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コロナ禍でも業績が良い中小・中堅製造業とは? ~製造業デジタルマーケティングでの業績向上法~

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なぜ、あの会社はコロナ禍でも業績が良いのか?

 

さて、年が明けて2021年となり1月も半ばを過ぎましたが、製造業ならびに生産財業界の市況全般は厳しいといえます。コロナ禍によって「移動」「インバウンド」「会食」「イベント」など様々な「需要」が消滅した結果、世界レベルで1兆3000億円ものキャッシュが失われたと言われています。

 

当然、マクロにみえればこの影響を避けることはできず、やはり製造業全般、特に中小企業の業績でいくと、昨年対比でマイナス15~30%くらいの業績。市場規模そのものが従来の7割に減少する、といういわゆる「7割経済」を地でいっている、というのが実情ではないでしょうか。

 

実際、多くの中小製造業が雇用調整助成金をもらっており、雇用調整助成金をもらってようやく黒字、という会社も多くあります。しかし先日の報道でもありましたが、今やこの雇用調整助成金も財源が枯渇しており、現在の枠組みのままだと持続可能なシステムではなくなってきています。政府の何らかの特例措置で雇用調整助成金は継続されるのかもしれませんが、中小企業にとっては非常に不透明な新年になっているといえます。

 

ただし、そうした中でも絶好調の会社もあります。

 

以前にもこのレポートで書きましたが、昨年は全世界の75%の上場会社は前年対比で大きく業績を落としていますが、ところが25%の上場会社は逆に業績を伸ばしています。

 

つまりおおよそどんな業界でも全体の1/4は好調あるいは善戦。

 

例えばコロナ禍の影響を大きく受けている飲食業界。特にラーメン業界は過去最多ペースで倒産が続いているといわれています。

 

ところが、そうした苦境のラーメン業界でも業績を伸ばしているチェーンがあります。

 

例えば国内に111店を展開の“ラーメン町田商店”を展開するギフト。同社の場合は同業他社が「オペレーションが困難」と諦めていた“宅配サービス”にもともと力を入れていたことから、コロナ禍でもほぼ前年対比100%前後くらいの業績を維持しています。ラーメンの宅配サービスは当初「麺がのびている」「スープがこぼれている」などクレームが多発したそうですが、それでも地道に開発を継続して現在では売上の25%が宅配サービスによってもたらされている、といいます。

つまり同チェーンは7割経済の市場を「宅配サービス」で乗り切りつつあるわけです。

 

さらに国内に168店を展開の“ラーメン山岡家”を展開する丸千代山岡家。同社の場合は同業他社がやはり「非効率」といって撤退した“24時間営業”を逆張りで実施し続けたこと。また自社の主要顧客を“トラック運転手”などのブルーカラーと位置づけ、こうした長距離のトラック運転手が使用できる“シャワールーム”を店舗によっては併設するなど、徹底した「顧客体験」を追求した結果、なんと昨年9~11月の既存店売上高は105%と前年超えを果たした、といいます。

 

いかがでしょうか。

 

先ほど私が述べた「全体の3/4は業績を落としているが、1/4は逆に業績を伸ばしている」という現象はあらゆる業界にみられます。

コロナ禍の影響を最も受けているはずの飲食業界、その中でもダメージの大きいラーメンチェーンでも逆に業績を伸ばしている会社があることは注目に値します。

 

そして、この現象は当然のことながら中小製造業においても同じことです。

 

 

工場は24時間フル操業、日曜日もフル稼働状態の某社

 

例えば先日2021年1月7日の日刊工業新聞には「うれしい悲鳴」ということで、北信越の某社(従業員200名)のことが紹介されていました。この会社では主に精密成型品を手掛けていますが、工場は24時間体制で日曜日もフル稼働状態。同社の社長は「全ての生産品が相当忙しい」とコメント。あまりにも忙しいので反動が怖く、なぜ好調なのか要因分析を行っていると記事には書かれていました。

 

では、なぜこの北信越の某社は業績が絶好調なのか?

