テレワーク・リモート営業が進む今、抑えておきたいIT導入補助金
2020年4月に入り、新型コロナウィルス対策として補正予算を絡めた、補助金・助成金の拡充が進んでいます。我々、中小企業・小規模事業者にとって現在の市況からすると、「補助金」は資金調達方法の一つとして、十分に情報のキャッチアップをしておきたいところです。
そこで今回は、ITツールを導入する際に活用が可能なIT導入補助金について取り上げたいと思います。
おそらく、本メールマガジンを読まれている製造業事業者の方々でも、検討されている方は少なくないかと存じます。
しかし、利用するためには条件があり、そこを理解していないと導入はしたものの、申請ができない・・・といった恐れがあります。
そこで、今回は、新たに令和2年4月7日に補正予算案が閣議決定を行われたことで公募が始まった、「令和2年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 IT導入補助金2020 特別枠(C類型)」の内容を含め、IT導入補助金の大まかな内容と申請を行う上でのポイントについて御伝えいたします。
簡単に抑えておきたい、IT導入補助金の種類と導入適応範囲
まず、IT導入補助金についてご紹介いたします。IT導入補助金とは、「中小企業・小規模事業者等が生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア・サービス等)を導入するための事業費当の経費を一部補填することで生産性向上を図ることを目的とする」ための補助金です。
この補助金を活用することで、ソフトウェア購入費及び、それに関連するオプション・役務の費用に対して、
A類型 補助率:1/2、30万~150万円未満
B類型 補助率:1/2、150万~450万円
までの補助が適応されます。(注:補助金適応対象のITツールは、交付決定日以降に契約・納品・支払いが行われなければなりません。)
我々 製造業でいうと、社内の生産管理システムの導入や受発注システム導入などに使われた実績があります。新たなシステム導入を行う上では、ぜひ検討しておきたい補助金と言えるでしょう。
しかし、今回、活用を検討いただきたい、IT導入補助金というのはこちらではなく、より補助対象品目などの面で変更が加わった、「令和2年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 IT導入補助金2020 特別枠(C類型)」です。
スピード感を持ったITツール導入に活かせる、IT導入補助金2020 特別枠(C類型)
「令和2年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 IT導入補助金2020 特別枠(C類型)」は、新型コロナウィルスの状況下で、緊急事態宣言がなされ、4月7日の閣議決定による令和2年度補正予算内の補助金として公募が始まったもので、従来のIT導入補助金との違いは、
・ソフトウェアに加え、ソフトウェアを活用する上で必須となるハードウェアのレンタル費用も適応可能
・緊急事態宣言が発令された4月7日から、5月10日までに導入(契約・納品・支払いのいずれかを実施したもの)についても補助対象
となるという点が挙げられます。
また、補助率についても変更されており、
C類型:補助率2/3以内、30万~450万円 となっています。
本IT導入補助金を用いることで、例えば、4月7日以降から現在までにテレワーク推進のために、PCレンタルの契約をスタートし、そのためのソフトウェアとして導入されたITツールに関しても適応範囲に入る 可能性 があるということになります。
では、具体的に申請を行う上で、抑えておきたいポイントについてご紹介します。
ポイント①:まずは、補助金申請システム(Jグランツ)に登録
IT導入補助金は、補助金申請システム(Jグランツ)に登録していない企業では、そもそも申請することできません。
ですので、少しでも申請する意思がありましたら、とりあえず登録しておくことを推奨します。
手順は、概ね以下になりますので、ご参照ください。
①GビズIDトップページへアクセスし「gBizIDプライム作成」ボタンをクリック。
https://gbiz-id.go.jp/top/
②法人番号、法人名などの必要事項を記入
③申請書が作成されるので、申請書を印刷して郵送
④約2~3週間後にメール、およびワンタイムパスワードが届くので、入力して本登録完了
※2020年4月はアクセスが集中する可能性があることから、システムへの登録完了まで約1週間(審査2日間)で完了できる体制はあると記載はされているものの、早め早めの処理をお勧めいたします。
※2.必要となる申請書類
・印鑑証明書(印鑑(登録)証明書は発行日より3ヶ月以内の原本)
・登録印(個人事業主の場合は印鑑登録証明書と個人の実印)
が必要となる為、登録前に事前に準備する必要がありますのでご注意ください。
ポイント②:導入ITツールで満たすべき要件
今回、ご紹介しているIT導入補助金は、あくまでソフトウェア導入による生産性アップが基本となる為、ソフトウェアの導入・申請は最低限1つは行う必要があり、ハードウェアのみの申請は認められていません。
また、この特別枠は、新型コロナウィルスに影響を受けた事業者に対して可及的速やかに、「サプライチェーン毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」などに資するITツールの導入が必須となるため、この何れかに対処する目的での導入ということを明記する必要があります。
