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半導体不足をどう乗り越える?製造業における成長分野・成長市場とは

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半導体不足・産業構造変革で不透明さを増す市場

新聞を読むと工作機械受注やロボット受注、さらには射出成型機の受注など、華々しい景気の生産財業界ですが、実際の現場は、

・エリア
・取引先
・業種・業界

によって、大きな二極化が進んでいます。

ここ、1~2ヶ月で私が感じる市況は次の通りです。

 

1.動いているのは一部?トヨタグループ関連と半導体関連

要は一握りの業界が爆発的に動いているだけで、全体としてはそれほどでもない、むしろ「半導体不足による自動車減産」「コロナ禍デルタ株による行動の制約」など、減速要因がみられます。
私がみるに、今、活況なのは次の2つの分野です。

1)トヨタグループCASE関連の量産品
2)半導体関連

ただし設備投資関連ビジネスは、前述の「半導体不足」「コロナ禍デルタ株」など、不透明要因により必ずしも全体が活況ではありません。

 

2.PLC不足で来年のゴールデンウィークでも納入できないロボット

とはいえ、巣ごもり需要で沸く中食関連など、従来はパートやアルバイトが行っていた簡単な作業をロボットや製函機・封函機に置き換える、という自動化ニーズは底堅くあります。

ところが某ロボットメーカーでは「PLCが入手できず、来年のゴールデンウィークの工事にも納入が間に合わない」ということだそうです。先日の新聞にも安川電機がインバーターの生産を5割増に増やす、とありましたが、半導体だけでなくLMガイドやPLC、さらにインバーターといったキーパーツが不足することによる影響が今後でそうです。

 

3.九州が忙しい?THKとSMCの実際

最近、セットメーカーの経営者の方から「今は九州が忙しいの?」と質問されることが多いです。
要はTHK、あるいはSMCの九州向け売上が非常に伸びており、業界の営業担当から「九州が忙しいらしい」と、いう話が流れているわけですが、私の目からみると九州全般が忙しい様にもみえません。

実際のところを聞いてみると、九州の熊本県には東京エレクトロンと平田機工のメイン工場があります。
両社ともに活況の半導体・自動化関連銘柄ですが、要はこの2社に対して集中的にTHKやSMCの機器が流れ込んでいるわけなのです。

つまり何が言いたいのかというと、今回の景気は全体が底上げされているわけではなく、本当に特定の会社が爆発的に忙しい、それ以外はそうでもない、そういう状況なのです。

 

 

EVだけではない!技術革新に伴い劇的に変わる工法

また昨今騒がれている、EV化による内燃機関サプライチェーンの変革だけでなく、技術革新により従来の工法が劇的に変わる、言い換えれば「従来の仕事が無くなる」というリスクが様々なところで顕在化してきています。

例えば半導体や電子部品の検査に使用する、コンタクトプローブ。

コンタクトプローブとは、微細な丸穴に微細なシャフトを刺して“剣山”の様にした半導体や電子部品のテスターのことです。前述の通り、コンタクトプローブの“剣山”の断面形状は“丸”でした。

ところが昨今、半導体や電子部品の微細化が進む中、断面形状を“丸”から“四角”に変えていく動きがあります。同じサイズであったとしても、断面形状が丸よりも四角の方が断面積を稼ぐことができ、より精度の高い検査・測定が行えるからです。

しかし、剣山の断面を“丸”から“四角”に変更するためには、

・丸穴ではなく、角穴をあける
・丸棒ではなく、角棒をつくる

技術が必要で、ミクロン台のオーダーで角の加工を行うことが困難だったので従来は丸だったわけです。

ところが現在では特にヨーロッパの技術革新により、角穴はフェムト秒レーザーという技術で、また角棒は精密エッチング技術によって量産が可能になっているといいます。

 

この様にEVの分野だけでなく、様々な分野で急速な技術革新が進んでいます。
従って技術トレンドをしっかりと押さえておかなければ、「忙しいはずの半導体業界の仕事をしているのに、なぜか自社には仕事がこない」という状況になりかねないのです。

これから確実に伸びる、あるいは今忙しい「成長分野5大市場」は次の通りです。

1) CASE・次世代市場マーケット
2)半導体・5Gマーケット
3)自動化・省人化マーケット
4)脱炭素マーケット
5)中食・巣ごもりマーケット

ただし繰り返しになりますが、こうした成長市場の中でも技術的なトレンドがあり、そうしたトレンドをリアルタイムでつかめる“仕組み”がこれからの時代は求められます。

あるいは数ある仕事の中からも、上記「成長分野5大市場」からの仕事を少しでも増やしていく経営努力が求められます。

 

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