 

それは“成長している”市場領域の大手企業から仕事を獲得できているからです。

 

現在、動いているマーケットは次の4つです。

 

  1. CASE(次世代自動車)市場
  2. 5G・クラウドにからむ半導体・電子部品市場
  3. GX市場
  4. 自動化・省人化市場

 

ちなみに前述の北信越の某社が手掛けているのはモーター部品とその関連部品であり、要はCASEです。

 

次に半導体・電子部品市場。先日の新聞報道にもありましたが、コロナ禍によりデータセンターやクラウド、通信関連の半導体の需要が急増していることから、「半導体の取り合い」が起きています。その結果、今や大量の半導体を使用する自動車業界が影響を受けており、日産やホンダが半導体を調達できないことから自動車の減産を発表。トヨタ自動車ですら生産計画の発表ができない状況だと報道されていました。

 

そしてGX。GXとは「グリーン・トランスフォーメーション」の略語で、要は“脱炭素”ということです。

例えば関西に本社のある世界的な自転車減速機メーカーの某社。同社も過去に例がないほどのフル稼働になっているといわれています。その理由は欧州で“自転車通勤”が流行っていること。コロナ禍で公共交通機関を使いたくない、といってCO2を発生させる自動車も増やしたくない、ということで補助金が出ていることもあり、減速機を搭載した高級自転車が飛ぶ様に売れているそうです。

こうした需要も要は「GX」です。

 

かつて第一次世界大戦の時、英国の当時海軍大臣だったウインストン・チャーチル(後の英国首相)が軍艦の燃料を従来の石炭から石油に切り替えることを決断。その後のモータリゼーションもありエネルギーの主役は石炭から石油にシフトしました。そして当時、この動きに乗り遅れた日本は最終的に太平洋戦争に突入せざるを得なくなる状況に追い込まれます。

そして、今回の「脱炭素」もこの時の「石炭から石油」と同様のインパクトを産業界に与えるはずです。

 

ちなみにチャーチルが海軍大臣に就任して石炭から石油に切り替えをはじめたのが1911年。日本の夕張炭鉱や三井三池炭鉱が稼働していのは1990年頃くらいですから、70~80年かけてエネルギーシフトが進んだわけです。今回はこの時の半分くらいの時間軸で変化がおきると思いますが、要は気付いた時には手遅れ、とならない様に時流をよんで今のビジネスが果たしていつまで続くのか、ということを冷静に見極める必要があると私は思います。

 

 

社長は営業を社員に任せるな!

 

先ほどから繰り返し述べていますが、コロナ禍でも業種業界を問わず好調な会社もある。3/4が苦戦していたとしても1/4は好調。

そして製造業の場合は前述の4市場が伸びている。

 

そして、業績を伸ばしている製造業にはもう1つの共通点があります。

 

それは、

 

・営業を社員に任せない

 

と、いうことです。もっと正確にいうと従業員300名未満なのであれば、営業を社員に任せるのではなく、社長自らが直接陣頭指揮を取るべきです。

 

それはなぜか?

 

それは今や「仕事を獲得する」ための営業が最も重要な役回りであり、また、今日日そんな簡単な仕事など存在せず、その場で「前例の無い意思決定」をしなければならない場面が増えているからです。

 

つまり、社員だと判断できない、判断に時間がかかる、そういう意思決定のシーンが増えている、ということです。前述のCASE、あるいは半導体・電子部品、GXの市場がなぜ伸びているのかというと、それは「つくり方」が変わっているから市場が伸びているわけです。つまり前例の無い話、社員では判断がつかない話、あるいは社員ではリスクが高くて受けたくない話、そういう話が増えている、もっというとそういう話しかないと言っても過言ではないと思います。

 

社長が全容を把握していれば「これは即答で受けるべき」という判断が、社員だと「ちょっと検討します」「持ち帰らせてください」そういっている間にライバルに仕事を取られているのです。

 

 

例えば部品加工業。機械加工や板金加工、製缶加工といった部品加工はコロナ禍後、引合いや受注が大幅に減少しています。しかしそれは本当に需要が減少しただけなのか?

