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コロナ下で過去最高の受注をしたセットメーカーが取り組んでいること

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2020年5月の業績を振り返ると・・・

船井総合研究所 ものづくりグループでは、過去10年以上にわたり「ファクトリービジネス研究会」という受託型製造業/生産財商社 の経営者向け経営勉強会を継続的に行ってきております。そして、その会員企業様向けに2020年5月の業績についての緊急アンケート調査を実施、うち97社の会員企業様から回答をいただきました。

その結果は次の通りでした。

 

<2020年5月の業績:売上前年同月比>

△40%以下 ・・・14社

△25~△40% ・・・25社

△ 5~△25% ・・・32社

横ばい ・・・12社

+ 5~15% ・・・ 9社

+15%以上 ・・・ 4社

 

これをみると、2020年5月は全体の7割以上が前年対比で売上が減少していることがわかります。

2020年4月のアンケート結果では全体の約5割でしたから、さらに状況が厳しくなっていることは間違いありません。

特に△40%以下の極度の減少が2020年4月は6社であったのに対し、2020年5月は14社と倍以上になっています。

 

現在の市況でも伸びている業種・分野は何なのか?

そして前述の前年対比△40%以上の極度の減少に位置している企業の関連業種の多くが、「自動車」と「工作機械」です。

逆に前年対比で増加している企業の関連業種は「半導体製造装置」「食品関連」「医薬品関連」でした。

さらに、現在の市況でも売上が落ち込みにくい、もっというと伸びてる分野が何なのか、個別に見ていくと下記の様になります。

 

<部品加工業の場合>

・半導体製造装置関連、食品関連、医薬品関連は好調である。

・特に5Gがらみは中国案件を中心に活況であり、会社によっては5月も前年対比プラスのケースもある。

・また自動車業界の中でもトヨタのHVあるいはPHVといったCASE(次世代自動車)がらみは仕事が減っていない。

・半導体業界を対象とした様な、装置部品一式を請ける「部品加工調達代行」ビジネスは比較的衰えていない。

・相対的に、高精度な難しい仕事よりも、前述の「部品加工調達代行」的な汎用精度の仕事の方が活況なイメージがある。

 

<セットメーカーの場合>

・省人化投資、無人化投資は衰えていない。

・例えば赤字で苦しむ三菱自動車グループの某ティア1企業も、この5月に予定されていた数千万円のロボット導入投資は予定通り行った。

・また海外からの荷物が1/2になっている物流センターも、人を切っていない。理由は、今人を切ると荷物が戻ってきたときに人が雇えないことがわかっているから。

・言い換えれば構造的に人手不足、もっというと人を雇うことのリスクを嫌って、前述の省人化・無人化に前のめりになっている会社が多い。

 

<生産財商社の場合>

・工事、特に営繕工事は衰えていない。

・部品加工によっては会社によって差が大きい。技術レベルの高い商社(=概算見積りくらいは社内でできる、あるいは海外調達をしている)は部品加工伸びている。

・地域密着の小商圏の会社ほど厳しい。逆に広域エリアに対応している会社は落ち込みが少ない。

 

コロナ下で過去最高の受注をしたセットメーカーが取り組んでいること

リーマン・ショックの時と今回のコロナ不況との大きな違いは、今回は全ての会社が悪いわけではない、ということです。

 

例えば私の関係先で、九州の某県にあるセットメーカー(従業員20名)は、先月・今月と過去最高の受注をしました。

大変失礼な話ですが、とりたてて特別な技術を持っているわけではありません。普通の省力化設備・自動機製造業です。

ただしここ2年くらいはロボットに力を入れ、ロボットエンジニアリングのソリューションサイトも立ち上げました。また社長が積極的に全国を営業で飛び回っています。

実際、今回の受注も新潟県の食品メーカーからです。

現在の傾向として、商圏が小さなビジネスほど業績が厳しく、広域商圏であればあるほど業績が良い傾向にあります。

またこのセットメーカーは、新潟県の食品メーカーからだけでなく、やはり5Gがらみの電子部品組み立てラインの無人化案件を受注しています。従来はパートが手作業で組立てていたラインを、自動機に置き換えるものです。

 

本当にここ最近の傾向は、「人手不足」以前の問題として、企業が「人を雇うリスク」を極限まで排除したい、という強烈な思いを感じます。

やはり当局の意向で「最低賃金が上がる」あるいは「働き方改革による厳しい就業規制」さらには従来のパワハラ世代と現在のゆとり世代の不一致によるマネジメントの難易度の増加など、こうしたことに手を焼くマネジメント層が、そもそも人を雇わなくてよい選択、言い換えれば自動化や省人化、無人化に一斉に舵を切っています。

 

見方を変えれば、これはビジネスチャンスです。

つまり自動化、省人化、無人化関連の投資は今後も伸びると考えられ、また前述の「商社の営繕工事サービス」あるいは「部品加工調達代行」といった、「顧客代行(=本来は顧客がするべきことを、こちらが代わりにやる)」ビジネスは今後も伸びる、ということです。

 

本当に無人化・省人化しなければならない業務プロセスは「営業」と「マーケティング」!

