トヨタグループ企業も赤字の自動車業界の苦戦
2023年も2月に入り、1ヶ月が経過しましたが、いわゆる市況・景気は「業界」というよりも「エリア」あるいは「会社」によって大きく差がついています。
例えば、今、業績的に苦戦しているのは「自動車業界」です。
なぜなら自動車業界に関していえば、昨年は国内の生産台数は約2割減少しています。生産台数が2割減少ということは、車載部品を手掛けていれば単純計算で2割売上が下がるということで、その結果、ティア1クラスの中堅・大企業でも2022年度は赤字の会社が多いといえます。
わかりやすい例でいえば、トヨタ自動車本体は2022年度も1兆円を超える黒字が見込まれますが、同じトヨタグループの、国内の某地域生産会社TK社は今期赤字だといいます。なぜならトヨタ自動車本体はグローバルで商売しているので為替の影響で大きく黒字ですが、このTK社はトヨタ自動車本体に車を売っているわけなので赤字になってしまうわけです。
EVがらみは好調、ただし半導体・電子部品は減速か?
その中で、今好調なのは自動車業界の中でも「EVがらみ」です。具体的にはバッテリーです。
例えば京都の某中堅セットメーカーは、EV製造工程の中の微細溶接を行う装置を手掛けていますが、数十億円の設備投資をして生産能力を2倍にする、とのことです。
また最近、私のコンサルティング先がM&Aを行ったネジ商社(滋賀県)の業績が絶好調で、なぜそのネジ商社の業績が絶好調なのかというと、そのネジ商社のメイン顧客がフィルムの巻き取りを行うコーターマシンという装置のセットメーカーで、やはりバッテリーの製造工程でそうした装置が多用されているからです。
前述の様に、自動車生産が主体の東海エリアが全般的に不調であるのに対して、パナソニックやかつての三洋電機など、バッテリーに関わる電機産業が集積する関西エリアは好調である様にみえます。
逆に今まで好調だったのか、現在は厳しくなっているのがスマホ・PC向けの半導体や電子部品です。
例えば電子部品大手のM社は、昨年10月頃から導入予定の設備について「延期」という形での事実上のキャンセルを行っている、との話がセットメーカー(自動機・省力化設備)業界ではあります。
マイクロソフトやグーグルを始めとするビッグテックが数万人規模でリストラを行っており、また米国の日本とオランダを巻き込んだ対中半導体規制が強化される中、従来は好調といわれた半導体・電子部品分野もジャンルによっては先行き不透明な状況になっていると言わざるをえません。
こうした環境下、懸念される景気後退(リセッション)から自社を守るために、中小企業経営者は何に取組むべきなのでしょうか?
不況期の鉄則、「困難は分割せよ」!短期間に効果的に業績アップを実現する方程式とは?
かつて小説家で巌窟王(モンテ・クリスト伯)の著者として知られるデュマは、著書の中で「困難は分割せよ」といっています。業績アップを考える上でも「困難は分割せよ(=因数分解)」という考え方は有効であるといえます。
売上を構成する要素を因数分解した方程式として最も有名なのは次の式でしょう。
売上=客数×客単価
例えばラーメン屋であれば、自店の売上を上げたければ「客数」を増やすか、あるいはラーメンと餃子とのセットメニューをつくるなどして「客単価」を上げることが求められます。
この方程式は、わかりやすいので有名ではありますが、問題点としては、どちらかというと“戦闘レベル”の方程式であり、経営的に業績を上げる、という点では具体的に落とし込むことが難しい、というのが方程式の難点です。
その点で、戦略的に経営に落としやすい方程式は次の方程式になります。
売上=MS(マーケットサイズ)×商圏人口×シェア
この方程式は、実は船井総研ではコンサルティングの考え方の基本として多用している方程式でもあります。
まずMS(マーケットサイズ)というのは、商圏人口1名あたりの商品あるいはサービスの市場規模のことを指します。ここでは便宜的に「市場規模」と考えていただければ良いと思います。
つまり売上を上げようとすれば、取扱い商品を増やせば増やすほど「MS(マーケットサイズ)」は増える、ということになります。
例えばセットメーカー(装置業、自動機・省力化設備製造業)が、新たに“部品加工事業”を始める、ということになるとMSが増える、ということになります。
あるいは従来、“機械工具”を主力商品にしていた生産財商社が、新たに“工場工事”に力を入れる、となるとMSが増えることになりますし、また“中古機械”に力を入れる、となるとこれもMSが増える、ということになると思います。
さらに、こちらの方程式で、
売上=MS(マーケットサイズ)×商圏人口×シェア
売上を上げようとすると、「商圏人口」を増やす、ということも有効な施策になります。
例えば従来、東海エリアだけでビジネスを行っていたセットメーカー(装置業、自動機・省力化設備製造業)が、東海エリアだけでなく関東エリアからも仕事を取っていく、ということであれば「商圏人口」を増やす、ということになります。
中小企業が手っ取り早く「商圏を拡大」する、たった1つの方法とは?
