なぜ、今、業績を伸ばす会社は「営業の見える化」に熱心に取り組むのか?
今年4月に「成長企業が選ぶ最強のデジタル変革ツールZoho」という書籍を出版して、DXがらみのお問合せを、さらに数多くいただく様になりました。
その中で最も多いお問合せは、「営業活動の見える化をしたい」というニーズです。
なぜ「営業活動の見える化」を行う必要があるのかとういうと、結局のところ“測定(=現状把握)できないことは改善もできない”ということなのだと思います。
例えば家計の支出を減らそうとすると家計簿をつける(=現状把握)ところからがスタートになると思いますが、何事も現状把握ができなければ改善には至りません。
特に営業活動の場合は「売上」あるいは「粗利」という“結果”の把握は比較的容易ですが、そのプロセスを見える化しようとするとSFA(セールス・フォース・オートメーション:営業管理システム)の様なシステムが、どうしても必要になります。
営業活動において“見える化”すべきプロセスは、次の式で表すことができます。
売上 = 案件数 × 受注率 × 平均単価
ここで「売上」というのは“結果”です。この結果を構成する要素の筆頭にくるのが「案件数」ということになります。「案件数」とは、言い換えれば見積書の提出件数と置き換えることもできるでしょう。
ただし、ここで問題になるのが、案件数が多いからといって、それが売上に結び付くとは限らない、ということです。
数字が上がらない(=結果がだせない)営業担当者の共通点とは?
私自身、船井総合研究所に入社する前は、ユアサ商事という大手専門商社で直需営業をやっていたのでよくわかりますが、数字が上がらない営業マンほど、商談への見究めが甘い傾向にあります。
具体的に、例えば「今月受注見通しの商談」のことを「Aランク商談」と呼んだりしますが、はた目から見ても、とてもじゃないけど決まらなさそうな商談を「今月決まります」「A商談です」と営業会議で発表する営業マンがいましたが、こういう商談への見究めが甘い担当者というのは、得てして数字がいきません。
あるいは、明らかに商談ではない案件を、ずっと「C商談」等にあげつづけている営業マンです。こういう担当者も、得てして数字に苦戦するものです。
そこで、大事な要素となるのが「受注率」なのです。
「受注率」とは、提出した見積り件数のうち、成約できた見積り件数の割合をいいます。例えば10件見積りを提出して、うち3件の受注ができたとすると、受注率は30%ということになります。
前述の、見究めの甘い営業マンは、おのずと「受注率」が低くなります。
私はSFAの導入コンサルティングを100社以上手掛けていますが、数字で成果を上げている営業担当者というのは、多くの場合「受注率」が高い営業マンです。
つまり、この「受注率」というのは非常に重要な要素なのです。
ちなみに、この「受注率」を見える化しようとすると、SFAの導入が不可欠になります。
そうすると、ここで「いや、ベテラン営業マンは、自分が持っている商談を隠すから実態がわからないんですよ」といった声もあがったりします。
しかし、SFAを導入していれば、前述の「案件数」も一発でわかります。
従って、仮に“数字はいっていない”けれども、やたら「受注率」が高い営業担当者においては、多くの場合「案件数」が少ないケースが多く、「あなたの場合は、案件数を増やすのが課題だから、もっと新規・深耕開拓をしてください」と、いう話になります。
しかし、もっと大事なことは、SFAを導入して「見える化」することの本当の意義は、前述の「案件数」「受注率」が全社員に「見える化」されることによって、営業担当者自ら案件数を増やす動き、また、受注率を高める動きを行う様になります。
その為にも営業会議で「どの様な情報発信をすれば案件数が増えるのか」「どの様なクロージングをすれば受注率が高まるのか」といったポイントを共有することが大事になります。
多くの人が「数字で見える化」がなされれば、自らの動きを是正するべく自ら行動を取るものなのです。
押さえておくべき心理学の鉄則!社員に成果を上げさせる最重要ポイントとは?