もっと違う要因があるのではないかと私は思います。

例えば中国企業。今やホームページをリニューアルすると、引合いよりも売り込みが多数入ってきます。特に多いのが大連や深圳あたりの部品加工業から売り込み。ホームページからだけではなく、場合によっては電話をかけてきての売り込みです。

私はこうした動きを「また中国から売り込みがきた」「しつこいな」と捉えない方が良いと思います。なぜなら彼らは確実に日本のマーケットから仕事をもっていっているはずです。

なぜなら、こうした電話アプロ―チによる受注というのは確率論だからです。20件電話をかけて、17件に断られたとしても、2~3件くらいは試しに見積りくらいは取っていることでしょう。なぜなら見積りを取ることにリスクは無いからです。

そして安ければ5件に1件くらいの確率で試しに仕事を出してるのではないでしょうか。それで思いの仕上がりがよかったら、かつ営業担当者が熱心に売り込んできたとするならば、そこに誠意を感じたならばリピートになる可能性は大いにあります。

 

では、同じ様な動きを日本の部品加工業の営業担当者が行えるか?

無理です。残念ながらハングリーさでは中国人の方が日本人よりも上です。私が不思議で仕方がないのは「コロナなので訪問するなと言われました」と胸をはって報告してくる営業担当者の存在です。

コロナだから不要不急の訪問をしないのは当然ですし、それを望まないのも当然です。で、あれば、不要不急では無い様な重要な案件をつくるのが営業の仕事ですし、もっというと訪問できないにしても

・電話

・メール

・ZOOM

など、いくらでも方法はあります。

前回のレポートでも書きましたが、コロナ禍でも業績を落としていない会社は、「訪問」回数が減少している分を「電話」「メール」により大きく補うことで全体の活動量を上げています。

 

実際、私の関係先の北信越の某商社は、従来メインで扱っていた機械工具の受注は2割減だったものの、新規事業でスタートしている部品加工(海外調達)の受注は前年対比200%であり、全体では増益で着地をしています。この某商社も電話とメールを駆使し、従来の北信越の商権にとらわれることなく全国に商圏を広げた結果、逆に業績を伸ばしているわけです。この某商社も超トップダウンの会社であり、当然のことながら社長自らが営業の陣頭指揮を執っているのです。

 

 

繰り返しになりますが、一昨年の秋くらいまでの好景気の状態であれば社員に営業を任せていてもよかったかもしれません。過去の延長線上で仕事が入ってくるからです。

 

しかし現在はそうではありません。前述の2つのラーメンチェーンでも同じことですが、社員に普通に「ラーメンの宅配をしようと思うけどどう思う?」と投げかけたところで、“麺が伸びるしスープも冷めるから無理です”“どこもそんなことやっている店がありません”となるのがオチでしょう。

あるいは「あえて24時間営業をしようと思うけどどう思う?」と投げかけたところで“いえ、光熱費の方がかかります”“他の店も24時間なんてやめてますよ”となるのがオチなのです。

そうではなく、社長の直感と意思決定で、「他社とは違う何か」を推し進めた結果、前述の会社はコロナ禍でも業績を伸ばしているのです。

 

 

では、具体的に、中小製造業の社長は何に取組めば良いのか?

繰り返しになりますが、それは大きく次の2つです。

 

取組むこと1:次の4市場からの仕事を取る

1)CASE(次世代自動車)市場

2)5G・クラウドにからむ半導体・電子部品市場

3)GX市場

4)自動化・省人化市場

 

取組むこと2:営業を社員に任せない

 

 

そして、まずは機械加工業(部品加工業)の皆様に上記2点を満たす、具体的な取組みをご提案させていただく経営セミナーとして

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