大手企業でいえば、日本の国内市場だけではなくて海外にも進出して販路を拡大しようとしますが、これも「商圏人口」を増やす、ということになります。
最後が「シェア」を上げる、ということになりますが、一般に競合関係がある中で「シェア」を上げる、というのは実は難易度が高く、経営的にみると(戦略的にみると)売上を上げるためには、
a)MSを増やす(=新規事業を付加する)
b)商圏人口を増やす(=売るエリアを広げる)
のいずれかが有効なのですが、最も簡単に短期間に実現可能なのは上記のうちb)であり、具体的に、
・デジタルマーケティングを導入して、従来のリアル営業に加えてデジタル空間に営業範囲を広げる
と、いうことになります。
和歌山県・紀の川市という地方で、全国から優良顧客を集める装置メーカー(セットメーカー)!
取組みわずか1.5年で、新規商談5億・受注1億円に成功!!
例えば、和歌山県の紀の川市に本社・工場を置く株式会社メイワでは、従来の人的営業に加えてデジタルマーケティングを導入し、新たにソリューションサイトとして「液体充填機・充填ライン .com」を立上げました。
その結果、同社ではこの取組み1.5年で、新たに5億円もの新規商談を生み出すことに成功し、うち1億円の新規受注につなげることに成功しました。
同社にも従来より、複数名の営業担当者がおり、熱心な営業活動を行っていました。
いわゆる「PUSH型営業」と、いうことになります。
しかし従来、同社のホームページ経由での有望な引合いはほとんど発生していませんでした。
ところが今回、前述の「液体充填機・充填ライン .com」というソリューションサイトを立ち上げた結果、毎月15件前後の問合せが来る様になり、その結果、前述の通り取組み1.5年で新規受注1億円という成果が上がっているわけです。
この様に、こちらからアプローチするのではなく、お客様の方から「こういうことに困っているのだが・・・」と、問合せが発生する様にする営業スタイルのことを
「PULL型営業」といいます。PUSHが、こちらから押す、という意味ですが、PULLとは文字通り“引く”という意味です。
この、PULL型営業の中心的な存在となるのが前述の「ソリューションサイト」ですが、どんな企業でも持っている普通の「会社案内サイト」と比較すると、この「ソリューションサイト」は、問合せ数が10~20倍ほどに増える、という効果があります。
また実際、前述の株式会社メイワ様の例でいくと、同社の本社・工場、つまり実機を見ることができるテストセンターの場所は和歌山県・紀の川市という、大阪市内から車で2時間以上かかる様な立地にも関わらず、実際に検討しているお客様は関東方面からも足を運んでくれることがわかりました。
従来のPUSH型営業という要素に加え、新たにインターネットという「デジタルの商圏」に営業範囲を拡大することができたことが、同社の成功の要因であると考えられます。
実際の取組みを、実際に取組まれた副社長様から聞くことができるオンラインセミナーを開催します!
そして今回、実際にこうした取組みに成功された、株式会社メイワ 取締役 副社長 髙橋 健太 様を特別ゲスト講師にお招きし、下記の要領で「セットメーカー・装置業向け経営セミナー」を企画いたしました。
本セミナーは、パソコンあるいはスマートフォンがあれば、どこからでも参加することができるオンラインセミナーです。
ぜひ皆様、下記セミナーにご参加いただき、前述の「商圏人口」の拡大につながる即時業績向上に取組んでいただきたいと思います。
<セットメーカー・装置業向け経営セミナーのお知らせ>
セットメーカー・装置業向け(2023年2月16日 木曜日 or 3月3日 金曜日 オンラインで開催)
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テーマ:地方のセットメーカーが5000万円の特注設備を
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株式会社メイワ 取締役 副社長 髙橋 健太 様
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