かつて心理学者のレビンは、人間の行動パターンについて下記の様な公式を提唱しました。それは「レビンの法則」ということで、現在でもマネジメント理論の根幹になっています。
<レビンの公式>
B=E・P
Bというのはビヘイビアで、これは直訳すると「人間の行動パターン」ということになります。そしてEはエンバーロメントで「環境」という意味、Pはパーソナリティーで「性格」という意味です。
つまり人間の行動パターンというのは、周りの「環境」と、持って生まれてた「性格」によって決まる、ということなのです。ここで他人が他人の「性格」を変えることはできません。
そこでマネジメントにおいては、いかに「環境」を良くするか、が、求められます。
良い「環境」は、良い「行動パターン」を生み出します。
よく、コンサルティングで“環境整備”といって、会社内外の掃除を推奨するのは、この理論に基づきます。あるいは製造業の現場で5Sや4Sに力を入れるのも、同じことです。
そして前述の「見える化」というのも“環境整備”の1つです。つまりSFAを導入して、「案件数」や「受注率」を見える化して、営業担当者のモチベーションを上げるのも、これも掃除や5Sと同じ様な“環境整備”の1つなのです。
なぜ、多くの会社でSFA導入に失敗してしまうのか?
しかしここで、SFAを導入するにあたって1つの大きなリスクがあります。
それは、SFAを導入したは良いが、営業担当者が使ってくれない、というリスクです。
よくあるパターンとして、SFAを導入したはものの「入力に時間がかかりすぎる」「入力をするのが営業の仕事ではない」「こんなことやって業績上がるんですか?」といった営業担当者の反応です。
レビンの法則と同様に、心理学の公式に「1:1.6:1.6の二乗の法則」というのがあります。
これは、
・無理やり言われてやらされた結果の仕事のアウトプットを1とすると、
・納得して行った結果、行った仕事のアウトプットはその1.6倍、
・さらに自発的に行った仕事のアウトプットは1.6の二乗、つまり2.56倍(約3倍)になる
と、いうものです。
つまりSFAを導入する上でのポイントは、経営トップが選定して「これを使いなさい!」と言うのではなく、SFAの開発プロセスそのものに、実際にそれを使う営業担当者を最初から関与させる、ということなのです。
SFA導入成功のポイントは、「まずはできるところから」「当事者を巻き込んで」!
その点、前述の「Zoho(ゾーホー)」は、SFAの開発プロセスそのものに、最初から営業担当者を関与させることができます。
なぜならZohoはノーコード・ローコード・プラットフォーム(Saasプラットフォーム)といわれる、いわばレゴブロックを組み付ける様に、自社の仕事の進め方に合わせたSFAを簡単に構築することができるから、です。
具体的に、ZohoでSFAを導入しようとする場合、次の3種類の方法から選択することができます。
- 選択肢1:現状、紙やエクセルで使用している営業帳票や日報を、そのままZohoに実装する。
- 選択肢2:業界のベストプラクティスなビジネスプロセスをZohoで再現する。
- 選択肢3:現状使用しているSFAを、Zohoに置き換える。
これに対して、既存の一般的なSFAはパッケージソフトで、既にどの様な画面で何を入力するのか、ということが1から10まで決まっていて、「このSFAに仕事の進め方を合わせてください」という思想です。
神戸市に本社をおく吉岡興業株式会社の場合、Zohoを導入して毎年1億円の新規開拓を実現していますが、同社の場合は前述の「選択肢3」のパターンでした。
SFAは、どうしても使いこんでいくうちに、「ここの画面を変更したい」「こういう入力項目を追加したい」あるいは「基幹系システムと連携させたい」といったニーズがどんどんでてくるものです。
ところが既存のSFAだと、こうしたカスタマイズを行うたびに、多額のコストとリードタイムが必要になります。その点、Zohoだと“その場”でカスタマイズを行うことができますから、営業活動を見える化して成果をあげたい会社にとっては、非常に強力なツールになります。
ZohoによるSFA導入で、毎年1億円の新規開拓に成功している事例!
