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業界を揺るがす革命的製造技術:ギガキャストとは?

かねてからEVシフトにより、製造業は大きな影響を受ける、といわれていました。
その理由は、EVになるとエンジンが不要となり、膨大な数の部品が使われていたエンジン分の仕事が無くなってしまうからだ、ということでした。
部品だけではありません。エンジン部品を製造するために必要だった専用機、研削盤、組立装置、他 といった生産設備そのものが不要になってしまいます。
間違いなく、EVシフトが製造業に与える影響は大きいといえます。

ところがさらに、当初予想していなかった様な革命的な製造業技術が、業界に大きな影響を与えようとしています。それが昨今注目されている「ギガキャスト」という技術です。

86部品・33工程を、1部品・1工程に集約!

トヨタも自社のEVに、このギガキャストを導入することを発表しました。
ギガキャストを導入することにより、従来は86部品から構成されていた足回りの構造部品をたった1部品に、33工程を必要としていた工程が、たった1工程に集約されるといいます。

従来、アルミダイカストマシン(=アルミの射出成型機)で大型機といえば、1000トン強のマシンを指していました。ダイカストマシンは射出成型機と同様、型締め力が大きくなればなるほど大型になります。
小型の部品であれば100~200トン、中型で500トン前後、1000トンを超えれば大型といわれます。

ちなみに、これまで国内で最大のアルミダイカストマシンは、UBEマシナリーが製造する4000トン級のアルミダイカストマシンといわれ、国内にも数機程度しか稼働していない、と業界ではいわれています。

ところが今回のギガキャストで必要とされるアルミダイカストマシンは、何と6000トン級以上ものダイカストマシンを使用します。
またギガキャストの技術を開発した米国テスラ社は、9000トンクラスのダイカストマシンも使用しているといいます。9000トンクラスのダイカストマシンは見上げるほどの高さがあり、それこそ25mプールに入るか、入らないか、といったぐらいの大型の装置になります。

このクラスの装置になると、日本では道路幅の問題があり、一般の道路での運搬が大変困難です。
工場自体も、船での運搬が可能な海沿いに工場を建てる必要があるなど、多大な設備投資が必要とされます。

激変が予想される自動車サプライチェーン、十数社の協力会社が1社に集約?

既に、このギガキャストの影響は自動車業界にでてきています。
例えばある東海エリアの中堅機械工具商社は、某ユーザー向けの機械工具の売上が激減しているそうですが、ユーザーに聞くと「従来は80型でつくっていた部品を1型でつくることになりそうなので、工法を全面的に見直している」とのことです。

先ほどの話で、86部品・33工程のパーツが、1部品・1工程になる、ということは、それまではティア1だけでなくティア2,ティア3と、それこそ数十社が関係していた製造の仕事が、わずか1社だけでこなせてしまうことになります。理論上、ティア1だけで仕事がこなせてしまうことになり、ティア2,ティア3までは仕事がでなくなることが容易に想像できます。
もっというとティア1ですら、従来通りの仕事が取れるかどうかわかりません。

日本のカーメーカーは、いまだに「EVはつくればつくるほど赤字」といわれていますが、バッテリーの原価が高いことに加えて、
・国内の従来の協力会社(=サプライチェーン)の維持
・そもそも国内にギガキャストに対応できる様な大型設備が無い
・大型設備を導入しようにも、道路幅など制約条件が多い
といったことが、テスラ等の海外勢に大きな遅れをとっている理由であるといえます。

この様に激変する現在、では関連する中小製造業・機械工具商社に代表される生産財商社としては、今、何に取り組むべきなのでしょうか?

「市場のニーズ」をキャッチできる、“レーダー”が必要な時代に

私たち、船井総合研究所では、その一つの答えとしてこの度、『90日で業績アップを実現する「ローコードDX」』という新著を発売しました。

詳細はこちら!『90日で業績アップを実現する「ローコードDX」』
https://seizougyou-koujoukeiei.funaisoken.co.jp/maker/13060/

前述の「ギガキャスト」もそうですが、私たちは50年に1度ともいえる革命的な様々な技術革新を目の当たりにしています。こうした技術革新にキャッチアップできるか、どうかが、これからの中小企業の経営にも大きな影響を与えるといえます。

例えば第二次世界大戦の時、英米連合軍が、日独同盟に勝った大きな要因として、「戦術兵器ではなく、戦略兵器にリソースを投入した」ことが挙げられています。
これは日本やドイツが「戦艦大和」「ゼロ戦」「タイガー戦車」「メッサーシュミット」といった“戦術兵器”に力を入れ、当初は有利に戦況を進めていたのに対し、英米連合国側は「レーダー」「暗号解読のコンピューター」といった“戦略兵器”に注力した結果、途中から戦況を逆転することに成功し、最終的に勝利をおさめたといわれています。
特に米国ではオペレーションズ・リサーチという学問を総動員し、戦略的投資と戦術的投資の比率を2:1と決め、それをかたくなに守ったといわれています。

では、今、激変の時代を勝ち残るために、製造業や商社・販売店といった業界の中小企業に必要な戦略的投資とは何か?
それは前述の「レーダー」や「暗号解読のコンピューター」に相当する、DXツールです。

