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コロナ不況はリーマン・ショックを超える大恐慌になる?

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全国70名を超える製造業経営者とリアルタイムWebリモート定例会を実施

先日、ファクトリービジネス研究会 部品加工業経営部会/セットメーカー経営部会を開催しました。
コロナの影響でリアル開催ができないため、Zoomを活用したリアルタイムWebオンライン開催としましたが、いつもと変わらない出席率で、70名を超える製造業の経営者の方が参加されました。

Zoomは非常によくできたリモート会議システムで、同時に100人以上が参加してもリアル開催と変わらない品質で運営ができ、またZoomブレイクアウト機能を使えばグループディスカッションも可能です。今回、午前中11時スタート、夕方16時30分までの開催だったのですが、ご参加者からも「Webオンライン会議は初めて体験したが、リアル開催と変わらなかった」「自社でも早速取り入れたい」と、大変高評価でした。

今回のコロナ・ショックを機に、こうしたリモート会議システム、あるいはリモート商談システムの活用が当然のことになると思います。
ちなみに、リモート会議システムで最も使用されているZoomの利用者は全世界で2億人といわれ圧倒的シェアです。この手のソフトウェアは”ネットワーク効果”が機能するので、Web会議についてはZoomを使用する、という流れがこれから一般化すると思います。

本格的な大不況はゴールデンウィーク明けか?

そして今回はZoomを介して、南は九州から北は秋田県まで、全国津々浦々の部品加工業あるいはセットメーカーの経営者が集い、市況等の情報交換を行いました。
その結果、自動車関係、IT関係、製鉄関係、建設関係、食品関係、いずれの業界も現時点ではほとんどコロナ・ショックの影響を受けていない、とのことでした。
皆様からの市況を聞いて私が改めて感じたことは、やはり今回のコロナ・ショックというのはリーマン・ショックに似ています。
リーマン・ショックの時は2008年9月に投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻しました。日本への影響が懸念されましたが、10月、11月、12月と業績はほとんど落ちず、むしろそれまで伸びていた業績が止まった、あるいは微減という感じだったので、「サブプライムは所詮アメリカの問題だから日本には関係がないな」「正月が明ければまた景気がよくなるだろう」と軽く見ていたわけですが、10日間の正月休みが明けると、いきなり売上が1/10、あるいは1/5といった急激な業績ダウンに見舞われました。
しかもそれが1日2日では終わらず、1週間、2週間とずっと売上が上がらない。これはただごとではない、と業界がパニック状態に陥ったのが2009年1月末から2月のことでした。

今回も似ています。今年1月からコロナ騒ぎが起き、2月、3月、この4月は今までの延長線上かもしれません。しかし10日間の休みをはさんでゴールデンウィーク明け、リーマン・ショックの時と同じ様な急激な業績ダウンが発生する可能性が高いと私は思っています。
もちろん、未来の予測など誰もできません。これは予測ではなく、シナリオです。危機管理の鉄則はシナリオをつくることであり、そうならなければそうならないで越したことはありませんが、そうなった時にパニックに陥らないためのシナリオが必要だということなのです。

大不況対策の鉄則は手元資金を積み上げておくこと

こうした大不況対策の鉄則は、手元資金を積み上げておくことです。
例えば今回は、日本政策金融公庫、商工中金といった政府系金融機関が緊急融資を行っています。これは例えば1億円の資金を数年間、無担保・無利子・さらにその数年間は返済義務無しという破格の条件で融資を行うものです。この数年間、というのは貸し出す相手の会社のランクで年数が変わるそうです。信用度の高い会社なら5年。普通の会社なら3年。そうでもない会社は2年。この段階で企業のふるい分けが行われているのが大きなポイントだと私は思います。

その結果、日本政策金融公庫は担当者が身動き取れないほどの融資申し込みが殺到しているそうです。商工中金は数年前の不祥事の影響があり、積極的な営業活動を行っていなかったので多少の余裕がある、というのが経営者情報です。
トヨタですら1兆円の資金を手当てしています。まず短期的には手元資金を積み上げておかなければなりません。

コロナ・ショック後に起きること

コロナも今は先が見えない感染拡大が続いていますが、ウイルスも生物である以上、生物は増えるか減るかしかなく、横這いというのはありません。バッタの大量発生やネズミの大量発生と同じで、爆発的に増える期間もありますが、増え続けるということはあり得ず、いずれ収束に向かいます。

実際、中国ではコロナが収束に向かいつつあります。中国の情報はあてにならないという意見もありますが、私自身も中国のコロナが収束に向かっているのは事実だと思います。
従って前述の手元資金の積み上げという短期的なコロナ対策を行った上で、中長期的なコロナ・ショック後の対策を考えておかねばならないのです。

今回の不況はリーマン・ショックを超える大恐慌になる?

