進む二極化の中、今、伸びているビジネスモデルとは?
前回の本レポートでもお伝えした通り、今、あらゆる業界で著しい二極化が進んでいます。
つまり、同じ様な業種・業態であっても、その取り組み方によって業績に著しく差が出るのです。
そうした環境下にあって、業種・業界を問わず伸びているビジネスモデルがあります。
それは「単品ビジネス」です。
「単品ビジネス」は、船井総研のコンサルティング先の多くの業種・業界で成功事例があります。
私が専門とする製造業・商社でも成功事例が多数あります。
製造業・商社の事例をお伝えする前に、
まずはわかりやすく、身の回りの事例をお伝えしたいと思います。
なぜ、年間300万円の売上が、年間1億円に増えたのか?
例えば観光地でよく見られる“プリン”の販売スタンド。
熱海温泉だと「熱海プリン」、道後温泉だと「道後プリン」など、観光地の小さなスタンドに大行列ができている、といった報道を耳にします。
一般的に年商1億円のスイーツ店の場合、全売上に占めるプリンの割合はだいたい年間300万円くらいだそうです。ところが、前述の様な観光立地で5坪のプリン販売スタンドを出店した場合、
なんと年商はプリンだけで1億円を達成する、といいます。
また、そのプリン販売のうち3割くらいは通販サイトによるリピート受注です。
このリピート受注はだんだん積みあがっていきますから、売上も年々増加していくことになります。
何が言いたいのかというと、
スイーツ店の中でみれば売上全体の3%しかないプリンが、そのプリンに単品特化することで売上を30倍以上の伸ばせる、ということなのです。
では、御社にとっての「プリン」は何なのか?そこを考えてみる必要があります。
なぜ、年間500万円の売上が、年間2億円に増えたのか?
また、年商3億円のリフォーム会社の場合、その中に占める給湯器の割合は年間500万円くらいだそうです。
ところが、30坪くらいの「給湯器専門店」をつくると、なんと給湯器関連の売上は年商2億円にもなるそうです。またWebサイト経由での引合いもリフォーム店の20倍になり、効率的な集客を図ることもできる様になります。
さらに年商5億円の住宅会社の場合、年間24棟売れる新築住宅のうち、平屋が占める割合は6棟ほどしかないそうです。
ところが「平屋専門の住宅会社」をつくると、平屋だけで年間36棟ほど売れることになり、売上は1.5倍になります。なぜ「平屋専門の住宅会社」をつくると売上が1.5倍になるかというと、そもそも大手ハウスメーカーは単価が安くなりがちな平屋に手をだすことがなく、平屋のモデルルームも展示場も無い。
平屋のモデルルームも展示場もないところに、「平屋専門の住宅会社」をつくって、平屋専門のモデルルームや展示場をつくれば、平屋を求めるお客様を一手に受けることができます。
今は高齢化がすすみ、二階建てに住みたくない世帯も増えています。しかし平屋を専門にしている会社は少なく、そうした市場のニーズを突いた事業戦略と言えます。
ここでも御社にとって注力すべき、御社にとっての「給湯器」「平屋住宅」は何なのか?ということを
考えていただきたいのです。
製造業における「単品特化」戦略での成功事例
こうした「単品特化」戦略の成功事例は、BtoC向けビジネスの世界だけではありません。
機械加工業や板金加工業においても成功事例が多数あります。
例えば千葉県浦安市にある株式会社カネコ(従業員30名)の場合、冷間鍛造(冷間圧造)部品への旋盤加工という、いわゆる2次加工を専門にしていました。
しかし「冷間鍛造部品への2次加工」というテーマでは、新規顧客の開拓は困難。つまり業績アップへの取組みは困難です。
そこで同社が加工している仕事の中身を精査すると、一見すると様々な鍛造品を加工している様に思っていましたが、実は仕事の7割近くが「特注ネジ」「特注リベット」の仕事であることがわかりました。
そこで同社では、「特殊ネジ・リベット製造.com」というソリューションサイトを立ち上げました。
同サイトは、ただ事例を羅列しているだけでなく、
設計エンジニアを対象としたVA・VE提案等も多数掲載されています。
また同社では「バーチャル工場見学」をコンセプトとしたYoutubeチャンネルを立上げ、わざわざ工場に来なくても工場見学が行える体制をつくり、製品事例や工場の様子、またネジやリベットをテーマとしたコストダウン技術セミナー動画を毎月メールマガジンで配信しています。
メールマガジンはマーケティング・オートメーションで配信しているので、誰がメールマガジンを開封して、その後、どのページをどれくらい閲覧したのかも全て把握が可能です。
また、お問合せに至った人が、お問合せに至る前にどんなページを閲覧していたのかも全て把握ができます。従って、お問合せに至る人がよく閲覧しているページのコンテンツを強化することにより、さらに問合せの数と質を上げる取組みにつなげることができます。
同社ではこうした取組みにより、大手完成車メーカーのティア1クラスの開発部門から直接引合いを獲得して受注。また5G基地局関連の締結部品案件や、従来は取れなかった様な半導体製造装置分野向けのステンレスの真空ネジ案件の引合いを獲得できる様になり、平均すると毎月2社前後の新規取引先を獲得できる様になりました。
その結果、コロナ禍の昨年12月は同業他社の多くが減収となる中、同社は過去最高の売上を記録するに至り、現在もその好調は持続しています。
下記動画から、その詳細をご覧いただくことができます。
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