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注目企業インタビュー

成果出てます!我が社の取組み ~部品加工業~【株式会社カネコ】

機械加工業のメーカー化戦略で、
今までなかった大手優良企業から続々と新規受注を獲得!

自社の本当の強みを活かしたマーケティングに成功!メーカー化戦略のモデル企業!

株式会社カネコ


カネコは100台以上のカム式自動旋盤やパーツフィーダーを搭載した最新NC自動旋盤を設備し、従来は冷間鍛造品の二次加工を専門に手掛けていました。従来の悩みは新規開拓と利益率の向上でした。と、いうのが冷間鍛造の二次加工というビジネスモデルでは、おのずと顧客層が限られてしまうからです。そこで同社では従来「顧客」と見ていた冷間鍛造会社を「仕入先」と捉
え、自らは「特注ネジ・特注リベット」の特注メーカーになるという新たなポジションを確立。従来の客層に加えて、大手優良顧客を新規開拓できる企業体質に変貌を遂げました。

2006年に移転した本社工場の外観

 

デジタルマーケティングの導入で優良大手企業の開発・設計部門から新規受注を続々と獲得!

同社の金子社長の悩みは、新規開拓といかに自社を成長させていくか、ということでした。同社のメイン業務は冷間鍛造品の二次加工であり、現状のビジネスモデルだとおのずと客層が限られてしまうからです。

そんなある日、船井総合研究所から一枚のDMが届きました。「加工業が自社の真の強みを把握する方法」「大手優良企業の開
発・設計部門から引合いを取るビジネスモデル」など、魅力的なキーワードがならんでおり、半信半疑ながらセミナーに参加したのが3年前の話です。

そしてセミナーに付帯した約90分の個別相談で、「従来の客先である冷間鍛造会社(=ネジ、リベット製造会社)を仕入先に切り替えて、それを武器に中堅・大手の優良メーカーをデジタルマーケティングで攻めてはどうか」との提案を受け、取り組むことに決めました。

そして同社が船井総研と立ち上げたソリューションサイトが、「特殊ネジ・リベット製造.COM」です。

様々な試行錯誤はありましたが、現在ではメーカーの設計・開発等の川上部門からの問合せが増えており、月に3件前後は受注につながる商談案件が集客サイトからコンスタントに発生しています。

昨年の夏ごろには、大手自動車部品メーカーからいきなり直接電話が入りました。「あの時は非常に驚きましたが、それからというものの設計・開発案件が立て続けに発生するようになりました」と金子社長は語ります。

引合いの入る業界も様々で、ベアリング、ペット用品、レスキュー製品、トレーニング器具など、かなり多岐にわたるといいます。

100台以上のカム式旋盤が並ぶ現場の様子

 

同社のソリューションサイト
特殊ネジ・リベット製造.com

 

国内最大級のカム式旋盤ユーザー、画像処理で全数検査も実現

同社では創業から60年以上にわたり数百種類にもおよぶ締結部品の二次加工を行ってきたため、経験豊富な職人や技術ノウハウが蓄積され、様々な形状やサイズ、材質の締結部品の加工に対応しています。また縦穴も横穴も、さらにはNC旋盤による溝加工、段付き加工など、様々な加工方法を網羅した設備体制を敷いており、同業他社が敬遠しがちなステンレスやチタンなど難削材の加工も対応しています。さらに高い技術力を持った協力会社と連携することで、多岐にわたる加工やメッキ、熱処理まで一貫して対応しています。

また全数検査も同社の強みです。同社では業界に先駆けて独自の自動検査システムを導入しており、厳格・精密な加工品のチェック体制を整えています。具体的に鍛造品を2次加工した後に、某セットメーカーと共同開発した独自の画像処理技術による最新の検査システムにより、1/60秒という超高速画像処理を行っています。この検査システムによって±0.02mmレベルの寸法公差を読み取り可能になり、2次加工後の不良品を抑えることができるようになりました。安い機械で加工し、検査にお金をかけて、高く売る。これが当社の基本的なビジネスモデルです。

 

特定業界からの依存脱却、不況対策を進め、経営の安定化を図る

そんな同社は1958年に、現社長の祖父が創業しました。そして2006年、現社長が前勤めていた会社から同社に戻るタイミングで、本社工場を現在の場所に拡張・移転しました。しかし元々工場があった土地を売らずに移転したので、当時は借金まみれ。そんな状況にリーマンショックも重なり、売上は半分以下まで落ち込みました。また当時は売上の大半をネジ卸に依存。その先のユーザーは大半が自動車産業でしたが、不況で自動車メーカーが不調になると、同社の業績にも大きく影響していました。

金子社長は「ネジ卸にぶら下がって不況にビクビクしているようではダメだ」と感じ、今までとは違うことをしなければならないと強く思うようになりました。それが前述の「特殊ネジ・リベット製造.COM」立上げを中心とした、デジタルマーケティングの導入につながります。

同社では引き合いに対しては、すぐに提案を含めた回答を出すことを心がけています。特に同社が重視しているのがVA・VE提案です。例えば既存の金型を使用する、塑性加工から切削に工法転換する、さらにはロット数を増やして新規金型を製造する方がコストダウンになる、といった提案です。

当社独自の自動全数検査システム
「ViewChecker」

 

カム式自動旋盤

 

ビジネスモデルを刷新し
メーカー化戦略を推進する
同社代表取締役 金子 雅一 氏

日本No1のネジ加工プラットフォームの構築を目指す

またカネコは最近、事業継承に悩んでいたカム式旋盤の製造会を買収しました。NC旋盤と比較してカム式の旋盤は、性能は劣りますが量産性が高く、単純な加工における費用対効果はNC旋盤の4倍ほどあります。さらに、工作機械メーカーはNC旋盤よりも圧倒的に安いカム式旋盤には手を出しにくく、現在カム式旋盤を取り扱っている会社は国内でも片手で数えるほどしかありません。

こうした事情を背景に、同社ではまずはカム式旋盤の部品販売、修理・オーバーホールといった工作機械事業をスタートします。この狙いは、同社が使用している様なカム式旋盤を使用している全国のネジ加工会社とネットワークをつくることで、いずれはプラットフォーム化を図ることにあります。デジタルマーケティングの導入にとどまらず、業界プラットフォームの構築を目指す同社から、ますます目をはなすことができない、と言えるでしょう。

 

会社名 株式会社 カネコ
業種 冷間圧造部品の製造及び二次加工
従業員数 30名
創業 1957年4月
代表者 金子 雅一
住所 千葉県浦安市千鳥15-37
電話番号 047-351-2849
URL http://www.e-neji.co.jp/smarts/index/0/
主要設備1 二次加工機 ×60台
主要設備2 横穴面取加工機 ×20台
主要設備3 縦穴汎用加工機 ×15台
主要設備4 自動タッピング機 ×20台
主要設備5 NC精密旋盤 ×2台
主要設備6 低周波振動切削機 ×3台
主要設備7 NC旋盤(くし刃型) ×2台
主要設備8 8軸加工機 ×1台
主要設備9 サーボ縦穴加工機 ×3台
主要設備10 タップ機(M12・M14) ×1台
主要設備11 NC精密旋盤用 自動供給ロボット ×1台
主要設備12 画像処理選別機 ×6台
主要設備13 投影機 ×2台
主要設備14 画像寸法測定機 ×1台
主要設備15 自社開発検査機 ×1台
主要設備16 表面粗さ測定器 ×2台

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