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年始のインド渡航より:わずか1年半でソフトウェアベンダーがEVバイクメーカーに

かねてからご案内していた、今年3月に企画しているインド視察(サステナグロースカンパニー視察セミナーinインド)ですが、おかげさまで現時点で残席を数席残すレベルとなりました。3月の実施は満席での実施となりそうです。あらためて、お申込みいただいた皆様に心から御礼申し上げます。

実は私も、この1月6日から10日までの間、インド・チェンナイに行っていました。チェンナイというのはインドでも南部の都市であり、旧名称をマドラスといいます。バンガロールが「インドのシリコンバレー」といわれるのに対して、チェンナイはどちらかというと昔ながらの工業都市です。

そして、そのチェンナイの郊外にZOHO(ゾーホー)の本社があります。

今回は、このZOHOインド本社で開催された、Zohoパートナーの世界大会に日本のプレミアムパートナーとして招かれ、参加しました。

余談ですがインドという国は、現地の方が暮らす環境と、我々外国人が滞在する環境は、まるで異なります。

まず、外国人が滞在する様なホテルは例外なく警備員がつき、出入りする車をチェックし、ホテルに入るためには全ての荷物を金属検知器に通します。

これはホテルだけでなく、外国人向けのショッピングモールも同じです。

あるいは、ZOHOの様なIT企業が入居するITパークも同じです。

基本、私の経験でいえば、この外国人エリアから外にでず、食事もホテルあるいはIT企業で出されるものを食べている分には、基本的に先進国にいるのと同じです。

よく「インドに行ってお腹をこわした」みたいな話をききますが、これは私の推察ですが、おそらくそういう方の多くが、現地の方が行かれている様なお店に行かれているのではないかと思います。

さて、今回1年半ぶりにZOHOインド本社に行きましたが、何とZOHOは別事業で「EVバイク」のメーカーになっていました。農作業用の「EVトラック」もつくっているそうです。

ZOHOの分析では、生成AIの登場により、これからはソフトウェアを誰もがつくれるようになる。したがって、ソフトウェアだけを手掛けていることは経営的にリスクで、なのでハードウェアにも進出すると1年前に言っていましたが、それを本当に1年で実現するスピード感に驚きました。

何より、その気になればファブレスで、すぐにメーカーになれてしまうのが現在のインドなのです。

またZOHOは米国のエヌビディアと提携し、自社開発の生成AIに適応するGPUの製造をスタートするそうです。Zohoプロダクトには既にAIが搭載されています。

例えば某旅行会社のCRMで、どのお客が過去にどんな先に旅行したことがあるのか分析して、そのお客が次にどんな場所に旅行に行く可能性が高いかAIが提案する、といった運用が日本語でも可能になっています。

ZOHOは社内に「Zoho Labs」という専門組織をつくり、ここであらゆるAIのアプリケーションを開発しているといいます。

そしてZOHOインド本社は、至るところで凄い勢いで社屋を建設し続けています。

過去5年間、3割成長を続けていますが、明らかに同社は「世界の勝ち組」であるといえます。

 

日本のDXは欧米より30年遅れている?

また今回、ZOHOの成長スピードにも衝撃を受けましたが、同様に衝撃を受けたのが、欧米各国のZohoパートナーのレベルです。

彼らはITを使いこなして、徹底的に合理化を図り、生産性を上げていました。

例えば今回情報交換を行った米国のZohoパートナー(従業員30名)は、自社独自のシステムを構築して客先にZohoの提案を行っていました。

具体的に、選択式のテンプレートを選ぶことにより、「提案書」が作成されます。もちろん客先によっては個別開発も入りますので、その内容を追記します。

すると「要件定義書(=仕様書)」が完成するわけですが、客先がこの「要件定義書」にサイン(=電子サイン)をすると、自動でエンジニアに対して、「作業指示」が発行されます。そして、その後のエンジニアの稼働管理も、このシステム上で行われる、というわけです。

