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2023年 樹脂加工業(成形・切削)が取るべき経営戦略とは

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内燃機関の開発停滞、半導体生産の調整により、樹脂加工業の仕事量が低下

2023年も6月になり、半導体不足による自動車の減産は解消されつつあります。実際に、トヨタ自動車における、2023年3月期の販売台数は約880万台でしたが、2024年3月期は1,010万台を見込んでいると発表がありました。日産やホンダも同様に生産回復を見込んでいると発表しています。

しかしながら、内燃機関に関する開発はほとんど止まっており、自動車の開発状況に影響を受けやすいプラスチック成形業・金型製造業の多くが売上を落としています。

また、コロナ禍でのPCやスマホ需要の拡大により、2022年前半まで活況を呈してきた半導体関連業界も2022年後半から需要が一服し調整期に入っています。WSTS(世界半導体市場統計)が2022年11月末に発表した「2022年秋季半導体市場予測」でも2023年は、4年ぶりにマイナス成長になると予測しています。

そのため、半導体関連の企業と取引をされている多くの樹脂切削業は、何もしないと今年は「我慢の年」になってしまうと予想されます。また、従来より半導体は好況と不況の変動が激しいため、樹脂切削業は利益が不安定になってしまう傾向にあり、それを回避したいと考えられている経営者の方も多いのではないでしょうか。

今、樹脂加工業(成形・切削)が取り組むべきこと

では、こうした状況の中、樹脂加工業(成形・切削)はどのようなことに取り組むべきなのでしょうか。

それはズバリ、

自動車や半導体など、特定の業界や顧客に依存せず、かつ企画・開発部門から仕事を獲得する

ということです。

特定の業界や顧客に依存するリスクについては言わずもがなですが、他業界にアプローチする場合には資材・購買部門ではなく、企画・開発部門といった上流部門から仕事を獲得することを意識するべきです。

資材・購買部門からの引き合いは価格競争に陥りがちですが、企画・開発部門など川上部門からの引き合いを獲得すれば、価格競争も回避しやすくなります。また、大手企業の企画・開発部門は活発に動いており、私の関係先でも様々な業界の上流部門から引き合いを獲得している企業が数多くございます。

それでは、実際に特定の業界や顧客に依存せず、かつ企画・開発部門から仕事を獲得している企業は、どのような事に取り組んでいるのでしょうか?下記にて、樹脂加工業の事例をご紹介いたします。

【射出成形・金型製造業の成功事例】3年に1社だった新規企業の開拓が、2年で30社に。新規受注1.2億円を達成!射出成形・金型製造業の成功事例

株式会社関東製作所様(従業員200名の射出成形・金型製造業)は、従来、特定の自動車部品メーカーに大きく依存していました。新規開拓も3年に1社程度しかできず、このままでは、成長が難しいと考えていました。

そこで、関東製作所様ではまず、射出成形の試作・開発に関するマーケティングや営業戦略を進め、試作開発のパートナーとしてのポジショニングを確立することに注力しました。同時に、「金属部品を樹脂化する」あるいは、「従来、ブロー成形で製作していた部品を射出成形で製作する」といった事例を訴求し、工法転換によるコストダウンなどのメリットを提案し始めました。

引用元
タイトル:【ブロー成形から射出成形への工法転換】 キーポイントは初期段階の設計工程 -フロントローディング-|MFG Hack
URL:https://mfg-hack.com/injection-molding/2512/

また、顧客の動きを数値化し、顧客ニーズを自動であぶりだすことができるシステム「マーケティング・オートメーション」を活用しています。

こうした取り組みを開始して2年で、150社以上から問い合わせを獲得。内、約30社との取引が開始しています。結果として、新規商談創出10億円、新規受注1.2億円を実現されています

同社の取り組みに関する代表取締役のご講演動画を下記からご覧いただけます!

【樹脂切削加工業の成功事例】既存顧客の売上が減少する中、営業マン”ゼロ”のまま3年で売上21%・粗利27%向上!

株式会社ケイプラビジョン様(従業員10名の樹脂切削業)は、既存顧客からの売上が減少する中、新規の引合もほとんどなく、このままでは、ジリ貧になってしまうと考えていました。また、従業員10名と小規模であり、かつ同時5軸加工機などの高機能な設備を持たないため、難易度の高い加工やQCDで勝負することは難しいという状況でした。

そこで、ケイプラビジョン様ではまず、自社のターゲット層の困りごとを解決する「提案」技術を売る戦略を展開し、他社と差別化を図りました。また、樹脂の材質選定や形状設計をサポートする情報発信を積極的に行っています。こうした取り組みにより、利益率の高い新規顧客からの引き合いを入手した後は、DXによる顧客動向の把握を活かしたインサイドセールス体制でフォローしています。

その結果、直近3年で、営業マン”ゼロ”のまま3 年で売上は21 %・粗利は27 %向上しています

上記、業績を伸ばし続ける2名の経営者による特別講演!

この度、私たち船井総合研究所 ものづくり支援室 では、「樹脂加工業 経営戦略セミナー 2023」と題して、樹脂加工業の経営者様に向けた経営戦略セミナーを企画いたしました。

▼セミナーへのお申し込みは下記からよろしくお願いいたします。▼
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103079

本セミナーでは、先述した関東製作所様とケイプラビジョンの代表取締役にご講演いただきます。(ビデオ出演となります。)

本セミナーは、

・電気代や材料費、賃金が上昇し、利益が圧迫しているので早急に対策したい
・半導体や自動車の市場動向に影響を受けないよう、新たな市場を開拓したい
・業績を伸ばし続けている同業他社が何をしているのか知りたい
・人を新たに増やさずに、売上と利益を増やす方法を知りたい
・迫りくる世界的不況に備えて、樹脂加工業がこれから取るべき事業戦略を知りたい

とお考えの経営者様に向けた内容となっています。

具体的には、

・インフレ時代に、樹脂加工業が取るべき戦略
・デジタルの力を駆使して、人を増やさずに利益を増やすビジネスモデルの構築方法
・樹脂射出成形業が、試作・開発案件を獲得し、利益を伸ばすポイント
・樹脂切削加工業が、半導体の市場動向に影響を受けず、常に安定した利益を出す方法
・価格競争を回避し、利益を大きく増やすために実施すべきこと

といった情報をお伝えいたします。

セミナー開催日は、下記の通りです。
・2023年9月7日(木)13時~15時30分 東京会場
・2023年9月8日(金)13時~15時30分 大阪会場

▼セミナーへのお申し込みは下記からよろしくお願いいたします。▼
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103079

是非ご参加いただき、今後の事業戦略のヒントにしていただければと思います。

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