コロナ禍の時代、営業を営業部長に任せるな
一連のコロナ禍で明確になったことは、「営業を従来の属人的な営業活動」に任せておくと、世間並み、あるいはそれ以上に業績が落ちる、ということです。
非常時の営業は、営業トップ、つまり営業部長の感性で全てが決まります。コロナ禍の中で胸を張って
「コロナなので顧客が会ってくれません」
「営業訪問ができないので売上が上がりません」
みたいな耳が痛くなる様な報告を上げてくるだけの営業部長もいれば、
積極的に自らウェビナーに参加し、最新情報を取り入れ、
「我が社もSFAやMAなどデジタルツールを入れるべきです」
「これを機にオンライン営業を進めていきましょう」
といった、感性の鋭い営業部長もいます。
前者の営業部長は「しばらく我慢して、コロナがあければまた元通りになる」と考えていますが、
後者の営業部長は「コロナがあけても元の世界には戻らない」とみています。
では、どちらの営業部長の判断が正しいのでしょうか?
その答えは明確で、後者の営業部長です。コロナがあけても営業活動は元の世界に絶対に戻りません。
その理由は次の2つです。
1)大手企業におけるリモートワークの進展
大手企業ほどリモートワークを進めていて、キーマンほど在宅で仕事をしているケースが多いのです。すなわちそもそも客先に訪問しても、いるのはワーカーばかりで決裁権を持つキーマンは在宅、といったケースが増えています。こうした客先に対しては従来の営業プロセスの一部をデジタルに置き換えないと対応ができません。
また大手企業のリモートワークは一過性の話では無く、コロナ後も何らかの形で続けることは多くの大企業が表明している事実です。
2)法人顧客の購買プロセスの変化
従来は出入りの業者から情報収集を行い、新しいサプライヤーを探すためには展示会や見本市に出かけていって探す、といった購買プロセスが普通の姿でした。
ところがコロナ禍になり、この光景は一変します。
そもそも人と接触できませんから情報収集はネットが中心になります。また展示会も軒並み中止ですから、やはり情報収集の手段はネットになります。
その結果、「取引業者と接触してから取引業者のことを理解する」のではなく、
「事前にネットで理解した上で、その取引業者と接触する」といった様に購買プロセスが完全に変わったのです。
つまり「お客様と面談をした時点で取引プロセスの7割が終わっている」という時代がコロナ下、あるいはコロナ後の姿なのです。
そして、こうした問題への具体的な対処となるのが「次世代SFA」の導入です。
従来のSFA(セールス・フォース・オートメーション)の問題点とは?
「次世代SFA」の解説をする前に、まずは「SFA」について述べたいと思います。
SFAとは「セールス・フォース・オートメーション」の略語であり、一言でいえば「営業管理システム」ということになります。
SFAの目的は一言でいって「営業マンの管理」です。
ここでいう“管理”とは「行動管理」と「商談管理」に分けられます。
具体的に、
<行動管理>
・どの営業がどの客先にいつ行ったのか?を把握する
・その結果、どんな反応・引合いを得たのか?と、いったことの管理
・さらには顧客ランク分けを行い、訪問計画を事前に立てることで営業の精度を高める取組み
<商談管理>
・どの営業がどんな商談を持っているのか?を把握する
・その商談の進捗と見通しはどうなっているのか?と、いったことの管理
・さらには業績の先行管理につなげ、売上(利益)確保への事前の打ち手を効果的に行う取組み
大きく、この「行動管理」と「商談管理」を行うことにより、営業マンの行動を「見える化」することが従来のSFAの目的でした。
そしてコロナ禍になり、特に在宅勤務が前提となった会社の場合は営業マンの管理のためにも、こうしたSFAが必須の存在となりました。
あるいは在宅勤務が前提とならないまでも、以前に増して営業の生産性を追求しなければ従来の売上が維持できなくなった結果、今までSFAを導入していなかった会社もコロナ禍を機に導入を図るケースが増えています。
今や“第二次SFA導入ブーム”といってもよいほど、SFAの導入を検討している会社が増えています。
しかし、その一方で従来のSFAには弱点もあります。
従来のSFAの弱点とは・・・
弱点1:営業が「見える化」されるものの、言い換えれば「見える化」されるだけなので、営業管理職が
適切な指示が出せなければ「見える化」されただけで効果が上がらない。
弱点2:前述の通り「見える化」されるだけなので、目に見える成果・効果が上がりにくい。
その結果、「入力に手間がかかりすぎる」「入力作業をするのが営業の仕事ではない」といった様な
意見が営業マンから出がちになる。
と、いったことです。
そして、こうした従来のSFAの弱点を補う、今、注目されているのが
「次世代SFA」なのです。
中小製造業における業績向上に直結する次世代SFAで実現できること!