具体的には、
・MA(マーケティング・オートメーション)
・SFA(セールス・フォース・オートメーション)
の2つです。

業績向上を実現するためには、次の「業績を向上させる方程式」を満たす必要があります。
「業績を向上させる方程式」とは、

<業績を向上させる方程式>
売上 = 案件数 × 受注率 × 平均単価

ここで、
・案件を増やす(創出する)ツールがMA
であり、
・受注率を高めるツールがSFA
であるといえます。

MAとSFA、どちらから導入するべきかといえば、MAからです。
MAを導入して新規分野からの新たな引き合いを増やした上で、次のステップとしてSFAを導入する、というのが正しい導入手順といえます。

例えば機械工具商社に代表される生産財商社。通常の機械工具商社であれば、営業担当者が既存の顧客に対してルート営業をかける、というのが一般的なビジネスモデルです。
前述の様に、EVシフトによって既存の顧客からの売上が下がってきて、新規開拓の必要性を感じたとしても、新規開拓の方法としては「紹介」あるいは「飛び込み電話アポ」といった、属人的な方法しかありません。
前述の例でいえば、敵の飛行機を目視で観測して対応する状態。あるいは敵の無線を傍受できたとしても、暗号がかかっているから解読ができない状態です。

ところが前述のMAを導入することにより、インターネット経由からの問合せを従来の10倍以上に増やすことができます。今日日、大手企業の開発部門、生産技術部門のエンジニアというのは、新たなニーズに対応できるサプライヤー(=業者)を探すにあたって、まずはインターネットを使用します。
MAを導入することにより、こうしたニーズを確実にキャッチすることができるのです。

実際、神戸市に本社を置く生産財商社 吉岡興業様 は、このMAを導入することにより、新規顧客のニーズを事前にキャッチすることが可能となり、その結果、毎年1億円もの新規開拓での成果をあげることに成功しています(同社の成功事例も、前述の新著「ローコードDX」に取り上げられています)。

ところが、このMAというのは従来、非常に高価なものでした。
MAもピンからキリまでありますが、相応の機能を有しているMAは、だいたい毎月15~20万円の費用がかかります。

ところが、前述の新著「ローコード」を活用することにより、このMAの費用を、わずか毎月3万円までにコストダウンすることができます。
さらにこのMAは、MAだけでなく使っていくうちに日報・行動管理までできる様になります。
また日報・行動管理まで機能をあげる際に、追加の費用がかかるかというゼロ円です。追加の費用はかかりません。さらに入力画面も、自社の営業スタイルに合わせた形に自由にカスタマイズすることができます。

実は「ローコード」の技術は、IT業界における、やはり50年に1度の大きな技術革新といわれています。なぜ大きな技術革新なのかというと、
・従来のパッケージソフトの1/5以下にコストが下がる
・従来のパッケージソフトでは不可能だったカスタマイズが非常に容易になる
・エンジニアだけなくてもソフト開発が可能になる
という点です。

ちなみに、船井総合研究所でも10年ほど前からMAを導入しており、従来は毎月60万円もの費用を、某MAメーカーに支払っていました。
しかし当社でも、前述のローコードにMAを置き換えることによって、毎月60万円もの費用を支払っていたのに対して、現在ではわずか毎月3万円の費用で同じことがこなせる様になっています。

MAが有るのと無いのとでは、前述の通り、
・レーダーが有るか無いか
・暗号解読ができるか否か
と同じくらいの違いがあります。

従来のMAは高価で、大企業しか導入できないものでしたが、現在では前述の通り「ローコード」の技術も相まって、中小企業であっても問題ないレベルで導入することが可能になっています。

そして冒頭に述べた様な、EVシフトやそれに伴うギガキャストなど、技術革新やサプライチェーンの再編を乗り切るためにも、確実に成長企業の顧客ニーズをキャッチできる営業体制の整備があらゆる中小企業の課題であり、そのまず第一歩がMAの導入です。

こうした「問題提起」のために、私たちは前述の新著を発刊すると同時に、
次の様な経営セミナーを企画いたしました。

デジタルが苦手、な、会社の為のDX経営セミナーを開催いたします

来る2023年9月21日(木)13時~16時、船井総合研究所 五反田オフィスにて
リアルでのセミナー開催(MA・SFA即時業績アップ経営セミナー)をいたします。

今回はWeb開催のセミナーではなく、あえてリアル開催のセミナーとさせていただくことにより、皆様ともリアルのコミュニケーションを行いながら、デジタルが苦手な方でもわかりやすく、本セミナーを開催させていただければと思います。

↓↓↓本セミナーの詳細・お申込みはこちら!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103327

本セミナーにご来場いただきたい方は、次の様な方です。

・EVシフト等により取引先環境の激変が予測され、今のうちに手を打っておきたい方
・既存顧客だけへのルートセールスから脱却して、成長分野の新規優良顧客の開拓をしたい方
・MA(マーケティング・オートメーション)の導入を検討している方
・MAを導入しているが、うまく運用できていない方
・SFA(セールス・フォース・オートメーション)の導入を検討している方
・SFAを導入しているが、うまく運用できていない方
・デジタルは苦手だが、DXを営業に取り入れて早期に成果をだしたい方

なお本セミナーには、MAを導入して毎年1億円の新規開拓に成功している、吉岡興業 株式会社 代表取締役 吉岡 洋明 氏 も特別ゲスト講師としてご登壇いただきます。
※セミナーはリアル開催ですが、特別ゲスト講師様の講座は現地での動画での講座となります。

↓↓↓本セミナーの詳細・お申込みはこちら!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/103327

本セミナーには、私も講師として登壇いたします。
ぜひセミナー会場(東京・船井総合研究所 五反田オフィス)にて直接皆様とお会いし、具体的な成功事例を直接、皆様にお伝えさせていただければと思います。

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