下記のURLから、いかに、吉岡興業様がZohoを活用して、毎年1億円の新規開拓を実現されているかを、Youtube動画でご覧いただくことができます。
↓↓↓ Zoho導入で毎年1億円の新規開拓を実現!
また同社の場合、経営層だけでなく、営業担当者も会社のDXへの取組みについても肯定的に取り組んでいることがわかります。
下記URLから、同社の営業担当者の活用状況をご覧いただくことができます。
↓↓↓ 営業マンは語る!なぜZohoのSFAはこんなに使いやすいのか?
営業の見える化は会社によって全く進め方が異なります。
前述の吉岡興業様の場合は、「選択肢3:現状使用しているSFAを、Zohoに置き換える。」でしたが、多くのケースは、
選択肢1:現状、紙やエクセルで使用している営業帳票や日報を、そのままZohoに実装する。
と、いうところからです。
平均年齢45歳の会社でも、やり方によってデジタル(=SFA)は使いこなせる!
私の関係先の中には、従業員12名ほどの機械工具商社で、営業担当者の平均年齢は45歳以上、という会社もありますが、そこの会社も従来の紙日報からZohoによるSFAに置き換えて、50歳超えのベテラン営業マンも含めて、皆がZohoを活用しています。
さらに「Zohoになって、入力も大半が選ぶだけで済む様になって、紙より楽になった」というコメントを寄せられているほどです。
この様に、SFA導入に対して営業担当者を肯定的にするポイントは、SFAの導入当初の段階から、営業担当者のキーマンを複数巻き込んだ「プロジェクトチーム」をつくり、そのプロジェクトチームでSFAの導入を進めることです。
これは、人事評価制度の導入においても、同じことです。
さらにZohoであれば、前述の様にノーコード・ローコード・プラットフォームであるため、営業担当者から「ここを、こうしてほしい」と、要望がでれば、その場で画面を改造したりすることができます。
かつZohoは最初から中小企業向けに開発されたこともあり、しかも全世界15万社を超える導入実績が示す通り、高機能かつローコストです。零細・中小企業でも導入可能なDXツールである、ということがZohoの何よりの強みだと思います。
こうした背景もあり、従来は特定ツールを担がない船井総合研究所も、Zohoについては同社のプレミアムパートナーという最高位のパートナーになり、また、日本国内におけるZoho教育事業をゾーホージャパンの認定を受けて展開しています。
これから来年にかけての「先行き不透明な時代」に、経営者が取組んでおくべきこと!
これから来年にかけて、さらに先行き不透明な時代に、経営者が取組まなければならないことは、「人を増やさず利益を増やす仕組み」をつくっていくことではないでしょうか。
その時、冒頭に申し上げた「売上・利益を増やす方程式」である、
売上 = 案件数 × 受注率 × 平均単価
の各項目を上げていく、具体的な取り組みが求められるでしょう。
そこで今回、前述の、営業DXに取組むことによって、毎年1億円の新規開拓を実現している神戸市に本社を置く機械工具商社、吉岡興業株式会社 代表取締役 吉岡 洋明 氏を特別ゲスト講師に、「機械工具商社経営セミナー「毎年1億円の新規開拓の成果」を上げる営業DX戦略」を、企画いたしました。
こちら開催は、お手元のパソコンからご参加いただける、オンライン開催となっております。
日程は来月、11月7日(月)、11月16日(水) 13時~15時30分 となります。
↓↓↓ 機械工具商社セミナーの詳細・お申込みはこちら!!
https://www.funaisoken.co.jp/seminar/092148
もちろん、私、片山和也も上記セミナーに登壇、来年2023年の機械工具商社業界における時流、また最新の成功事例、今力を入れるべき商品戦略や狙うべき顧客ターゲットについて、皆様に最新情報をお伝えしたいと思います。
ぜひ、本セミナーへのお申込みをご検討いただければと思います。
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