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2020年5月の時流とその対策(3)

リーマン・ショックを上回る勢いの、コロナ不況

ゴールデンウィークが明け、全国の市況は急激に悪化してきています。

私も全国に製造業あるいは生産財商社の顧問先がありますが、全国の市況における現時点での状況は下記の通りです。

 

・生産財商社の4~5月売上は、おしなべて△15~△30%ほどのダウン。

・製造業は業種あるいは取引先によって大きく異なるが、おしなべて自動車の量産関連が悪い。この4~5月は前年対比△50%を超える勢い。

・工作機械も悪い。某メーカーは800台を超える在庫を持ち、リーマン・ショックの1.5倍の水準。週休4日を実施中。

・工作機械が悪いのでLMガイドなど周辺部品も悪い。

・北米向けディーゼルエンジンを年間40万台以上生産していた某メーカーの工場も、この5月は対計画3割の水準。週休4日を実施中。6月以降北米からの注文はゼロ。

・ただし好調な業種もある。5Gがらみの半導体関連産業は活況。むしろこの4~5月も前年を上回る勢いである。インテルの第一四半期は過去最高益、TSMCは利益2倍。

・食品も好調。巣ごもり商品の影響で中食関連が大きく伸びる。日本マクドナルドもテイクアウトが伸びて2020年12月末決算は過去最高益を予想。

 

この中で、特に市況の悪化が目立つのが自動車関連です。

 

脱「自動車」は本当にできるのか?

自動車はこれまでも、何度も景気の山谷の影響を受けてきました。その度に自動車産業に携わる裾野のサプライヤーからは「脱・自動車を進めなければならない」と、医療機器業界や食品業界への参入が図られてきました。

 

では、本当に、こうした「脱・自動車」というのはうまくいくのでしょうか?

 

結論からいって、私は難しいと思っています。

 

その理由は3つあります。

1つ目は「市場規模」です。あらゆる工業製品の中で自動車の市場規模は圧倒的です。自動車産業の市場規模は全世界で200兆円を超えるといわれており、これは医療機器業界の約10倍もの市場規模です。つまり、自動車産業で稼げるだけの数字を他の産業で稼ごうとするのは、極めて難しい、ということなのです。

日本国内においても、製造業の市場規模の約4~5割以上は自動車関連(=車載半導体・電子部品も含む)であり、しかもこの割合は年々増えている様に私は感じます。

 

2つ目は「単価」です。自動車は単価が高い。例えば自動車の単価は家電の単価の数十倍から下手をすれば100倍を超えます。単価が高い、ということは儲けも出やすい、ということです。

 

例えば私のコンサルティング先のプレス加工会社(従業員30名)は、もともとデジタルカメラの筐体の仕事を手掛けており、当時の利益率は営業利益で2%いくかいかないか、でした。現在、この同じ会社は営業利益率が20%を超えており、社員全員でハワイに慰安旅行に行っています。

では、この会社の何が10年間で変わったのか?それは取引先です。取引先が家電業界から自動車業界に代わったのです。

 

3つ目は「人の命がかかわる」ということです。前述のデジタルカメラですが、仮に品質不良を出したとしても人の命を左右することにはなりにくいでしょう。

ところが自動車は違います。万が一部品に不具合があると、人命に関わる大変なことになります。従って価格よりも安全性が大きく優先される傾向にあることは間違いありません。

 

もっというと自動車は必需品かつ消耗品です。自動車がなければ生活が成り立たない地方は国内の大半ですし、自動車がなければ生活が成り立たない国も世界の大半でしょう。かつ自動車は消耗品であり必ず車検があり、必ず買い替え需要が発生します。つまり自動車ほど美味しい工業製品は他に無いのです。

 

 

本質的問題は脱「自動車」では無い!

では、自動車産業に関わる本質的問題とは何なのでしょうか?

それは「特定顧客依存」です。いかに景気が悪くとも、その業界の全ての会社が悪い、というケースは稀です。

実際、現在でもトヨタ自動車に関して言えば、目の前の量産の仕事は確かに減少していますが、開発案件は予定通り進行しています。それに対して日産自動車は特定車種を除いて開発はストップ。同じ完成車メーカーでもこれだけ違います。部品メーカーはさらに差がでています。

例えば同じエリアでも、某自動車メーカー系列の部品メーカーは5事業所ある工場のうち3事業所が生産をストップ。ところが同エリアにあるトヨタ自動車系のティア1であるK社(従業員1700名)は工場がフル稼働の状態にあります。K社はプレス加工を主力事業としつつも電波暗室や衝撃実験機まで保有し、完全にトヨタ自動車の開発代行を行っている会社でです。さらに同じエリアにある、やはりトヨタ自動車のティア1であるS社(従業員1000名)もPHV向けの設備案件で大忙しです。

ちなみに、このK社もS社も1000名を超える大企業でありながら非上場のオーナー企業です。こうした隠れた優良企業は実は日本国内に多数存在しています。

関東エリアにある歯車製造業Y社の場合、リーマン・ショックまではホンダ系との取引のみでした。ところがリーマン・ショックでホンダからの仕事が1/2以下となり、「それなら、他の完成車系列ともお付き合いさせていただきます」と、販路を広げました。現在では日系メーカーであればほぼ全ての完成車系列と取引をしていますが、営業利益率は2倍以上になり、美術館の様な外観の本社工場を新築したほどです。現在もHVあるいはPHV向けのギア試作を受注し、活況です。

そう考えれば、不況はチャンスかもしれません。なぜならU社の様に、普段ならしがらみがあってできない新規開拓が、不況期であればある種正々堂々と行うことができるからです。

 

今、仕事を抱える自動車業界企業の共通点は「CASE」!