日本では通常、「提案書」は顧客ごとにつくられ、営業担当者の個人持ちになっているケースが大半だと思います。会社として共有されているのは、せいぜい「見積書」で、見積書を作成してから二度打ちを無くす、というレベルでのIT化しか、なされていないのではないでしょうか。

しかし、前述の米国の会社は、従業員わずか30名の会社であるにも関わらず、作成した「提案書」の内容を二度打ちさせることなく、エンジニアへの作業指示にまでつなげているのです。

日本と比べて、欧米の生産性が各段に高い理由はこうしたことなのかもしれません。

 

米国・ラスベガスで視たEVの実際

また、実は年始のインド渡航の1ヶ月ほど前、昨年12月10~13日の間、やはりZohoがらみの所用で米国・ラスベガスに出張していました。

そこで視たのが「ベガスループ」という乗り物です。

ラスベガスには、イーロン・マスクが創業・経営する「ボーリング・カンパニー」の拠点が置かれています。この「ボーリング・カンパニー」は、地下交通により地上の交通渋滞を解消するという社会課題を解決しようとしている新興企業なのですが、同社が開発したのが「ベガスループ」なのです。

ラスベガスはカジノの街として知られますが、もう1つ有名なのがコンベンション会場(=展示会会場)としての側面です。とにかく砂漠の広大な土地につくられた都市なので(=現在も拡張を続けています)、大きな展示会会場(コンベンションセンター)が複数存在します。これらコンベンションセンターを地下でつないでいるのが「ベガスループ」なのです。

「ベガスループ」は、本当に車1台がギリギリ通れるか、通れないかくらいの小さなトンネルです。そのトンネルの中をEVが各コンベンションセンターをつないでいるのです。

私も実際に乗車しましたが、現時点ではデータ取りをしているそうで、無人運転ではなく、人間のドライバーが運転をしていました。しかしながら、車1台が通れるか通れないかくらいのトンネルを走る様子は、まさに遊園地のコースターのようでした。

通常のトンネルの場合は、十分な高さがあり、ファン等が回ってトンネル内の空気を常に入れ替えるような構造になっています。なぜなら、自動車が排気ガスを出すからです。

ところが、EVであれば排気ガスを出しません。したがって、内燃機関の車が通るような大きなトンネルを掘る必要が無いのです。車1台がギリギリ通れる大きさのトンネルで良い、したがって、トンネル建設のコストが劇的に下がりますし、工事のリードタイムも劇的に短縮されます。

ラスベガス市は、イーロン・マスクのボーリング・カンパニーと組み、この地下交通を積極的に進めています。

ちなみに、昨年9月にサンフランシスコ・ロサンゼルスに訪問した際には、グーグルが運営するウェイモの無人タクシーが、既に街中を多数走っていました。無人運転もEVであることが前提です。

日本のメディアは「EV化は進まない」「内燃機関主体のハイブリッド車の方が良い」といった論調ですが、本当にそうでしょうか?私はそうは思いません。

歴史的に、本当の社会変革は「単体のソリューション」から「システムのソリューション」の段階になった時、劇的に進むといわれています。

例えば電気です。

電気がエネルギーとして本格的に使用されはじめたのが1880年ころだそうですが、本当の意味で社会変革につながったのは、その40年後の1920年ころです。

なぜなら、初期の工場は蒸気機関を全体の駆動源としており、蒸気機関によって回転するシャフトに工場内の設備をプーリーとベルトでつなぎ、それで設備の駆動源としていました。初期の工場では、この蒸気機関をモーターに代える、という話が論点であったため、どちらのコストが安いか、という話にしかならなかったそうです。

この段階が「単体のソリューション」です。

ところが、だんだんとモーターが一般的になり、大半の設備にモーターが実装されるようになると、前述のような工場全体で回転するシャフトが不要になりました。その上、これら設備にはモーターが実装されているので、シャフトの場所を気にすることなく、工場のどこの場所にでも設備を設置することができる様になりました。