では次世代SFAで、できることは何なのでしょうか?
従来のSFAとの「目的」の比較で説明させていただきたいと思います。
まず、従来のSFAの目的は「営業マンの管理」でした。
<従来のSFAの目的>
- 営業マンの管理
これに対して、次世代SFAの目的は次の様なことです。
<次世代SFAの目的>
- 商談の創出
- 顧客ニーズの把握
- 営業マンのモチベーションアップによる生産性向上
この様に従来のSFAと、次世代SFAでは目的が異なる、つまりできることが全く異なります。
次世代SFAの概要を次の図に示します。
この次世代SFA、一見複雑に見えますが、船井総合研究所 ものづくりGのご支援先には約30社の導入実績があります。中には社員11名の中小企業もありますが、同社は社員数を増やさず3年間で売上を1.4倍に伸ばしています。もちろん東証上場クラスの中堅・大企業にも導入実績があります。
前出の図からもわかる様に、次世代SFAは大きく3つの階層から構成されています。
階層1:顧客ニーズの創出/把握
次世代SFAには「マーケティング・オートメーション」が組み込まれています。このマーケティング・オートメーションにより顧客ニーズが創出され、また把握することが可能です。
なぜ、このマーケティング・オートメーションを活用することにより、顧客のニーズが創出できるのか?あるいは顧客のニーズが把握できるのか?ということについては詳しく後述したいと思います。
階層2:行動管理
営業における行動管理の第一歩は「日報」です。営業マンが日報に書き込み、また上司が日報をチェックしてアドバイスを書き入れる、といった話が行動管理です。
ただし行動管理で本当に重要なことは、まずは顧客ランク分けを行うことです。
顧客ランク分けを行った上で、力を入れるべき顧客を優先的に営業マンの訪問を促す、ということが本来の行動管理です。ところが既存のSFAでは、これがきちんと行えていないケースが多々あります。
またコロナ禍においては、従来通り営業マンが客先に訪問できないケースも増えています。従来の訪問に代わるメールやリモート商談にも対応できるSFAが求められます。
階層3:商談管理
自社の業績である「売上高」を因数分解すると、下記の様になります。
売上高 = 商談数 × 受注率 × 平均単価
当然のことながら、商談数が多ければ多いほど売上高につながります。
その中で、商談の見通しの甘い営業マンほど多くの商談をSFAに登録しますが、商談の数は多いものの実際には決まっていない、といった話はありがちです。
そこで必要なのが受注率です。受注率とは、実際に受注できた商談の数を提出した見積り件数で割り算することで算出されます。いかに数多くの商談が登録されていても、受注率が低ければ「成果を上げられていない営業マン」ということになります。
また、ありがちなのは「自分が抱えている商談を隠して、決まりそうな固い商談だけを登録する」という営業マンです。こうした営業マンの「受注率」は高くなりますが、一方で「商談数」は少なくなります。
すなわち「商談数」と「受注率」を両方モニタリングすることではじめて、商談管理が行えるわけなのです。
中小製造業にオススメの次世代SFAツール
さて、ではどの様なデジタルツールを導入すれば、次世代SFAを導入することができるのでしょうか?
