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【製造業×DX】激動の時代を生き抜くために経営者が行うべき対策とは?

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歴史は繰り返す?

歴史は繰り返す、という言葉がありますが、
西洋占星術の世界では昨年2020年12月20日から、世界は従来の「土の時代」から「風の時代」に移ったといいます。

なんでも220~240年サイクルで

・火の時代
・土の時代
・風の時代
・水の時代

を繰り返すのだそうです。
ちなみに東洋では陰陽五行といって、この4つの要素に「木」が加わって5つのサイクルで考えるのだそうです。

 

では、どの様に世の中が変わったかというと、
従来の「土の時代」は経済・組織・資産・学歴・ブランドが支配するのだそうですが、
これからの「風の時代」は情報・オリジナリティ・センス・波長が主軸になる、といいます。

 

さて、このサイクルをもう少し詳しく見ると、前述の「歴史は繰り返す」という現象が見えてきます。

先ほどの話を年表になおすと、

風の時代 1180年~1346年 鎌倉時代

水の時代 1346年~1583年

火の時代 1583年~1802年

土の時代 1802年~2020年

風の時代 2020年~

と、なるわけですが、つまり前回の「風の時代」は平安時代末期から鎌倉時代にスタートしたわけですが、
この鎌倉時代に起きたことは、おどろくほど現在の状況に酷似しています。

 

まず「疫病」です。

鎌倉時代は、とにかく疫病に悩まされた時代です。

鎌倉時代は141年間続きましたが、その間実に48回も元号が変わっています。
昔は疫病や飢饉、自然災害など縁起の悪いことが起きると元号を変えていました。

つまり3年に1度は元号を変えるほど、特に疫病がこの時代は流行っていました。

言うまでもなく、コロナで悩まされている現在もまさに同じです。

 

次に「元寇」です。

鎌倉時代、二度にわたり元(中国)が日本を攻めてきました。

奇しくも現在、中国の台湾進攻が現実の選択肢として米国議会では真剣に対策が議論されています。
今回の英国G7サミットでも異例の対中国への警告ともとれる宣言が盛り込まれています。

現在、台湾のTSMCが日本や米国に工場及び研究開発拠点を急につくっていますが、
これはもっぱら安全保障の面を勘案しての同社の判断といわれてます。

ちなみに台湾に米軍の基地はありません。最寄りの米軍基地は沖縄です。台湾有事の際には否応なく日本も巻き込まれることは確実です。

 

さらに「徳政令」。

鎌倉幕府は複数回にわたり徳政令をだし、借金を棒引きにして御家人を守りました。

現在も各国はコロナによる財政出動で、
第二次世界大戦の時を上回るレベルで国も地方自治体もいわば借金を抱えています。

GDPの2倍以上の借金を抱える日本はもとより、米国もこの2年で通貨供給量を3倍に増やした、
つまりそれだけ国債を発行した、ということになるわけですが、果たして通常の方法でこの負債を処理することができるのか?

経営者としてはあらゆる事態を想定しておくべきでしょう。

 

さらに、鎌倉時代を研究すると現在へのヒントも見つかります。

例えば平安時代。この時代の仏教は華厳宗や真言宗に代表される様に、
どちらかといえば「哲学」であり、一般大衆にはわかりにくいものでした。

ところが鎌倉時代になると「南無阿弥陀仏と唱えれば誰もが救われる」など、わかりやすい宗派が多く生まれています。
歴史で習った法然や親鸞、日蓮もこの時代の人物ですし、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗はこの時代に生まれています。

今の時代も、この「わかりやすさ」というキーワードは重要かもしれません。

 

今、経営者がするべきこととは?

さて、今まで述べてきたことは一種の比喩ですが、
かつての鎌倉時代同様にこれから先行き不透明な激動の時代になることは間違いがありません。

この激動の時代を乗り切るための原理原則は次の3つです。

 

特定顧客・特定業界に依存しない

特定顧客、あるいは特定業界への依存度は高くても30%まで。
できれば15%未満になる様にする、というのが原理原則です。

特に製造業の場合、特定顧客あるいは特定業界を相手にした方が仕事は進めやすいですし売上は伸ばしやすいのですが、
危機管理の観点からいえば、それはリスクでしかありません。

 

社長の仕事とは「儲かる仕事を取ってくる」こと

年輪経営、理念経営のモデル企業として有名なのが長野県の伊那食品工業という会社です。

同社の社是は「いい会社をつくりましょう」です。
同社のメイン商品は寒天ですが、寒天は昆布を原料としていることから、もともとは昆布の市況に左右される不安定な商品でした。

そこで同社は同業他社に先駆けて海外から昆布を輸入、原料を安定調達することにより、
業務用寒天の分野ではシェア7割という圧倒的な強みをもっています。

同社がこうした仕組みづくりに着手したのは昭和48年頃の話だそうですが、何が言いたいのかというと、
理念経営で有名な同社にしても、まずは「儲かる仕事を取ってくる」ことを実践されていることを注目するべきです。