そこでヘンリー・フォードは「流れ作業方式」の工場をつくることができ、その結果、自動車の生産コストが劇的に下がることになります。

この段階が「システムのソリューション」なのです。

これをEVに適用すると、現在の「内燃機関の車をEVに代える」「その結果、排気ガスがでなくなる」「ガソリン代よりも電気代の方が安い」といったレベルの話は、前述の「単体のソリューション」にあたります。

しかし、「EVにした結果、自動運転ができる様になった」「EVにした結果、劇的に安いコストで地下交通を構築できる様になった」というレベルになると、これは「システムのソリューション」です。

未来のことは誰もわかりませんが、前述の様な歴史の教訓に加え、実際に米国ではこの様なEVの社会実装が始まっていることは、日本にいながらも知っておくべきことだと思います。

 

2025年1月、日本の現在の市況は?

さて、それでは日本国内の今の市況はどうでしょうか?

この年末年始は、業界の中でも驚きのニュースが流れました。例えば、ニデックが、牧野フライス製作所にTOBを仕掛けました。

工作機械業界は全般的に堅調ですが、その中でもニデックだけが突出して勢いがあります。

またローカルな話にはなりますが、京都エリアで有力な販売店であったKamogawaHD(旧 カモガワ)が、Cominix(旧 大阪工機)に買収されました。

工作機械メーカーだけでなく、販売店の業界も、今後大きな業界再編が起きるかもしれません。

年始の挨拶で様々な情報を得ていますが、現在の傾向として、

・全般的に市況は悪い(=どこもイマイチ)
・その中で、業界で突出した勝ち組だけが勢いがある

という状態かと思います。

その中で、前述の「突出した勝ち組」だけが仕事を抱えている状態。そして、その仕事を抱えている優良な取引先と取引している会社のみが調子が良い、といった感じではないでしょうか。

 

今、中小企業の経営者が取り組むべきこと

こうした中、特に取引先の業績によって、自社の業績が大きく左右される中小企業の社長は何に取り組むべきでしょうか?

それは下記、「業績向上の方程式」の中で、自社がどの要素に注力するべきかを、まず決めることです。

「業績向上の方程式」は次の式で表されます。

売上 = 案件数 × 受注率 × 平均単価

ここで、「案件数」を増やすために必要なことは、デジタル・マーケティングの導入やMA(マーケティング・オートメーション)の導入です。

次に「受注率」ですが、受注率とは提出した見積書(=案件)のうち、受注に至った数のことです。

例えば10件の見積書を提出して3件が受注したとすれば、受注率は30%ということになります。

「受注率」を上げるためにはSFAあるいはCRMの導入が必須です。

そして「平均単価」は自社の値上げ戦略、あるいは高単価商品の付加戦略ということになります。

これら3つの要素のうち、
・いかに「案件数」を増やすか?:MAの導入
・いかに「受注率」を上げるか?:SFA・CRMの導入
をテーマとして、私たち船井総合研究所では、来る2025年2月28日(金曜日)に「CRMカンパニー経営サミット2025」の開催を決定いたしました。

CRMカンパニー経営サミット2025

 

↓↓↓CRMカンパニー経営サミット2025の詳細はこちら!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/122888

ぜひ、2025年の自社の戦略を考える上でも、本セミナーへのご参加を検討いただければと思います。

 

<このような方におススメのセミナーです!>

・MA・SFA・CRMいずれか導入により、短期間で業績を向上させたいと考えている経営者の方
・データ活用、あるいは生成AI活用により、自社の業績を向上させたいと考えている経営者の方
・DXに取組みたいと思っているが、何から手を付けたらいいのか迷っている経営者の方
・同じ中小企業で、DXに取り組んで成功している実際の社長の話を聞いてみたいと考えている経営者の方
・これから本格化する不況の前に、有効な打ち手を考えたい経営者の方

【セミナー概要】

◆日程 :2025/2/28 (金)
◆時間:12:30~16:30
◆会場:船井総合研究所 東京本社(八重洲)
〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲

↓↓↓お申込みはこちらから
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/122888

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