実は日本も含めて世界レベルで、前述の様な「次世代SFA」を統合的に実現できるデジタルツールは次の2つしかありません。
- セールスフォースドットコム
- ZOHO(ゾーホー)
セールスフォースドットコムについては、聞かれたことがある方も多いかと思います。
米国に本社をおくセールスフォースドットコムは創業以来破竹の勢いで業績を伸ばし、いまやトヨタ自動車を抜く時価総額に成長しており、BtoB業界のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなど大手プラットフォーマーの略語)ともいわれています。日本でもテレビコマーシャルを流すなどしており、日本国内でも急速にシェアを高めています。
これに対してZOHO(ゾーホー)は、もともとはセールスフォースドットコムと同様に米国で創業しましたが、現在は本社をインドにうつした世界的なソフトウェア企業です。
日本ではまた知名度が低いものの、世界レベルでみるとセールスフォースドットコムのユーザー数約10万に対して、ZOHOは中小企業を中心に15万ユーザーに導入されています。
こうしたセールスフォースドットコムやZOHOの様なソフトウェアのことをSaas(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)といいます。
これに対し、従来国内ベンダーを中心にして提供されてきているMA(マーケティング・オートメーション)やSFAのことをパッケージといいます。
パッケージソフトとSaasは次の様に異なります。
<パッケージソフトのコンセプト>
・このパッケージに仕事の進め方を合わせてください
・MAもSFA単独パッケージであり、ビジネスプロセスは分断されている
・カスタマイズはできない、あるいはできても、制約(=例えばバージョンアップに反映されない等)が多くカスタマイズは行わないことが前提
・費用は仕様によって異なる
<Saasのコンセプト>
・レゴブロックの様にモジュールを自由に組合せ、その会社に最適なビジネスプロセスを実装できる
・全てのビジネスプロセスがつながっている
・自由(ノーコード/ローコード)なカスタマイズが前提、会議に合わせて必要な帳票、あるいは必要なKPIを適宜設定できる。
・変わらない、基本料金×アカウント数
ここにきてSaasが注目されている理由は、いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)を実現するためにはSaasを導入せざるを得ないからです。次世代SFAも、その構築のためにはSaasが必要です。
そしてクラウドベースで動くSaasを開発するためには莫大な開発費と技術が必要で、最初からグローバル(全世界)で流通することを前提にしなければSaasの開発は行えません、
こうした背景もあって、「次世代SFA」を統合的に実現できるデジタルツールは「セールスフォースドットコム」か「ZOHO(ゾーホー)」か、しかないのです。
世界で最初に次世代SFAを実現した会社:セールスフォースドットコム
さて、昨今はDXがブームであり、単なるブームではなくDXに取組まないことには現在のコロナ禍もコロナ後も乗り切れないことは今や自明の理となっています。
そもそも、DXとは「ビジネスプロセスをデジタルの活用を前提に最適化し、業績を上げていく取組み」のことです。従ってDXを実現するためには「ビジネスプロセス全てをカバーできるデジタルツール」を導入しなければ成立しません。
ここでビジネスプロセスとは大きく次の2つがあります。
1.サプライチェーン
いわゆる、
調達 → 生産 → 物流 → 販売
のことであり、ここの管理のことをサプライチェーンマネジメント(SCM)といい、SCMを目的としたデジタルツールのことをERPといいます。
ERPの分野で業界標準となっているデジタルツールは、
大企業であればSAP。
中小企業であればオービックや大塚商会、ミロク情報システムといった老舗企業が乱立している状態です。
この分野は歴史も古く、多くの企業においてそこそこDX化も進んでいる分野だといえます。
2.顧客回り系
いわゆる、
a新規引合い獲得 → b商談創出 → c商談管理 → d顧客/営業管理
のことであり、今回のコラムでも述べている「次世代SFA」のことです。
大企業であればセールスフォースドットコムが一般的で、
中小企業であればZOHO(ゾーホー)という会社があります。
顧客回り系を統合的にDX化できるデジタルツールは世界中でも、ほぼこの2社しかありません。
次世代SFAを実現できる「セールスフォースドットコム」と「ZOHO」の比較
ではなぜ、コロナ禍の今、あるいはコロナ後もこの「顧客回り系」のDX(=営業DX)が必要になるのでしょうか。あらためて「顧客回り系」のプロセスを以下に示します。
a新規引合い獲得 → b商談創出 → c商談管理 → d顧客/営業管理
一昔前、このプロセスは次の様に担われていました。
<一昔前の顧客回り系プロセス>
- a新規引合い獲得・・・営業マンの努力、下手をすれば非効率な飛び込み営業
