月14日 (水)  13:00~15:00 オンライン開催
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株式会社 船井総合研究所 山崎 悠
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