不確実な時代をどう生き残るのか?
日本では感染者数の減少が伝えられているコロナ禍ですが、世界レベルではサプライチェーンに大きな影響を与え続けています。従来、生産財業界では景気が過熱すると「ボールネジ」「LMガイド」の納期が伸び、調達が困難になることはある種の定番でした。しかし今回は異なります。
「ボールネジ」や「LMガイド」だけではなく、「PLC」「モーター」「インバーター」に加え、「リレー」や「スイッチ」にいたるまで、あらゆる要素部品が手に入らなくなってきています。
先日、私のある関係先のプレス加工会社では、月産数十万個、売上にして数千万円の仕事が突如としてキャンセルになりました。その仕事は次世代自動車関連の車載部品の仕事でしたが、他の部品の調達がままならない為に親会社から仕事のキャンセルが入ったのです。
また、先日経営相談を行ったセットメーカーでは、毎年5~6億円以上の仕事をだしてくれていた大手ティア1の自動車部品メーカーの仕事が、今年は1億円いくかいかないか、という状態だといいます。その大手ティア1ではグループ内の再編に加え、前述のサプライチェーン危機で部品調達に支障をきたしており、あらゆる設備投資を全面的に見直しているそうです。
基本的に、製造業にとっては現在の様な「モノ不足」の状態というのは業績面では追い風になるはずです。逆に、在庫がダブついている様な「モノ余り」の状態は経営の危機に直結します。
つまり、中長期的には製造業にとっては追い風となる要素は多々あります。例えば内燃機関の自動車がEV化されることによって部品点数は減りますが、逆にCASEやMaasによってマーケットの裾野が広がりますから市場規模は2倍以上に広がるとされています。
“プレーヤーが減る”のではなく、”プレーヤーが変わる”のです。中長期的にはこうした波に乗ることが重要です。
短期的には「先行き不透明」から、設備投資を控えるケースが増えています。今、設備投資をバンバン行っているのは、どちらかというと補助金の恩恵を受けている中小企業です。
つまり、かつてなく「特定顧客・特定業界」に依存しない収益構造を実現すると同時に、
- 半導体・5G
- CASE
- 脱炭素関連マーケット
- 自動化・省力化
- 中食・巣ごもりマーケット
といった、今伸びている・これから確実に伸びる成長市場からの引合いが入る仕組みをつくりあげておくことが急務であるといえます。
営業DXを導入して躍進する測定工具メーカーの事例
では、どの様な仕組みをつくれば成長市場からの引合いがドンドン入ってくるのでしょうか?
例えば新潟県三条市に本社を置く、総合測定工具メーカーの新潟精機株式会社(従業員250名)。
同社は創業が昭和35年。創業当初は高度経済成長の時代。
この時代の勝ちパーンの流通は、
メーカー
↓
卸商社
↓
地域卸・または販売店
↓
販売店
↓
ユーザー
という、流通ルートにのせることでした。特に生産財業界の場合、勝ち組のメーカーは皆、この流通構造の中で大成功を遂げてきました。新潟精機様も同様です。
しかし高度経済成長の様な右肩上がりの時代、あるいはその余韻が続いた時代であればこの流通構造で良かったわけですが、平成の時代に入るとこのモデルは徐々に苦戦する様になりました。
そしてさらに令和の時代に入り、コロナ禍で「グレート・リセット」がかかると、このモデルは一気に機能しなくなります。
まず、高度に専門化が進んだ現在、エンドユーザーは販売店の営業マンに情報を求めたりしません。
今やBtoBのバイヤーも、情報収集先の第1位はネット検索です。欲しい情報はネットで検索して、どこから何を買うか決めた上で、出入りの販売店に声がかかります。
従って今の時代は
・商流
だけを考えていてはダメで、
・情報流
を考える必要がある、ということです。
新潟精機様も、商流は従来と何ら変わりません。
<新潟精機様の商流>
メーカー
↓
卸商社
↓
地域卸・または販売店
↓
販売店
↓
ユーザー
ただし「情報流」はDX化を行い、既存の商流とデジタルを中心とした情報流のハイブリッドモデルが同社の特徴といえます。
<新潟精機様の情報流>
メーカー
↓:デジタル情報
ユーザー
↓:認知・引合い
販売店
↓
卸商社
↓
メーカー
例えば新潟精機様では、「測定・計測技術」というソリューションサイトを運営しています。
この「測定・計測技術」サイトは、いわばWeb版の総合カタログです。
やはりお客様の中には「新潟精機といえばピンゲージ」と、思いこんでおられる方もいます。しかし実際にはノギス・マイクロメーター・ハイトゲージをはじめ、電気マイクロメーターや精密角度計、硬度測定器など多数のラインナップを取り揃えていて、それが必ずしもエンドユーザーには伝わっていません。
そこで、例えば「電気マイクロメーターだと、どんなメーカーがあるのかな?」といった、エンドユーザーの「顕在ニーズ」に対応する形で、この「測定・計測技術」サイトを立ち上げたのです。
やはり、
「電気マイクロメーターのことなら新潟精機」
とインターネットに表示されるよりも、
「電気マイクロメーターの選定のポイントがわかる測定・計測技術」
とインターネットに表示された方がクリックされて閲覧される可能性は高くなります。
さらに、ユーザーのニーズは「顕在ニーズ」だけでなく、「潜在ニーズ」もあります。
「潜在ニーズ」というのは、お客様そのものも気が付いていないニーズです。
例えば、新潟精機様の精密角度計レベルニックという商品を使うと、工作機械や半導体製造装置の組立工数は何と1/3~1/4ほども削減することができます。
繰り返しになりますが、お客はまさか新潟精機のレベルニックを使えば、こんなに組立工数が削減できる、とは考えてもいないわけです。
考えてもいないわけですから、これは「潜在ニーズ」であって、「潜在ニーズ」はネット検索されることはありません。
では、この、「潜在ニーズ」にどの様にアプローチするのか?
「潜在ニーズ」に対する最も効果的な方法は「ウェビナー」の開催です。
新潟精機様では「組立工数削減のための技術セミナー」や「測定工数削減のための技術セミナー」を業界向けに企画。紙DMを送付して前述の「測定・計測技術」サイトに誘導、そこからウェビナー申込者を獲得するという作戦で、何と300名近いエンジニアの集客に成功しました。
コロナ禍で展示会の開催ができない中、かなり有効な営業促進策となりました。もっというと、コロナ禍があけてもウェビナーは展示会と並ぶ集客策の柱として、これから生産財メーカーにとっては必ず必要な営業促進ノウハウになります。
新潟精機様では、この様に「顕在ニーズ」「潜在ニーズ」両方に対して
・リアル(=営業担当者+紙DM・紙カタログ 等)
・デジタル(=ソリューションサイト・マーケティングオートメーション・メルマガ・ウェビナー 他)
を組合わせることで、成熟産業である測定工具事業の業績を大きく伸ばすことに成功しています。
~続きはこちら~
>>コロナ禍・脱炭素だけじゃない!中小製造業が「3倍速の時代」を生き抜くために次世代SFAを活用して業績を伸ばす方法
そして前述の新潟精機様を始め、実際に営業DXを導入して成果を上げている具体的な事例と、その導入のポイントと具体的な手法について、わかりやすくお伝えさせていただく場が、弊社が開催するオンラインセミナーです。
ぜひ、ご参加をご検討いただければと思います。
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