自動車減産により、射出成形業・金型製造業の仕事量が低下
半導体を中心とした部品供給不足により、自動車の減産が続いています。最近の新聞報道等によると、「2022年の秋頃から、部品不足が緩和され始め、2023年中には解消する」といわれています。
しかし、過去の報道や完成車メーカー各社の状況に目を向けると、楽観視はできないと考えられます。過去の報道の例を挙げると、2021年の夏時点では、「2021年末までに部品不足は解消に向かう」と報道されていました。また、2022年の年明け時点でも「2022年末までに部品不足は完全に解消する」と報じられていました。
個別の企業の事例でいえば、トヨタ自動車は今年に入り、何度も生産台数の月次計画を下方修正し、今年の10月には、「2022年度の世界生産台数が従来見通しの約970万台を下回る見込み」であると、発表しました。それに伴い、「300万台の国内生産台数」といった当初の計画も下回ると想定されています。また、ホンダも今年の10月に国内4輪車工場で生産調整を続けると発表しており、鈴鹿製作所では、従来計画比2割減、埼玉製作所完成車工場では、同4割減となっています。
こうした自動車減産の影響を受け、自動車業界と関係の深い射出成形業・金型製造業では、売上が大きく落ちてしまっています。
今、射出成形業・金型製造業が取り組むべきこと
では、こうした状況の中、射出成形業・金型製造業はどのようなことに取り組むべきなのでしょうか。
それはズバリ、
EV・医療といった、今後成長が見込める成長業界の開発・設計部門から、「試作・開発案件」を獲得する
ということです。
なぜか?
理由を射出成形業の業界構造から説明いたします。
射出成形業界は、「メーカー(仕様決定者)の下に一次・二次・三次請けがいる」といったピラミッド構造になっているため、利益を増やすには、メーカーのキーマンを開拓して、直接取引することが非常に重要になります。
しかし、射出成形業・金型製造業の場合、量産となると、1つの発注が数百万円単位になるため、お客様からすると、新規で量産を発注しにくく、既存取引先を優先しがちです。
一方、当然のことですが、試作・開発は発注単価が低くなるため、新規サプライヤーに発注するハードルが下がります。と同時に、特にEVや医療といった成長市場のキーマンは、常に新たな技術課題に直面しており、それを解決するために試作・開発案件を依頼できる新たなサプライヤーを探しています。
また、開発・設計段階から入り込むことで、量産案件の獲得も容易になり、価格競争も回避しやすくなります。
それでは、実際に試作・開発案件を獲得し、売上と利益を伸ばしている企業は、どのような事に取り組んでいるのでしょうか?
下記にて、実際に開発・設計部門を攻略し売上・利益をアップさせている射出成形・金型製造業の事例をご紹介いたします。
2年で新規商談創出10億円、新規受注1.2億円を実現!射出成形・金型製造業の成功事例
株式会社関東製作所様(従業員120名の射出成形・金型製造業)は、従来、既存顧客が中心でした。採用難の中、新規開拓を推進するための営業マンの採用も難しく、このままでは、成長が難しいと考えていました。
そこで、新たな営業マンを採用することなく、メーカーからの引合を獲得できる、「デジタル・マーケティング」を導入。具体的には、射出成形に特化した、集客用の専門サイト「射出成形ラボ」を構築しました。現在、このサイトからは毎月10件以上の新規からの引き合いがきています。
さらに、射出成形・射出成形金型に関する様々な情報をマーケティング・オートメーションというシステムを通じてメールマガジンにて発信。メールマガジンを閲覧した方の情報は関東製作所 様内で管理され、適切なタイミングで営業の方がフォローできる体制を整えています。
従来は、3年に1社程度でしか新規開拓ができていませんでしたが、こうした取り組みを開始して2年で、150社以上から問い合わせを獲得。内、約30社との取引が開始しています。結果として、新規商談創出10億円、新規受注1.2億円を実現されています。
同社が実践しているビジネスモデルを図で示したのが下記になります。
さらに、同社の取り組みに関する代表取締役のご講演動画を下記からご覧いただけます!
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