自動車減産と、部品不足の影響を大きく受けるセットメーカー・装置業
今年も早や、年末を迎える時期となってきましたが、生産財業界は大きく二極化しているといえます。
まず傾向として、いわゆる従来型の自動車(内燃機関系)に関する設備投資は全体的に止まっているといえます。
特に東海エリアはその傾向が強く、一般にセットメーカーと呼ばれる自動機・省力化設備会社、エンジニアリング会社についていえば、設備投資の計画が止まっていて営業的に厳しい局面に立たされているケースが多い様です。
さらにセットメーカーの場合は部品不足の影響が深刻です。例えば某大手電機メーカーのアンプといった一般的な部品でも見積りを取ると「納期不明」といった形で見積りが戻ってきて、忘れたころに部品が納品される、といった状態だといいます。もちろん別の調達可能なメーカーの部品に切り替えるなど、そうした営業努力を重ねているとはいえ、たった1つの部品が揃わないために設備全体が出荷できない、検収が上がらないといった問題も散見されており、資金繰りの大きな負担になっているという声も聞きます。
EV関連の設備投資は非常に活発
逆に設備投資が盛んなのはEVがらみです。特に電池がらみの工場は関西方面の立地が多く、関西の関連セットメーカー、あるいは関連業者は手が回らないほどの仕事を抱えているケースが多々あります。
また、やはりEVがからむわけですが、今設備投資で盛んなのは開発案件です。例えば従来は内燃機関の部品やユニットを手掛けていたティア1が、EVがらみの新製品の開発を行う、パイロットプラントの立上げを行うとなると、こうしたことに使用される設備は「内製」されるケースが大半です。
こうした設備が「内製」されるケースというのは、設計は社内で実施され、組立ても社内で実施されるのですが、“部品加工”については外注されるケースが大半です。なぜなら部品加工を行うための工作機械や、その工作機械を操れるオペレーターが社内に整っていないケースが多いからです。
こうした流れもあり、いわゆる“部品加工”をワンストップで対応する様なサービスを提供している様な会社は好業績であるといえます。
引き続き手堅い需要のある「省人化」「自動化」ニーズ
また、従来は“人海戦術”で何とかしていた様な工程の「自動化」「省人化」の取組みも活発になっています。
特に代表的な業界が食品業界です。食品業界においては、従来は特に“梱包”“出荷”あるいは“検査”といった工程は派遣社員やパート・アルバイトなど、非正規従業員によってこなされているケースが多かったのですが、コロナ禍であらためて人を使うリスクが再認識されたこともあって、こうした工程での自動化が積極的に行われている様です。
私の関係先のセットメーカーでも、先日新規案件で約2億円の省人化装置受注があったのですが、同工程も従来は派遣社員を使って手作業で包装・梱包・出荷を行っていたラインを、全て完全自動化する、という案件でした。市況全体としては良くない中で、体力のある“勝ち組”的な会社は逆に「新工場建設」等を積極的に行っているケースもあり、マーケットは文字通り“まだら模様”の大きく二極化している状態だと思われます。
地方のセットメーカー・装置業が営業DX取組み1.5年で「商談5億円」「新規受注1億円」に成功!
こうした市況の中、営業DXで業績を伸ばしているのが、和歌山県紀の川市に本社・工場をおくセットメーカー(装置業)である株式会社メイワ様です。
同社の“自動機事業”では主に「充填機」といわれる装置を手掛け、ラインとして数千万円の特注設備を受注するといった営業形態をとっています。
同社の場合、従来は人的営業による営業活動が全てでしたが、2年ほど前から同社初となるソリューションサイト「液体充填機・充填ライン.com」を立上げ、マーケティング・オートメーションツールであるZoho(ゾーホー)を導入するなど、自社の営業活動の中にDXを取り込みました。
その結果、取組み1.5年で約5億円の商談を創出し、約1億円の新規受注に成功されています。
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また徳島県阿南市に本社・工場をおくセットメーカー(自動機・省力化装置製造業)である株式会社岡部機械工業様も同様に、同社の場合は「画像検査.com」というソリューションサイトを立上げ、画像検査を全面にだしながら搬送装置など周辺装置の受注も促進し、新規取引にて数千万円もの装置受注につなげています。
この両社の共通点として、1社は和歌山県紀の川市、1社は徳島県阿南市という、いわば交通の便の悪い地方のセットメーカーでありながら、ネット経由で全国から引合いを集め、自社のテスト設備でテストを行い、全国のお客様から高単価な設備(あるいはライン)の受注に成功している、ということです。
また一般的なセットメーカーは、傾向として「何でもできます」というスタイルで仕事を請けているケースが多く、結果的にお客様に主導権を取られ、特に調達のプロセスで部品不足に苦しむことになります。
両社の2つ目の共通点としては「何でもできます」ではなく、自社の強みといえる“要素技術”を「ソリューションサイト」という形で全面に打ち出している点が挙げられます。
ここでいうセットメーカーの“要素技術”としては、例えば次の項目を挙げることができます。
・加工
・組立
・ハンドリング
・検査
・測定
・洗浄
・充填
・梱包
・工事
・メンテナンス
・その他
例えば前述のメイワ様の場合は、上記要素技術の中でも“充填”技術を訴求して、設備全体だと数千万円といった充填・包装・出荷ラインといった形での受注になっています。岡部機械工業様の場合は、“検査(その中でも画像処理)”技術を訴求することで、その前後の搬送設備も合わせてやはり数千万円といった形での受注になっています。
セットメーカー・装置業の「営業の属人化」からの脱却は、営業プロセス分解がポイント!
