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2024年7月の時流とその対策(2):取組み2年半で15億円の商談を創出・約1億円の新規受注の営業DX

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創業大正9年の東証プライム上場企業が取組んだ営業DX

 

長野県・駒ヶ根市に本社工場をおく、株式会社ヤマウラ様は大正9年1月創業の老舗企業であり、東証プライムに上場する優良企業です。

主に総合建設業を手掛けると同時に、エンジニアリング事業も手掛けており、エンジニアリング事業では「鋼構造物」「大型精密製缶」といった大型部品加工をはじめ、「水処理機器」「小水力発電」「制御システム」といった社会インフラを手掛けています。

この様な地域の優良企業であるヤマウラ様にも1つ悩みがありました。

それは同社のエンジニアリング事業の特性として、
・官公庁・電力のエンドユーザーが多く
・既存顧客からのリピート受注が大半であったため、
・売上の大半が下半期に集中する、
という問題です。

同事業部がより安定的な経営をするためには、下半期に集中する売上を上半期にも同様に確保したい、つまり上期の操業度を高める新たな受注(=新たな顧客)を確保することが課題だったのです。

そこで同事業部では2021年5月から、新規顧客開拓に向けて新たな営業活動をスタートします。

それがソリューションサイト「大型製缶加工・装置受託センター.COM」と「インフラ技術ナビ」という、2つの新たなWebサイトを中心とした、営業DXです。

 

営業DXは守りの営業ではなく「攻め」の営業

同社の代表取締役社長 山浦 正貴氏は「営業DXは守りの営業ではなく、攻めの営業だ」と力説されます。

例えば、近代の戦略・戦術において、相手の陣地にいきなり兵士を送り込むということはしません。

まず、偵察機や偵察衛星で相手の陣地を把握した上で、巡行ミサイルや航空機による攻撃、艦砲射撃等で橋頭保を確保した上で、満を持して兵士を上陸させる。同じ戦略・戦術が営業活動に必要である、と。

同社が手掛けるような社会インフラの事業は、従来の常識でいくと、デジタルや営業DXといったやり方が通じない、「人脈営業」ありきの営業のようにみえます。

しかし、同社では同社が行う ものづくり と同様に、「先進の技術を駆使して」新しい姿の営業活動を行うことを決断します。

その後、同社では新たに「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」も新設。

この3サイト合計で

・毎年10万件のアクセス、そして200件の引合いを獲得することに成功。

・取組み2年半で15億円の商談を創出し、約1億円の新規受注

という成果に結びつけることができました。

 

DXを成功させるための鉄則「エンド・ツー・エンド」とは?

さて、同社が取組んだ「営業DX」のDXとは、“デジタル・トランスフォーメーション”の略語です。

そして“トランスフォーメーション”という言葉は、直訳すると“変容”という意味で、ビジネスの進め方そのものを根本的に変える、という意味です。

DXを成功させるポイントは、“エンド・ツー・エンド”といわれる原則を守ることです。

“エンド・ツー・エンド”とは直訳すると「隅から隅まで」という意味です。

ここでいう隅から隅まで、というのは、

・顧客接点(デジタル顧客接点)

・営業管理

・販売管理

・会計管理

という一貫した流れのことです。

そして、大半の製造業が前述の「顧客接点」の部分が“人的営業”のみ、というケースが多いのです。

それに対して、キーエンスやロームといった高収益企業は、前述の「顧客接点」をデジタル化して、既存の人的営業とからめて「攻め」の営業DX体制を構築しています。

例えば、キーエンスは「外観検査.com」「安全知識.com」「FAロボット.com」など、なんと50を超えるソリューションサイトを展開しています。

その上で、MA(マーケティング・オートメーション)を導入し、商談を効果的に発生させる仕組みをつくった上で、SFAにより営業管理を行っています。

そして受注したら、営業管理から販売管理にデータがうつり、お金の流れは会計管理により管理されます。

つまりエンド・ツー・エンドでデジタル化がなされており、結果的にDXが実現されていることで高収益を実現することができているのです。

またロームの場合も、元々は人的営業のみの営業会社的な体質の会社だったといいます。

ところが、リーマン・ショックの時に想定を超える打撃を受け、リストラを強いられました。その原因が、「特定顧客依存」であったことから、当時の経営トップの「二度と同じことを繰り返さない」というトップダウンで、営業DXをスタートしたといいます。

現在、ロームでは「Tech Web」「Engineer Social Hub」「エレクトロニクス豆知識」といった様に、“リピート顧客”、“スポット顧客”、“未来顧客(=見込客)”の全てをカバーするソリューションサイトを立上げ、運営しています。

ところが、この様にキーエンスやロームを事例に挙げると、

・ウチの会社はキーエンスやロームみたいにエレクトロニクス業界じゃないから
・ウチの会社は自社商品がないんですよ
・ウチの会社は単価が高い設備なので
・ウチの業界は人じゃないと無理なんですよ

と、いわれることが多いのですが、実際に「社会インフラ」といった何より信用が求められ、かつ、単価も高い業界の中で、ヤマウラ様は先進のテクノロジーを駆使して営業DXを推進され、一定の成果を収めておられるわけです。

そして今回、こうした営業DXに取り組んだ 株式会社ヤマウラ様 を特別ゲスト講師として、下記要領で「製造業DX経営セミナー」を来る8月9日(金曜日)・船井総研東京本社にて開催します。

製造業DX経営セミナー

「製造業DX経営セミナー」の詳細はこちらから!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116631

※ヤマウラ様の講座は、会場でのインタビュー動画による視聴となります。

 

船井総合研究所では、こうした営業DX導入に関して500社を超える導入実績があります。

本セミナーの中では、特に「受託型製造業」など、一般にデジタルが進んでいない業界の中で、大きな成功をおさめたモデル企業の事例を多数ご紹介すると同時に、具体的に自社で取り入れる為にはどうすればよいのか、わかりやすく体系的にお伝えさせていただきます。

ぜひご参加をご検討いただければと思います。

 

<製造業DX経営セミナーの日時>

2024年8月9日(金曜日) 14時30分~17時30分

<会場>

船井総研グループ 東京本社 サステナグローススクエア TOKYO(八重洲)

(〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー35階)

<講座内容>

第1講座:製造業DXの最新潮流

・250社以上の製造業DXを手掛けてきた船井総合研究所からの最新提言

株式会社 船井総合研究所 片山和也

 

第2講座:当社のエンジニアリング事業における営業DX(ハイブリッド営業)の取り組み

株式会社 ヤマウラ 代表取締役社長 山浦 正貴 氏

株式会社 ヤマウラ 執行役員 エンジニアリング事業部 副事業部長 橋場 清人 氏

株式会社 ヤマウラ マネージャー 片桐 竜二 氏

 

第3講座:製造業DX「最新」成功事例

・営業から生産管理まで、ローコード・ノーコードを活用した最新の成功事例をお伝えします

株式会社 船井総合研究所 橋本 吉弘

株式会社 船井総合研究所 奥内 拓海

 

第4講座:本日のまとめ

・全ての製造業が注目すべき、低リスク・低投資で最大限の成果を得られるローコード・ノーコード製造業DX

株式会社 船井総合研究所 片山 和也

 

製造業DX経営セミナー

「製造業DX経営セミナー」の詳細はこちらから!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/116631

※ヤマウラ様の講座は、会場でのインタビュー動画による視聴となります。

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