そして生産現場の自動化以上に、本当の意味で自動化を図らなければならない業務プロセスは「営業」あるいは「マーケティング」のプロセスです。

結局のところ、自社がどの様なサービスを提供しているのか、見込客に知られないことには新たな引合いも獲得できません。

また前述の今伸びている5GにせよCASEにせよ、あるいは省人化・無人化に熱心に取り組む食品メーカーの生産技術部門のスタッフにせよ、「何かわからないこと」があれば迷わずインターネットで検索をして調べます。従ってデジタルマーケティングへの対応は、今の時代は必須です。

実際、前述のアンケート調査でも、2020年5月度に前年対比で+5%以上であった13社のうち9社までがマーケティングオートメーションを導入しており、言い換えればデジタルマーケティングに熱心に取り組んでいる企業です。

前述の九州の某県のセットメーカーもそうですし、前回のコラムでお伝えした時価総額国内2位のキーエンスやロームも同じことです。

 

なぜマーケティング・オートメーションを導入すると業績が上がるのか?

マーケティング・オートメーションを導入する方が良いことは、コロナの前からわかっていたことでもあります。

ただ、その重要性がコロナの影響で思う様に人的営業・訪問営業ができなくなった結果、必要性が強くあぶり出された、というのが真実だと思います。

マーケティング・オートメーションとは何なのか?といった話は以前のコラムでもお伝えしてきました。

詳しくは例えば下記をご覧いただくと、簡単にご理解いただけるかと思います。

 

↓↓↓マーケティング・オートメーションとは何か?

緊急!コロナ対策:営業が行かなくても売れる仕組み「セールステック」を3ヶ月で導入する方法【連載3回目】

 

ここでは結論のみ、マーケティング・オートメーションを導入すると次の2つの効果があります。

1)受注率が上がる

2)商談数が増える

 

例えば、昨年にマーケティング・オートメーションを導入した某産業機械メーカーの場合、それまでは約20%だった受注率が30%近くにまで向上しました。

また別の某プリント基板製造業の場合は、受注単価が1.3倍ほどにあがりました。

また某建材メーカーの場合、マーケティング・オートメーションを導入して約1年で商談数が150%増加しました。

既にSFAを導入している会社は多いですが、MA(マーケティング・オートメーション)となると、まだ少数派です。

もっというと業種ごとにMAの運用ノウハウが異なるため、まだまだ導入が進んでいない、ということかもしれません。

 

人を増やさず利益を増やす、マーケティング・オートメーションの導入セミナー

そこでこの度、船井総合研究所 ものづくりグループでは、取扱い単価や業種といった特性別に、マーケティング・オートメーションに代表されるデジタル・マーケティング(セールステック)の導入セミナーを下記の通り企画いたしました。

いずれもパソコンさえあればご参加いただける、Webオンラインセミナーとなっております。

平常時はこうしたマーケティング・オートメーションを導入しようとしても、現場は「忙しい」「そんな余裕はない」と、中々話も前に進みにくいものです。

しかし明らかに受注が減少している今、見方を変えればマーケティング・オートメーションを導入して、自社の営業プロセスやマーケティングをデジタル化していくチャンスと捉えることもできるのではないでしょうか。

ぜひ経営トップの皆様はもちろん、営業の責任者の方、あるいはキーマンの方もWebオンライン参加いただき、合意形成をつくる、あるいは議論の為の共通言語をつくる場としていただけると幸甚に存じます。

 

セミナーの実施要領は下記の通りです。

 

<産業用機械・設備メーカー向け>

・2020年 7月 8日(水曜日)

・2020年 7月15日(水曜日)

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062009

 

<産業用機器メーカー向け>

・2020年 7月 9日(木曜日)

・2020年 7月16日(木曜日)

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062010

 

<制御盤製造業向け>

・2020年 7月 7日(火曜日)

・2020年 7月14日(火曜日)

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062011

 

<プリント基板・電子部品製造業向け>

・2020年 7月10日(金曜日)

・2020年 7月17日(金曜日)

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062008

 

<商社・販売店向け>

・2020年 6月18日(木曜日)

・2020年 6月25日(木曜日)

↓↓↓セミナー詳細は下記からご覧ください

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/062007

 

 

本オンラインセミナーで、一人でも多くの皆様とお会いできることを楽しみにしております。

ぜひご参加をご検討いただければと思います。

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