何より、こうした要素技術を訴求することによって、
・テストセンター
・テストラボ
といった形で、“営業プロセス”を分けることができる様になり、属人的な営業体制から脱却ができるという点が大きいといえます。
「困難は分解せよ」という言葉がありますが、従来のセットメーカーの営業スタイルは文字通り「営業」ということで、属人性の高い性質を持つものでした。しかし先ほど述べた通り要素技術を訴求してテストセンター、あるいはテストラボというプロセスを得ることができれば、
<従来の営業プロセス>
属人性の高い「営業」
<テストセンター・テストラボのある営業プロセス>
引合い → テスト → テスト結果の提出 → 打合せ・概算見積り提出 → 正式見積り提出
なぜ営業DXに取組むと、若手の人材育成にもつながるのか?
といった形に「営業」プロセスを分解しやすくなり、その結果として営業の属人性が低くなり、営業活動そのものの標準化が図れ、若手の人材育成もより進むことになります。
また、この様に「営業」プロセスで分解できる様になると、営業活動そのものの中にデジタルの要素を取り込むことが容易となり、さらに属人性を排除できる様になります。具体的にはMA(マーケティング・オートメーション)、SFA(セールス・フォース・オートメーション:営業管理システム)あるいはCRM(カスタマー・リレーション・マネジメント:顧客管理システム)といった領域となりますが、こうした領域をデジタル化して効率化する取組みのことを「営業DX」と呼んでいます。
近年、こうしたMA、SFA、CRMといった“顧客回り”のシステムのことを、「営業DX」と呼ぶ一方、システムの世界では SoE(システム・オブ・エンゲージメント)と呼ぶ様になっています。
その一方で、製造業の領域でも従来からDXが注力されてきた生産管理、在庫管理、労務管理、会計管理といった“基幹系”のシステムのことを SoR(システム・オブ・レコード)と呼びます。
SoRについては、従来から熱心に取り組んでいる会社が多いですが、SoEに取組んでいる会社は製造業の中ではかなり少数派です。ちなみにSoEの“エンゲージメント”とは、直訳すると“関係性をつくる”という意味であり、文字通り新規・既存のお客様を問わず“関係性をつくる”システムのことをSoEと呼ぶわけです。
特にセットメーカー・装置業において、今、業績を大きく伸ばしている会社の共通点は、このSoE(システム・オブ・エンゲージメント)に力を入れている会社です。
そして、こうしたSoE(あるいは営業DX)を取り入れ、成果を挙げているセットメーカー・装置業の取組みについてお伝えする趣旨で、下記要領にて「セットメーカー・装置業向け経営セミナー」を企画いたしました。
本セミナーでは先ほど述べた通り、取組み1.5年で新規商談5億円、受注1億円を実現された、株式会社メイワ 取締役 副社長 髙橋 健太 様を特別ゲスト講師としてお招きしております。
ぜひ詳細を下記URLからご確認いただき、本セミナーへのご参加をご検討いただければと思います。
<セットメーカー・装置業向け経営セミナーのお知らせ>
セットメーカー・装置業向け(2023年2月16日 木曜日 or 3月3日 金曜日 オンラインで開催)
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<部品加工業向け経営セミナーのお知らせ>
機械加工業向け(2023年1月19日 木曜日 or 1月27日 金曜日 オンラインで開催)
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テーマ:インフレ時代に利益率アップを実現する当社の営業DXの取組み
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