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    コロナ禍でも過去最高売り上げを実現     ~中堅・中小製造業の営業DX活用事例~ 

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コロナ禍「7割経済」に対処するための、製造業の新規事業

 

自動車や半導体関係を筆頭に生産が復調してきているとはいえ、世の中的には前年対比でいうと1~2割減の状態が続く「7割経済」ともいって過言ではないのが現在の市況です。

 

つまり、昨年と同じことを今年も同じ様に続けていたら間違いなく売上は1~2割減少したまま、下手をすると2~3割減少、ということになりかねません。

 

従って減った分は何らか新しい顧客で埋め合わせをする、あるいは新しい事業で埋め合わせをする。

つまり何らかの「新規事業」で減った分の売上を埋め合わせる必要があるのです。

 

では、製造業としてどの様な「新規事業」の可能性が考えられるでしょうか?

 

 

製造業が新規事業を考える上でのポイントとは?

 

製造業が新規事業を考える上で、ポイントとなることはいくつかありますが、その中でも

 

・従来「客先」であった取引先を、「仕入先」として捉えなおす

 

という考え方は非常に有効な考え方です。

 

例えば、私は船井総合研究所に入る前は、ユアサ商事という東証一部の専門商社に勤めていました。ユアサ商事は創業が1666年と江戸時代。創業当初は当時の燃料である“炭”を売っていました。

ところが“炭”では差別化が難しく価格競争になり、儲からない。そこで“炭”を売るのをやめて、お客さまである鍛冶屋にタダであげることにしました。その代わりに、鍛冶屋から「鍋」「釜」「刃物」といった金物を物々交換でもらい、金物を日本全国に行商する様にしました。

このビジネスが当たり、創業の地の京都から江戸への進出に成功。当時の商売の中心地である日本橋に本店を構えることができ、現在に至ります。現在の同社は工作機械の取扱いでは国内トップシェアです。

 

こうしたビジネスモデルの転換が、“従来「客先」であった取引先を、「仕入先」として捉えなおす”と、いうことです。

 

こうした考え方を製造業に適用して成功しているのが、千葉県浦安市に本社・工場を置く株式会社カネコ(従業員30名)です。

 

 

コロナ禍でも過去最高の売上を記録!毎月1件の新規受注を継続中!

 

株式会社カネコでは従来、冷間鍛造部品の二次加工を事業としてきました。社内にはカム式旋盤やCNC旋盤が100台以上あります。膨大な種類のワークに対して、ロット数千から数万といった取扱いです。

冷間鍛造部品の二次加工ですから、お客様は当然のことながら冷間鍛造業者(=ヘッダー業者)ということになります。

 

冷間鍛造業者が客先ということになると、国内でも1000社有るか、無いか。そうすると新規開拓をしようにも客先が限定されすぎていてうまくいきません。

 

そこで同社の金子社長は考えました。

 

膨大な種類のワークがあるとはいえ、よくみると手掛けているワークの8~9割はボルト等のネジ関係かリベット。冷間鍛造業者は客先ではあるが、仕入先にもなり得る。

では、従来の「冷間鍛造の二次加工」ではなく、「特殊ネジ・特殊リベットに対応します!」という、いわば「特注メーカー」として打ち出してみてはどうか?

 

ということで同社が立ち上げたのが、特殊ネジ・リベット製造.com です。

このサイトを立ち上げるまではホームページ経由の引合いというのは、ほとんど0でした。

 

ところがこのサイトを立ち上げてからは毎月10件前後の問合せがコンスタントに入る様になり、しかも自社が得意とする領域の仕事がピンポイントで入ってくる様になったため、毎月1社は新規開拓で取引が成立する様な成果が上がる様になりました。

 

しかも価格勝負、納期勝負の様な引合いではなく、中堅・大手企業の開発エンジニアから、

・こういうネジつくれませんか?

・こういうことで困っているので相談にのってもらえませんか?

と、いった様なれっきとした開発案件です。

 

問合せをしてくる会社も、名前を聞けば誰もが知っている様なティア1の大手自動車部品メーカーや産業機械メーカー、あるいは5Gがらみの電機メーカーなど多数です。

 

そして同社が行った一連の取組みを、下記Youtubeより8分くらいの動画でご覧いただくことができます。

 

 

↓↓↓ 株式会社カネコの取組み

 

 

いかがでしょうか。

 

株式会社カネコが行ったことは、要は自社の「プラットフォーマー化」です。

つまり自社は「特殊ネジ・リベット製造.com」というソリューションサイトを活用して世の中のあらゆる特殊ネジ・リベットのニーズを集め、それを最適な冷間鍛造業者に振り分け、そして自社工場で二次加工と検査・品質保証を行う、というビジネスモデルです。

 

これからの製造業は全ての技術・工程を自社でこなすだけではなく、全国あるいは全世界のパートナー企業を活用した「プラットフォーム」ビジネスを志向する、いわば特定分野におけるプラットフォーマーを目指すべきだと私は思うわけです。

 

また、船井総合研究所ものづくり支援室では、中堅・中小製造業の経営者様向けにオンラインセミナーを開催しております。

是非、ご参加をご検討いただければと思います。

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