前述のK社、S社だけではありません。EVあるいはHV、PHVに搭載されるリチウムイオン電池の製造装置を手掛ける信越エリアN社は2年を超える受注残を抱えています。

同じくEV用モーターの巻き線機を手掛けるN社も、自社でさばききれないほどの仕事があり、構内外注を増やしているほどです。

この様に、現在の自動車産業の中で動いている分野が「CASE」と呼ばれる次世代自動車産業であり、さらにこれから市場規模が拡大するといわれている分野です。

ちなみにCASEとはConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電気自動車)の略語です。

前述のK社、S社、N社、もう1つのN社は全て、CASEがらみの仕事を行っています。

 

従って現在、自動車産業の中で売上あるいは受注の低迷に苦しんでいるのであれば、やはり同じ自動車産業の中のCASE関連など、同業他社の優良企業に対してアプローチをかけることを考えることが現実的なのではないかと私は思うわけです。実際、過去のリーマン・ショックやその前の不況の際も、結局のところ自動車産業の会社が自動車産業以外の業界を攻めて、十分な売上を確保できたケースというのは私が知る限り皆無だからです。

自動車業界における不況期の勝ちパターンは、同じ自動車業界の中で別の優良企業との取引を増やす、ということに尽きるのではないでしょうか。

 

知られている様で、実は知られていない自動車業界プラットフォーム「マークラインズ」とは?

では、どうすればこうしたCASE関連の優良顧客を開拓することができるでしょうか?

その1つの手段がマークラインズの活用です。

マークラインズとは東証一部上場の自動車業界データベースを有する会社です。同社の提供するデータベースでは、どんな車種が世界のどこで何台売れているのか、あるいは自動車のどんな部品をどんな会社がつくっているのか、といったデータをリアルタイムで提供してくれるものです。恐らく、本コラムをお読みになられている方の中にも、マークラインズと契約をされている方も多いのではないかと思います。

 

その中でマークラインズの1つの特徴は、同社の会員である30,000名以上のエンジニアに対して、ターゲティングメールといわれる自社PRのメールを送ることができるサービスを提供している、ということです。あるいは月間200万PV(200万ページの閲覧をされている)の同社のサイトに、自社のバナーを貼ることができる、というものです。

 

マークラインズの会員にはトヨタ自動車、スバルといった完成車メーカー全て、またデンソー、アイシングループといったティア1といわれる大手自動車部品メーカーはもとより、前述のK社、S社、N社も全て会員です。さらに会員の61%が開発エンジニアであり、13.2%が生産技術のエンジニアです。

この様に、通常の営業活動ではまずアプローチ不可能なCASE関連のエンジニアに直接情報発信できるのが同社の持つプラットフォームの強みです。

 

実際、私の関係先の樹脂射出成形業の某社の場合、この4月にマークラインズでターゲティングメールを行った結果、150件の引合いを獲得することができました。

 

もちろんマークラインズはあくまで手段の1つです。

根本的にはCASE関連エンジニアにとって刺さるコンテンツを自社のソリューションサイト上に掲載し、該当キーワードでWeb広告をかける、といった施策も中心になります。

 

CASEの場合、開発側も今まで手掛けたことの無い技術を開発しなければならないケースが多々あります。そしてこうしたエンジニアの場合、もちろん出入り業者に聞くこともあるでしょうけども、今日日のエンジニアのやることは「まず、検索」です。検索を行った上で情報収集を行い、どのサプライヤーに相談するのかを決めた上で相談しているのです。

 

特に現在の様にエンジニアがリモートワーク中心になると、こうしたWebがらみのマーケティングが極めて重要になることがよくわかります。

 

30日でCASE市場を攻略する方法とは?

さて、今まで述べてきた様な、CASEがらみの優良顧客をいかに開拓していくか、というテーマの経営セミナーを、

 

・2020年 6月16日(火曜日)13:30~15:30

 

にて、オンライン(Webセミナー)にて開催いたします。

現在の様な時期ですので時間をかけて開拓、というわけにはいきません。本セミナーでは最短3ヶ月でいかにCASE市場を攻めるか、というテーマで皆様にお伝えいたします。

 

↓↓↓CASE市場を3ヶ月で攻略する方法セミナーの詳細

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/061424

 

前述の歯車製造メーカーY社の様に、不況期はピンチですがチャンスでもあります。

実際、前述のプレス加工会社の様に、リーマン・ショックを機に取引業界を家電から自動車に変え、営業利益率が2%から20%を超える様な高収益化に成功した会社もあります。

 

さらに現在はCASEという追い風が吹いています。

確かに足元の量産は厳しいかもしれません。しかし世の中の5GあるいはDX(デジタル・トランスフォーメーション)の動きに合わせて、CASEの波は確実に保証された未来であり、逆に言えば今が最後のチャンスかもしれません。

 

ぜひ本セミナーへのご参加をご検討いただき、本セミナーがピンチをチャンスに変える一助になれば非常にありがたいと思っています。

 

↓↓↓CASE市場を3ヶ月で攻略する方法セミナーのお申込み

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/061424

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