私のまわりの経営者の方の話を聞いていると、今回の不況はリーマン・ショックを超える可能性が高いと私は思っています。
例えば先日聞いた話。私の顧問先の社長の知り合いが、銀座のクラブが入居するビルのオーナーなのだそうです。そしてこの1カ月でそのビルに入居する高級クラブが3店舗も、店じまいをしたい、とテナント解約の話がきているのだそうです。ところがこういうテナントというのは、やめたいからといってすぐにやめられるものではないそうです。テナント解約するためには、出ていく3カ月前に大家に通知する必要があり、したがってこれから3ヶ月分の家賃は払わなければなりません。銀座の一等地だと家賃は月400万円前後。
さらにお店のホステスさんにも退職金を払わないといけない。そうするとお店をやめようとすると3000万円ほどのキャッシュが必要になるのだそうです。
そうするとやむを得ず、ママさんは自分が乗っている高級外車を売る、住んでいるマンションを売る、などして資金をつくらざるを得ません。

つまり、コロナの影響で銀座も、新地も、祇園も、お客が減って大変だな、というのが我々外部の見方ですが、当事者は大変どころの話ではない、ということです。こうした目に見えない経済の減退、資金をつくるために投資用マンションが売られる、高級車が売られる、売られた土地や建物などの資産下落がスパイラル的に起きる。
これは今生きている人のだれもが過去に経験したことの無い事態だと思います。

歴史的に例を挙げれば、似た様な事例が1927年のアメリカ大恐慌です。この時の大恐慌では、世界のGDPの15%が吹き飛んだと言われています。
GDPが1%下がっただけで大騒ぎなのに、15%が吹き飛ぶというのは相当大変な大不況です。
しかし私は、今回の不況は不況というよりも、1927年の大恐慌と同じ様な状態になる可能性が高いと思っています。

予想される第二のニューディール政策

1927年の大恐慌の際は、その後ニューディール政策が行われ、数多くの公共投資が行われました。例えばこの時つくられたダムがフーバーダムであり、フーバーダムでつくられた電力と水力で、砂漠の上につくられた都市がラスベガスです。またニューヨークのエンパイアステートビルも、ニューディール政策により建設されました。
今回のコロナ・ショックの後も、恐らく同様の国が主導する数多くのプロジェクトが動くことになると思います。ただし今回の大型公共投資はかつての土木建設ではなく、5GやCASEといったDX(=デジタル・トランスフォーメンション)がらみの投資になるのではないでしょうか。

例えば5Gは基地局を200m置きに設置する必要があるなど、膨大な設備投資が必要になります。またこれに対応するCASEも、道路や充電器の設置など大きな設備投資が必要です。また、政府のデジタル・ガバメント化がさらに進むなど、社会が大きく変わることは間違いがないと思います。

コロナ後に動く業界とは?

前述の通り、コロナ後に動く業界は明確に5G、CASEに代表されるDXに関わる業界でしょう。
さらに今回の件で、多くの人の意識も大きく変わると思います。
例えば私の関係先の社長の知り合いの社長が、東京でコールセンターを経営されているのだそうです。都内に月200万円のオフィスを借りて、数十人のオペレーターでコールセンターを営んでいたそうですが、今回のコロナの1件で、オペレーター全員を在宅のリモートワークに移行したそうです。そうすると、月200万円のオフィスはガラガラ。
そこで、この社長はふと気付いたそうです。「もしかすると、こんなオフィス、今後はいらないのではないか・・・?」
この社長は近々大きなオフィスを引き払う予定で、最低限の人数で小さなオフィスに移転、オペレーターの在宅勤務はコロナ後も継続する予定だそうです。
この様に、今までは必要と思われていたことが、実は不必要だった。あるいはデジタルに置き換えることができる。そういったことが今回のコロナの件であぶりだされるのではないでしょうか。
例えば
・営業担当者が訪問しての営業活動
・大人数が集う会議

こうしたことがデジタル化する可能性は極めて高いと思います。
従って冒頭に述べたZoom等を活用したリモート会議あるいはリモート商談は、今のうちに完全に慣れておく必要があると思います。
実際、巷ではマスクやトイレットペーパーの不足が報道されていますが、実はリモート会議にあった方が便利な「マイク」「イヤホン」「カメラ」といった機材も非常に品薄になっているそうです。いずれにせよ、こうした動きに対応できている会社と、そうでない会社とでは大きく二極化していくのではないでしょうか。

今、するべきことは何か?

現時点で中国に加えてイタリアも、1日あたりの感染者が減少しているそうで、収束に向かう兆しはみえつつあります。
しかしコロナで思う様に身動きが取れないここ2~3ヶ月の間に、コロナ後の世界に向けて準備を「仕込む」必要があると思っています。
例えば私の例で大変恐縮ですが、私自身はコロナの件以降、諸々の仕事が増え、逆に今までになく多忙になっています。
しかし、超多忙の状態ではありますが、実は書籍を2冊、同時並行で執筆中です。今年8月、9月に出版予定ですが、これも私なりの「仕込み」です。

皆様の会社におかれましても、従来と同じ動きがとれない、この4~6月の間に、仕込んでおくべきことがあるのではないかと思います。
そこで、私の方で今まで本メールマガジンでも散発的に述べてきた「営業がいかなくても売れる セールステックを3ヶ月で導入する方法」を、18ページの冊子にまとめさせていただきました。
本冊子は、下記URLから無料でダウンロードいただけます。

↓↓↓無料冊子ダウンロードはこちら

<商社・販売店編>
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/factory-business/dltext03-dl.html

<メーカー・製造業編>
https://lp.funaisoken.co.jp/mt/factory-business/dltext04-dl.html

今の時期に、なかなかコロナ後のことを考えるのは難しいことかもしれません。
ただ、冒頭に述べた手元資金の積み上げという短期的対策の後に、中長期の対策について考えなければならないことも事実だと思います。
今回はかつての明治維新、あるいは75年前の戦後の混乱期に匹敵する大きな変化が起きることは間違いがないと思います。それに向けた対処が必要だと思います。

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