 

デフレ対策を行う

今のデフレは100年続く、といわれています。

デフレとはモノの価値が下がることで、放っておくと価格競争に陥ります。
一般に、デフレ対策としては次の3つがあります。

①研究開発
②顧客代行を行う
③モノを売るのではなくストーリーを売る

 

昨今、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が流行っていますが、
DXと従来のIT化(デジタルシフト)とは全く主旨が異なります。

従来のIT化あるいはデジタルシフトというのは、
従来ある業務をそのままITに置き換え、生産性を向上させるという取組みになります。

これに対してDXは、

デジタルの活用でビジネスプロセスそのものを見直すことでCX(=顧客体験)を向上させ、業績を上げる取組み

を意味しています。

すなわちDXという取組みの中に、上記デフレ対策の②③が内包されていることがわかります。
ですから、DXに取組み成功した会社は業績を大きく向上させているのです。

 

展示会効果の10倍!引合4倍を実現したハードロック工業様のDXへの取組み

例えば「絶対に緩まないネジ」で知られる東大阪市に本社工場をおくハードロック工業様も、
コロナ禍をきっかけとして営業DXに取組み、大きな成果をあげられました。

 

それまで同社は年間7~8本の展示会に出展して名刺を獲得、見込客集めを行っていましたが、
一連のコロナ禍の結果、展示会による営業活動ができなくなってしまいました。

さらに同社の「絶対に緩まないネジ」は新幹線など鉄道関係が主力柱であり、
コロナ禍によって人の移動が制限されたことで、この鉄道関係の需要は激減しました。

そこで同社では、すぐに営業DXを導入することを決断。

まず同社では従来の会社案内サイトに加えて、ソリューションサイト「ねじ締結技術ナビ」を立上げました。

 

現在、同サイトは毎月7000件以上のアクセスを集めるようになっています。

会社案内サイトには「ハードロック工業」のことを知っている人がアクセスしてきますが、
この「ねじ締結技術ナビ」にアクセスしてくる人はハードロック工業のことを知らない人たちです。

 

もっというとネジ締結について技術課題を抱えたエンジニアは、まずはインターネットで様々なことを調べるわけで、
この「ねじ締結技術ナビ」はそうしたエンジニアが知りたいネジ締結に関する技術情報が掲載されています。
そういう意味において、同サイトは「顧客代行」の機能を有しているのです。

 

同社の若林社長は以下のように語ります。

「展示会に出展して集められる名刺の数は多くて700枚くらい」
「そう考えるとソリューションサイトはその10倍の効果がある」

 

また同サイトを立ち上げてから、同社のCADデータダウンロード数は従来の4倍以上に増えました。

いわば見込み客の数、言い換えれば引合が4倍に増えたのと同じです。

新規のダウンロードも増えていますが、興味深いのは既存のお客様からのダウンロードです。
例えば従来はM8のネジをつかっていると認識していた既存客が、なぜかM20とかのデータをダウンロードしたとします。

同社は次世代SFAを導入しているため、こうした情報は逐次営業にも伝達されます。

従来はM8しか購入していなかったお客が、M20のデータをダウンロードしたということは、
新しい開発ニーズがある、ということで「何か新しいテーマがあるのでしょうか?」と、営業担当者がフォローする様にしています。

これはDX前ではできなかった営業スタイルです。

 

また同社では技術情報を掲載したメールマガジンを定期的に配信していますが、
誰がどのメールマガジンを開封して、どんな技術資料をダウンロードしたかは全てスコア化され、
あるスコアを超えたら営業担当者にフォローを促す通知が行く仕組みになっています。
これも次世代SFAの機能です。

 

もちろん、どの業界からどんな商談が発生しているのか、その進捗がどうなっているのかといった、
今までは属人で見える化されていなかった営業プロセスも見える化される様になりました。

 

特筆すべきは、同社の動きの速さです。

コロナ禍が本格化しはじめた昨年4月の時点で営業DXの導入を決断し、
昨年秋には「ねじ締結技術ナビ」を立上げ。今年1月には次世代SFAを稼働させました。

その結果、今年の3月頃には
「今まで動きがなかったロボット向け、工作機械向け緩み止めネジのCADデータが多数ダウンロードされている」
という多数の予兆を掴むことができ、次世代SFAは同社の営業活動に大きな貢献をしています。

 

繰り返しになりますが、DXの導入とは前述の「デフレ対策」であり、次世代SFAの導入はDX導入の1つの形です。
製造業、商社問わず、またメーカー、受託型製造業問わず、中小企業におきましてもDXによる業績向上の事例が多数でてきております。

最後に、こちらの動画では本記事で取り上げたハードロック工業の代表・若林様との対談を行っております。
ぜひご視聴ください。

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