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【中小製造業向け】非常時に問われる「社長の仕事」とは

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従来型不況と大きく異なる今回の不況:2020年7月の業界全国の市況

 

2020年7月となり、市況も大きく変化してきています。

今回の不況は従来型不況とあらゆる意味で傾向が逆です。

 

具体的に、セットメーカーに代表される「装置業」が比較的忙しく、

逆にコモディティのはずの「部品加工」が普通にやっていると前年対比7~8割、エリアや業種によっては5~6割の水準に落ち込んでいます。

 

なぜセットメーカーが忙しいのか?理由が2つあります。

 

1つは5Gがらみ。

例えば私の関係先の某セットメーカー(従業員60名)は現在、過去最大の受注を抱えています。

同社は10年前からデジタルマーケティングに取組み、7年前からマーケティング・オートメーションを導入しています。

10年前から「特定顧客・特定業界依存から脱却したい」と事業のポートフォリオ化を志向、例えばクラス1000に対応するクリーンルーム装備の組み立て工場をつくるなど、意欲的に新たなことに取組んできました。

もともと、クラス1000のクリーンルームをつくった理由は、当時「医療機器業界」に本格参入したい、という意思の元で実行したのです。

 

ところが、このクラス1000のクリーンルームが思わぬ形で幸運の打ち出の小づちとなりました。

 

5G関係の仕事が大量に舞い込んできたのです。

 

 

従来と全く異なる5Gの製造プロセス

 

5Gのあらゆるデバイスの製造工程では、従来と比べると10~100倍ものクリーン度が求められます。

従って製造装置もクリーン環境で製造された装置であることのエビデンスが必要であり、また出荷前にはエアブロー洗浄によるクリーン化を行うなど、従来と異なるプロセスが入ります。

 

この某セットメーカーも初めからそうした技術を持っていたわけではありません。

某大手半導体製造装置メーカーとの取引が始まってからそうした技術を身に着けたのです。

 

ちなみに、前述のクリーン度は、クラス1000、クラス100、クラス10といった形で数字で表されます。

例えばクリーン度クラス10というのは、山手線のエリア内にゴルフボールが10個ちらばっている、くらいのチリ・ホコリしかない状態を指します。

本当の半導体のハイエンドの工程はクリーン度クラス10~100です。

上場会社で半導体搬送装置の大手企業、平田機工などはこうしたクラスに対応する製造装置をつくるノウハウを有しています。

 

クラス1000というのは努力すれば参入できる水準であると言えるでしょう。

 

 

失業率が上がっても、変わらない省人化・無人化の流れ

 

2つ目は旺盛な省人化・無人化投資です。

 

例えば赤字決算が伝えられた某自動車メーカー。親会社が厳しければ協力会社はさらに厳しくなるのが世の常ですが、この某自動車メーカーのティア1メーカーは、このゴールデンウィークに予定通り数千万円規模の無人化投資に踏み切りました。

 

ここ近年、「人を雇うリスク」が過去になく高まってきています。

最低賃金の引上げ、様々な労務リスク、それに加えてコロナによる「密」の回避がその理由に加わっています。

ドイツやアメリカの食肉加工工場で集団感染が伝えられていますが、食肉加工工場では80cm間隔で人が並んで作業を行っており、非常に「密」な環境です。

だから集団感染が起こりやすい。

 

従って工場ではモノづくりそのものの方法が見直されており、人を介さなくてもモノづくりができる環境が求められています。

そうしたニーズが省人化・無人化投資に向けられているのです。

 

ですから例えば工作機械業界も前年対比4割減などと伝えられていますが、その陰で実は1台1億円前後もする様な高級機が売れていたりします。

1台1億円前後する様な高級機というのは、精度が高いというよりも、高度に複合機化され大きな省人化効果が生まれます。

 

キャッシュを持っている「お金持ち企業」にとって、2~3年くらいの間、7割経済が続いたところで難なく乗り切ることができますし、投資の余力もあります。

そうした「お金持ち企業」は現在の様な時だからこそ先を見通して、今、必要な投資を行っているのです。

 

 

なぜ今「チーズはどこへ消えた?」なのか

 

この様にチャンスもある一方、そのチャンスをモノにできていない会社もあります。

 

今、東京駅丸の内北口の近くにある丸善書店では、20年前のベストセラーである「チーズはどこへ消えた?」が平積みにされ大々的に売り出されています。

丸善書店はプロの書店員が目利きで、今読むべき本を売り場で訴求しているわけですが、では今なぜ「チーズはどこへ消えた?」なのでしょうか。

 

「チーズはどこへ消えた?」には二匹のネズミと二人の小人が登場人物として登場します。

迷路の中で暮らす二匹のネズミと二人の小人。この二匹と二人は迷路の中に置いてあるチーズの山の近くで暮らしていました。

ところが、まさか無くならないだろう、と思っていたチーズがある日突然無くなります。

実は突然無くなった訳ではないのですが、「まさか無くならないだろう」と思っていたチーズが実は日々減ってきていて、そしてある日気付くと無くなっていたわけです。

 

その時、二匹のネズミはこの状態に「反応」して、すぐに迷路の中を突き進み、次のチーズのある場所を探しに出かけます。

迷路の中に入って再びチーズを探すのはリスクも不安もあります。迷路の中で迷った上にチーズは見つからないかもしれません。

しかしネズミは単純であるが故に、「事態に反応してスグに行動に移した」わけです。

 

それに対して二人の小人は知能があり複雑なことが考えられるが故に、「反応」ではなく「分析」を始めます。

なぜチーズが無くなったのか?そして、いつチーズが再び現れるのか?