- b商談創出・・・営業マンの努力、継続営業
- c商談管理・・・エクセル管理
- d顧客/営業管理・・・エクセル管理
必然的に、営業マンに任せると、その営業マンのレベルによって結果に大きな差がでます。
特に「新規引合い獲得」は特殊技能が必要なプロセスです。ここの部分を“属人”だけに任せると、事実上ほぼ進まないという結果に陥ります。
そこで、業績を2倍、3倍にする様なモデル企業はここ数年の間に下記の様な体制にしています。
<モデル企業の顧客回り系プロセス>
- a新規引合い獲得・・・デジタルマーケティング+セールス
- b商談創出・・・マーケティング・オートメーション+セールス
- c商談管理・・・SFA(セールス・フォース・オートメ―ション)活用
- d顧客/営業管理・・・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)活用
この、a~dを1つのデジタルツールで統合的に実現可能にしたものが、セールスフォースドットコムです。
セールスフォースドットコムはトヨタ自動車を中心に、日本国内の主要な大企業はほぼ採用しています。
ただしセールスフォースドットコムの弱点はその費用です。
例えば同社のマーケティング・オートメーションの場合、月額で20万円かかります。
これに対してZOHOのマーケティング・オートメーションであれば、セールスフォースドットコムとほぼ同じことができて、月額わずか1万円です。
この違いは大きく、1年間だと
- セールスフォースドットコム 240万円
- ZOHO 12万円
と、228万円もの差になります。5年間だと1000万円を超える価格差になります。
この違いは、セールスフォースドットコムはもともと、グローバル10,000人を超える様な大企業をターゲットに開発されているのに対して、ZOHOは初めから従業員500名未満の中小企業をターゲットに開発されている(米国の中小企業法では、中小企業の定義は従業員500名未満)と、いうことが背景にあります。
繰り返しになりますが、
<モデル企業の顧客回り系プロセス>
- a新規引合い獲得・・・デジタルマーケティング+セールス
- b商談創出・・・マーケティング・オートメーション+セールス
- c商談管理・・・SFA(セールス・フォース・オートメ―ション)活用
- d顧客/営業管理・・・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)活用
これを ぱっ とみると、
「なんだか難しそう」
「うちの会社にはちょっと早いかな」
「すごく費用がかかりそう」
と、思われるかもしれません。
しかし、前述のZOHOを活用すれば、何と月額1万円から極めてリーズナブルに営業DXを導入することが可能になります。
また、この7月に開催されたの「次世代SFA『経営者』セミナー」の特別ゲスト講師である、大阪府岸和田市にある株式会社藤浪様では、わずか従業員14名でありながら上記顧客回りDX(=営業DX)を導入し、ここ4年間で社員数は変わらず売上は1.5倍に業績を伸ばしています。
しかも同社では、60歳を超えるベテラン社員も次世代SFAを日々の仕事の中で使いこなしており、同社の取組みをみると、いかにベテラン社員に反発をされずにこうした次世代SFAを導入するのか、が重要なキーポイントであることがよくわかります。
株式会社藤浪 代表取締役社長 仲井 稔 様にインタビューし、ZOHO導入についてYouTubeで紹介していますので、ぜひご覧ください。
ZOHOは日本国内でも中小企業を中心に導入が進んでおり、船井総合研究所でも過去2年間ほどで100社を優に超える導入実績があります。
このたび、船井総合研究所では、
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をまとめました。
↓↓↓ 無料ダウンロードはこちら!:社長の為の初めてのZOHOガイドブック
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上記ガイドブックの主な内容は次の通りです。
- ZOHOとは何か
- ZOHOの特徴は中小企業でも大手企業と同等のシステムが低価格で使えること
- ZOHOでできることの例 - ①顧客情報とコミュニケーションの集約
- ZOHOでできることの例 - ②社員の日報・帳票・書類を集約
- ZOHOでできることの例 - ③低価格高機能のMA
- ZOHOでできることの例 - ④CRM・SFA・MA・BIを全て包含
- ZOHOでできることの例 - ⑤全ての事業をZOHOだけで一元管理
- ZOHOでできることの例 - ⑥多岐にわたるシステム連携、ポータルサイト開設
- ZOHOでできることの例 - ⑦ZOHO ONEで全てのシステムを使い放題
- ZOHO 導入イメージ
こちらのガイドブックは、期間限定のダウンロードとなっております。
ぜひ、下記よりダウンロードいただければと思います。
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