本要件は従来のIT導入補助金と異なる為、あえて記載をいたしましたが、
たとえば、
・顧客への製品供給を継続するために行う生産性アップのIT投資
・非対面・沿革でのサービス提供を行う為のビジネスモデル転換の投資
・従業員のテレワーク推進を行う為のIT投資
のいずれかを満たすためのものであると考えると、現在の状況下においては、新たに導入するITツールの大半が本要件内であるといえ、心配する必要のない項目といえます。
ポイント③:ITツールの導入を行った業者・今後委託する先が導入事業者であるか確認を行う。
ただし、気を付けて頂きたい点としては、IT導入補助金同様、IT導入補助金2020(特別枠)においても、「IT導入補助金導入事業者から購入をしなければならない」という点です。
特別枠の場合には、ITツール導入を委託した企業が、導入したツールならびに、IT導入補助金導入事業者としての登録を ”事後” で済ませた場合にも補助金適応対象とみなされるので、スピード感を持った投資が可能となります。
ですので、自社の状況に併せて、下記のような対処をいただくことをお勧めいたします。
【すでにITツールを導入されている場合】
導入を委託した事業者に対して、IT導入補助金導入事業者に対して「事業者登録を行っているか?」「導入したツールも登録しているか?」を確認いただく必要があります。
【今後、ITツールを導入する場合】
近隣のIT導入補助金導入事業者を探し、ITツールの導入を行うことが無難であると言えます。
このIT導入補助金を活用し、検討いただきたいセールステック導入
ここまで、IT導入補助金ならびに、「令和2年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業 IT導入補助金2020 特別枠(C類型)」について、ご紹介をしましたが、ここで御伝えしたいこととしては、本補助金を活用し、攻め(営業活動)に関する投資を検討いただきたいということです。
今、多くの企業で対面での営業活動ができない状況にあり、訪問営業はほぼ不可能と言えます。この流れは、緊急事態宣言の期日である5月7日以降も継続することが予想され、他県への営業活動は困難な状況が続くと言えます。
そこで、検討いただきたいのが、TV会議システム導入による営業活動です。
大手製造業は、この1か月の間で「外部の取引先は、よほどの要件がない限り社内に入れない」「必要な打ち合わせはTV会議システムを提案する」という流れにあります。そのため、我々、中小製造業においてもこのTV会議に対応すべく、ソフトウェアの拡充ならびに、それに伴うハードウェアの整備をこの補助金で行っていただきたいと考えています。
先日、船井総研のファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会・セットメーカー経営部会をZOOMという会議システムで実施をしましたが、その際、カメラがない・マイクが備え付けられてないなどのハード面の問題で十分なコミュニケーションをとることは難しい会員様もいらっしゃいました。
今後、大手企業を相手にした営業活動においては、双方向のコミュニケーションが必要となる為、カメラやマイクなどの整備は必須となります。ですので、本記事をご覧いただいた皆様には本補助金をご活用いただき、ソフト・ハード両面からのセールステック導入を検討いただきたいと思います。
コロナウイルスで身動きの取れない今こそ、補助金を活用した投資戦略を検討していただきたい。
いかがでしょうか。本メールでは新型コロナの影響下にあって、今、攻めの投資を行うためのIT導入補助金活用におけるポイントについて解説をいたしました。
今回、ご紹介したIT導入補助金は数ある補助金の一つですが、今後、「サプライチェーン毀損への対応」「非対面型ビジネスモデルへの転換」「テレワーク環境の整備」などの問題を解決するための補助金などの話は断続的に出てくることが予想されます。
経営者を初めとする本メールマガジンの行動者の皆様には、各種補助金の情報収集を定期的に行っていただき、自社が行わなければならない投資には有効活用いただければと思います。
最後に、船井総合研究所 ものづくりGでは、
・今、製造業が行うべき、IT導入補助金を活用したセールステック
に関する「無料個別相談」を経営者・または役員限定で実施させていただきたいと思います。
今、多くの企業でITツールを活用したデジタルシフトは必須であり、新型コロナの影響が続くと予想される中では、
非対面型の営業活動は避けられないと言えます。
緊急事態だからこそ、平素よりお世話になっている購読者様に少しでも還元できればと思っております。
ご興味をお持ちになられた方は、下記よりお申込みください。
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※本記事は、4月16日に執筆しております。
補助金についての内容は、拡大や予算消化等により状況が変わることがありますので、
最新情報は独立行政法人中小企業基盤整備機構をご確認ください。
引用記事:「IT導入補助金2020 公募要領 通常枠(A、B類型)版(暫定版)」「「IT導入補助金2020 公募要領 特別枠(C類型)版 (暫定版)」」
記事元URL:https://www.it-hojo.jp/