 

チーズが再び現れることはありません。

自らリスクをとって迷路の中に探しに行くしかないのです。

 

しかし小人は現状を受け入れることができず、むしろ今までチーズがあったことは当然の権利であり、チーズが無くなったことに対して「補償」されなければならない、と憤ります。

この小人がその後どうなったのかは同書をお読みになられると良いかと思いますが、前述の某セットメーカーの社長さんはネズミの様に事態に「反応」した結果「幸運」をつかみ現在に至っています。

 

ある問屋の営業部長さんが「今の時期に動いても仕方がない」「そもそも営業に行っても合ってもくれないし」「コロナが明けたら営業攻勢だ」と言っていましたが、この部長さんはまさに「チーズはどこへ消えた?」の小人的な発想であり、こんな人物に営業の指揮を取らせている社長も大いに危機感が欠如していると私は思います。

 

 

非常時に問われる「社長の仕事」

 

いわゆる「社長の仕事」というのがあります。

「社長の仕事」は時流によってその仕事の中身が変わります。

 

景気が良い時は現場に任せておけば良いのです。ここでいう「現場」というのは「営業の現場」です。

 

しかし現在の様な構造的な不況、未曽有の危機の時には社長自ら階段を1歩、2歩降りて自ら「現場」に手を入れなければなりません。

 

冒頭に、「今は部品加工業は景気が悪い」と言いましたが、その理由は部品加工業の多くが「待ち」の営業であり「攻め」の営業を行っていないからです。

例えば船井総合研究所のファクトリービジネス研究会会員企業の、新潟県の某社はこの4月、5月、6月ずっと前年対比でプラスをつけています。

同社が手掛けているのは部品加工ビジネスですが、従来の県内からの仕事だけでなく、ソリューションサイトを3つ立上げ、関東エリアを中心とする県外から引合いを集め、その引合いを確実に「インサイドセールス」と「フィールドセールス」がフォローしているからです。

 

この新潟県の某社は、船井総合研究所が運営する経営者向けWebメディア「社長オンライン」で近々に特集される予定ですが、そうした会社もあるわけです。

 

この某社の場合、創業者である会長が陣頭指揮をとって、全社一丸となってマーケティング活動・営業活動を行っています。

現在では新潟県だけでなく関東エリア各所に営業所を配置しています。

 

経営コンサルタントとして私の経験からいって、少なくとも従業員500人クラス以下の会社で「ソリューションサイトを立ち上げる」「営業をインサイドセールスとフィールドセールスに分ける」「営業所あるいは出張所を出す」といった判断・決断は管理職クラスには無理です。社長、あるいは社長に準ずる経営者しか判断できないことです。

 

前述の問屋の営業部長と同じく、大半の管理職・ベテラン社員は「チーズはどこへ消えた?」の小人と同じです。コロナが明けてもコロナの前には戻りません。

チーズ(=従来型ビジネス)は待っていても戻ってこないのです。もっというと好調・不調な業界があるといいながらも現在の本質、コロナ不況の本質は「7割経済」です。

 

花王の社長は「現在の人員で売上を1.45倍に上げる、そうすれば7割経済でも従来の利益水準を維持できる」と言っています。

 

あるいは、前回のコラムにも書きましたが「利益率を5ポイント上げ」「新規事業あるいは新規顧客の売上を1割付加する」ことができれば「7割経済」に対応することができます。

 

 

「7割経済」に対応する新規事業、新規営業手法をお伝えします

 

そこで船井総合研究所 ものづくりグループがご提案させていただきたい「不況対応型」ビジネスの1つが「メンテナンス・修理ビジネス」です。

こちらは下記要領にてオンラインセミナーにて開催いたします。

 

<機械・設備メーカー向け メンテ事業化戦略>

・2020年 8月 4日(火曜日)オンライン開催

・2020年 8月 7日(金曜日)オンライン開催

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/063096

 

また、従来のルートセールスをオンラインに置き換える動きが現在のコロナ下では必須です。

その中で中心となるツールがマーケティングオートメーションであり、マーケティングオートメーションを導入することにより、

・受注率が5ポイント上がる

・商談数が1.5倍になる

・従来売れなかった高単価商材が売れる様になる

という成果があがります。

 

こうしたデジタルツールを活用して、5GやCASEなど成長市場攻略の手法をお伝えするのが下記セミナーです。

 

<金属加工業 成長産業開拓セミナー>

・2020年 8月 6日(木曜日)大阪会場

・2020年 8月19日(金曜日)東京会場

・2020年 9月 4日(金曜日)オンライン開催

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062956

 

ぜひ、上記セミナーへのご参加をご検討いただければと思います。

お一人でも多くの方と本セミナーでお会いできれば幸甚に存じます。

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