特集 事例研究-変化に対応する セットメーカー【株式会社トライテクス】
デジタルマーケティングで利益率2倍を実現!
大手優良企業から引合いが集まる仕組みを構築!
取組み2年半、営業先任者ゼロで4社の優良リピート顧客の開拓に成功
株式会社トライテクス
同社は愛知県半田市に本社工場を置く、自動機メーカーです。主に、工作機械メーカー並びに部品加工業を顧客とし、工作機械の周辺装置の設計・製作を手掛けています。
具体的に同社が手掛けるのは、工作機械の周辺で移載や検査・測定工程を自動化するための装置であり「ワークストッカー装置」「ピッチ送りコンベア」「位置決め装置/位相決め装置」「検測装置」と呼ばれるものです。
いわば主な客先はエンドユーザーではなく、工作機械メーカーの設計者ということになります。かなり限定されたニッチなターゲットにはなりますが、同社の場合はデジタルマーケティングに取組むことにより、標記の様な成果につながりました。
船井総研とのデジタルマーケティングへの取組み
船井総研とのデジタルマーケティングへの取組みは2017年からスタートしました。デジタルマーケティングに約2年半取り組んだ結果、4社の新規顧客口座を獲得、リピート受注に至っています。
同社の特筆すべき点は、営業専任者ゼロでこの結果を実現したということです。こうした結果が出た理由として、同社の桑山社長は「打ち出す製品を絞った」ことだと考えています。具体的には、”製造プロセスにおける搬送工程装置”を自社の製品としてフォーカスを当てPRしました。
その結果、依頼される引合いも同装置に絞りこむことができ、受注対応はもちろん、その後の設計・製造プロセスについても大幅に工数を削減することができました。
一般的な装置の受注となると構想段階からの引き合いを得て、顧客へのヒアリングを行い、構想を基に組図の提案、その後、設変を繰り返し、受注となります。しかし同社の場合には、「この装置がほしい」という顧客の声を集めたため、かなり具体的な商談につながったということなのです。
そして同社が営業マンを雇う代わりに立ち上げたWebサイトが「自動機・省力機械受託製造.com」なのです。
同サイトからは年間30件近い見積り案件が発生し、その結果成約に至り、顧客化したのが前述の4社ということなのです。「昔は、専任の営業担当者を雇おうかと考えた時期もありました」「でも今は、営業マンを雇うよりもWebサイトの方がよっぽど効果が上がると確信しています」と、桑山社長は語ります。
現在、船井総研では同社のデジタルマーケティングの他、同社の採用活動についてもお手伝いをさせていただいています。
「ものづくりが好きで、極めたいと考える若者と共に成長したい」が理念
トライテクスは、平成6年に現社長でもある桑山裕章氏が創業しました。現在で創業30年弱になります。創業前、桑山社長は大手工作機械メーカーの設計部門に在籍されており、在職時に積み上げた機械設計に関する知見を活かされ、現在の同社の技術的な礎につながっています。
現在では、機械設計者・電気設計者を計4名抱え(桑山社長を除く)、現場での加工・組立エンジニアが13名という企業規模となっています。現在も、愛知県の三河地区の高専・工業高校から同社に入社をする若手が多く、桑山社長の「ものづくりが好きで、極めたいと考える若者と共に成長したい」という考えに共感した人材が入社をしており、社員同士でロボットの勉強会を開くなど、社員一人ひとりの探求心が現在の同社の技術を支えています。
同社の特徴は、自動機の設計・製作を手掛けることができるという点もありますが、図面を基に機械加工品・板金部品の製作・調達を行い、装置組立までを一貫で内製している点が挙げられます。特に専門の生産管理・外注管理担当者を1名おき、部品について多くの見積りを外注ネットワークから集め、コストダウンを進めていくため、品質はもちろんですが、コストの面でも高い評価を得ています。
新規開拓を通して初めて知ることができた自社の強み
実は、同社におけるこの強みというのは、新規顧客開拓をしなければ、気付くことができなかったものでした。というのもこれまで1社に大きく依存していたため、その企業との取引がスタンダードとなっていた為です。現在は、新たな顧客との接点が増えたことで、自身の強みが明確化され、これまで打ち出してきた顧客の要望に柔軟に答えることができる、臨機応変さと生産管理部を持つことによるコスト競争力という、この2点に強みを持つ企業であると、営業活動の際のPRにも活かされています。
装置メーカーとして、次の新たな一歩を踏み出す同社のこれから
同社では、未来にむけて様々な取り組みを行っています。例えば次の目標は、同社の新社屋の建設・そして本社移転です。すでに採用サイトなどではPR活動を行っていますが、今後は自動機メーカーとして新たな一歩を踏み出し、顧客の求める装置の設計製作を実現できる企業となる為、桑山社長は新社屋建設・本社の移転を決断しました。もちろん人手不足の環境を憂慮し、働く環境を整え、働きやすい会社・働いてみたいと思える会社・環境を作るということも念頭に置かれています。
また、これまではオーダーメイドで手掛けてきた各種工作機械周辺の自動化機器を、いわばレディメイドで標準品としてエンドユーザーに販売することも計画しています。特にターゲットとして考えているのが、中小部品加工業で、かつ中・量産を手掛けている様なユーザーです。
自社の強みを見出し、新規開拓に積極的に取組む中でさらにそれに磨きをかけ、次の一歩に踏み出す同社は、まさにセットメーカーのモデル企業の1社だと言うことができるでしょう。
会社名 | 株式会社トライテクス |
業種 | 搬送設備・装置設計・製作 |
従業員数 | 17 |
創業 | 1995年12月 |
代表者 | 桑山 裕章 |
住所 | 愛知県半田市新宮町5丁目226番地 |
電話番号 | 0569-27-7514 |
URL | http://www.trytechs.co.jp/ |
主要設備1 | 縦型3軸マシニングセンタ |
主要設備2 | 縦型3軸マシニングセンタ |
主要設備3 | 5軸複合加工機 |
主要設備4 | NC旋盤 |
主要設備5 | 汎用旋盤 |
主要設備6 | 平面研削盤 |
主要設備7 | 汎用横フライス盤 |
主要設備8 | ワイヤーカット |
主要設備9 | スロッター |
主要設備10 | ロータリバンドソー |
主要設備11 | ボール盤 |
主要設備12 | 塗装ブース |
主要設備13 | 3次元測定機 |
主要設備14 | CAD |
主要設備15 | CAD |
主要設備16 | CAD |