
変化する国の中小企業施策と補助金
昨今、国の中小企業施策は大きく変わっています。
従来は、全ての中小企業を同一に扱い、同じように平等に、補助金などの様々な施策を行ってきました。
ところが、全ての中小企業に同じようにサポートを行っても、思ったような成果や効果が上がらないことが問題視されるようになりました。
なぜなら、同じ中小企業だからといっても、色々な意味でのレベルの差が大きいからです。
そこで国は、10年ほど前から「クラスターハブ」という概念を提唱しはじめました。
「クラスターハブ」というのは、文字通り、その地域で“中心となる”ような中小企業のことです。
言い換えれば、そのエリアでのモデル企業ともいえるかもしれません。
つまり、その企業を支援することで、まわりの中小企業にも何らかの影響を与えうる、地域の核となるような中小企業のことを「クラスターハブ」と呼んだわけです。
この「クラスターハブ」施策は、その後の経済産業省の「地域未来牽引企業」という形で具現化します。
「地域未来牽引企業」とは、地域経済の中心的な担い手となり得る企業を指定するもので、全国で約5000の事業所が指定されています。
ところが、この「地域未来牽引企業」にも課題が生じます。
それは、その定義があいまいであるために、「では、具体的に何をすればいいの?」「何を目指して経営を進めていけばいいの?」という課題がでてきました。
そこで、国が次に定義したのが、この「100億宣言」です。
「100億企業=中堅企業」が、これからの日本を元気にする
100億宣言とは、売上高10億円以上100億円未満の会社を対象として、売上高100億円を実現するための取組みを宣言・国が認定する制度です。
「100億宣言」を行い、それが国から認定されると、税制面や補助金、あるいは政府系金融機関からの融資等について、優遇を受けることができます。
このように、「100億宣言」は急に現れた制度ではなく、相応の時間をかけて現在に至った制度なのです。
こうした国の動きとは関係なく、私たち船井総合研究所では5年ほど前から「地域コングロマリット」という概念を提唱し、あわせて「100億企業化」という経営目標を提唱していました。
6000社以上の中小企業コンサルティングを常時行っている船井総合研究所でも、この「100億円」というのが色々な意味で、大きな意味を持つことがわかっていたからです。
まず「100億円企業」になると、地方都市であれば、その会社のことを誰もが知る存在になります。
その結果、知名度も上がり、人材採用も有利に働くようになります。
地域での発言力も増し、より一層の地域貢献を行うこともできるようになります。
ちなみに、経済産業省の広義の定義では、「従業員2000名以上の会社」を“大企業”とよび、おおよそ従業員200~300名以上で、従業員2000名未満の会社のことを“中堅企業”と呼んでいます。
つまり、従来の「中小企業」と「大企業」という構図ではなく、「中小企業」と「中堅企業」そして「大企業」と3分類して、特に「中堅企業」を手厚く支援するというのが、今回の「100億宣言」の背景なのです。
実際、今年GDPで日本を追い抜いたドイツは、世界でもトップレベルの「中堅企業」大国です。
ニッチ領域でトップに立つ「中堅企業」が数多く存在することが、ドイツの強さの秘訣といわれています。
日本でも、前述の「中小企業」「中堅企業」「大企業」の中で、最も業績が伸びているのが「中堅企業」です。
伸びているところを支援して、さらに伸ばす、というのが現在の国の施策なのです。
受託型製造業(部品加工業)の100億企業化のポイントとは?
このように、あらゆる業種・業界で注目を集めている「100億宣言」ですが、いわゆる部品加工業(受託型製造業)でも100億宣言を行う会社が増えてきました。
あるいは、100億宣言を目指す会社が増えてきました。
実際に、部品加工業(受託型製造業)が、100億企業化を実現しているパターンは次の3つです。
パターン1:自社をHD化するなどして、同業他社をM&Aして100億円企業化。
パターン2:商社機能の強化など、プラットフォームを形成して100億円企業化。
パターン3:従来のOEM(加工受託)領域から、ODM(設計受託)領域まで拡大して100億円企業化。
いずれにせよ100億円企業化の為には、
・販路開拓(営業戦略)
・技術戦略(コア技術の明確化とシナジーの追求)
・組織戦略(採用と管理職育成)
・投資戦略(工場投資またはM&A)
を網羅した、「100億企業化へのロードマップ」が欠かせません。
そこで船井総合研究所 製造業商社支援部ではこの度、「受託加工業100億企業化 成長戦略セミナー」を来る2025年10月28日(火曜日)東京会場 にて企画いたしました。
↓↓↓「受託加工業100億企業化 成長戦略セミナー」の詳細は、こちら
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/133801
本セミナーにお越しいただきたいのは、次の様な経営者の方です。
・100億企業化を目指しているが売上が伸び悩み、新しい収益の柱をつくりたい
・設備投資をしたいが、どこに・どの規模で投資すべきか判断に迷っている
・M&Aを行いたいが、ポイントがわからない
・自社の成長ロードマップを明確に描けていない
・地域を牽引する企業となり、雇用創出で社会に貢献したい
本セミナーでは、次の5つの戦略を各講座で提言、100億宣言を検討する受託型製造業(部品加工業)経営者の皆様に、具体的な経営ノウハウを提供するものです。
戦略1:新事業開発、新商品開発戦略
戦略2:工場・設備・スマートファクトリーへの投資戦略
戦略3:M&A・HD化への企業戦略
戦略4:ROIを最大化する補助金戦略
戦略5:100億企業化ロードマップ策定戦略
もちろん、私、片山和也も、メイン講師の1人として本セミナーに登壇いたします。
本セミナーは会場の関係もあり、先着30名様限定の経営セミナーとなっています。
ぜひ、お早めにお申し込みをご検討ください。
↓↓↓「受託加工業100億企業化 成長戦略セミナー」の詳細は、こちら
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/133801