営業DXを導入する上で押さえておくべき「営業ファネル」
前回のレポートでお伝えした、業績を上げるための営業DXを導入する上で押さえておかなければならない概念が「営業ファネル」という概念です。
この「営業ファネル」は世界標準の営業DXを行う上での考え方です。
「営業ファネル」の概念を以下に示します。
“ファネル”というのは日本語に訳すと“じょうご”という意味です。漏斗(じょうご)の上から入った水はだんだん下に落ちてきます。同様に上から入ってきた引き合いが、下にいくにつれて具体的に案件化してく、というのが営業ファネルの概念です。
営業ファネルはまず、展示会やWebサイト等で顧客リストを手に入れるところからスタートします。
ここで手に入れた顧客リストのことを「ハウスリスト」といいます。そして「ハウスリスト」に対してマーケティング・オートメーションを活用してメールマガジンを送付します。
ここではメールマガジンの開封率を20~30%でみていますが、マーケティング・オートメーションでメールマガジンを送付することによって、
・誰がメールマガジンを何回開封したのか?
・開封した後に、メールマガジン文面のどのURLをクリックしたのか?
・さらに自社ホームページのどのページをいつ、どれくらい閲覧したのか
が、手に取る様にわかります。
この時、具体的に案件を検討している見込み客というのは次の様な動きを取ります。
1)問合せをしてくる
2)資料ダウンロードを行う
3)具体的な事例ページを複数ページ閲覧する
4)会社概要のページや、仕事の進め方に関するページを閲覧する
と、いった動きです。
こうした動きをとった見込み客のことを「MQL」といいます。
MQLとは、マーケティング・クオリファード・リードの略であり、直訳すると「マーケティング部門が認めたリード」という意味です。
この「MQL」が明確になったら、営業部門はMQLを営業担当者に渡します。
その時に営業担当者が「あっ、これは確かにフォローすべき案件ですね!」と、案件として認知してくれるとMQLはSQLに代わります。
SQLとは、セールス・クオリファード・リードの略であり、直訳すると「営業部門が認めたリード」という意味です。
ちなみに製造業のマーケティングにおける課題は、このMQLがなかなかSQLに転換されない、ということです。マーケティング部門がMQLを営業担当者に渡しても、
「このお客は昔に訪問したことがあるけど、具体的な話にならなかった」
「このお客はキーマンじゃないからフォローしてもムダです」
さらには、
「今の仕事で手一杯だから、新しいフォローなんて無理です」
と、いった話になりがちで、MQLがなかなかSQLに転換されないのです。
実際、上図「営業ファネル」ではMQLからSQLへの転換率の目安を30%でしかみていません。
そして、MQLがSQLに代わり、営業担当者が「見積書」を提出するとSQLは「商談」になります。
ここでいうと商談の定義とは次のBANTが明確なものを商談と定義します。
BANTとは、
B:バジェット 予算
A:オーソリティー その人がキーマンなのかどうか
N:ニードペイオフ 動機/なぜそれが必要なのか、という理由
T:タイムド 納期
という4つの要素です。
一般に商談管理システムのことをSFA(セールス・フォース・オートメーション)といいますが、SFAの管理画面にBANTに対応した入力項目をつくることにより、商談管理の精度を上げることができます。
そして受注に至ったらCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)に購買履歴として管理される、という一連の流れを示したものが営業ファネルなのです。
営業DXはツール選びで決まる!という真実
あらためて前述の「営業ファネル」を見ていただきたいのですが、この流れをデジタルツールに置き換えると、上から、
・MA:マーケティング・オートメーション
↓
・SFA:セールス・フォース・オートメーション
↓
・CRM:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント
と、いう流れになっていることがわかります。
ここで、営業DXを実現する上での理想は、これらMA~SFA~CRMに一貫して対応できるツールを選定することです。
この「MA~SFA~CRM」まで一貫した流れで対応できるソフトウェアのことそSaas(=ソフトウェア・アズ・ア・サービス)といい、その代表的なツールが次の2つとなります。
1)セールスフォース・ドットコム
2)ZOHO(ゾーホー)
いずれも米国製です。
それに対して国産のサービスは、MAはMAだけ、あるいはSFAはSFAだけ、と、分断された「パッケージソフト」しかありません。なぜ国産では分断されたパッケージソフトしか存在しないのかというと、前述のSaasを開発するには膨大な投資が必要だからです。
ソフトウェア開発というのは、その対象となる言語圏の規模で決まります。
英語圏の人口は20億人。中国語圏の人口は15億人。
これに対して日本語圏は1億2000万人しかいません。
例えば日本で最も導入されているSFAで6000件ほどの実績ですが、
・セールスフォース・ドットコムが全世界で10万社
・ZOHOが全世界で15万社
と、世界レベルのSaasと比較すると、その足元にも及びません。
昔、ワープロソフトで一太郎というソフトがありました。
マイクロソフトのワードよりも日本語変換に強い、なぜなら日本製だから、ということが売りでしたが、現在では一太郎をつかっている人はほとんどいません。
また、昔、ミクシィというSNSが流行った時期がありましたが、現在はフェイスブックにほとんどの人が乗り換えています。ミクシィのゲームをしている人はいるかもしれませんが、SNSをやっている人は少なくとも私の周りにはいません。こうした話も全て言語圏に関わる話です。
セールスフォース・ドットコムとZOHOの違いとは?
世界で初めて、この「MA~SFA~CRM」が一貫対応できるSaasを開発したのが、アメリカのセールスフォース・ドットコムという会社です。
船井総合研究所のグレートカンパニー視察セミナーでも、過去3回、アメリカのセールスフォース・ドットコム社には訪問したことがあります。
同社は近年驚異的な成長を遂げており、同社の時価総額は今やトヨタ自動車を抜いています。
またセールスフォース・ドットコムの日本法人は現在約1500名ですが、これから3年間でさらに1500名を採用する、という勢いで成長しています。
そして、このセールスフォース・ドットコムとほぼ同じ機能を有するSaasがZOHO(ゾーホー)という会社です。ZOHOはもともとアメリカで誕生した会社ですが、現在ではインドに本社を移しています。米国にもテキサス州に広大な敷地の研究開発拠点を有しています。
ZOHOとセールスフォース・ドットコムの違いは下記の通りです。
・セールスフォース・ドットコムは元々大企業向けに開発されている。
特にグローバルで1万人を超える様な大企業が主なターゲットである。
・それに対してZOHOは初めから中小企業(従業員数でいくと500名以下)をターゲットに開発されている。
従ってコストもセールスフォース・ドットコムと比較すると1/4~1/20と極めて安い。
・ただしセールスフォース・ドットコムは自社で「提案」「導入支援」が行える体制をつくっている。
それに対してZOHOはローコスト開発に特化しており、「提案」「導入支援」は、
例えば外部コンサルティング会社などに一任している。
こうした違いがあります。
いずれにせよこの様に、営業DXを進めるためには「営業ファネル」に代表される様なセオリーをきちんと押さえた上で、前述の本当の意味で営業DXを実現できるSaasの様なデジタルツールの導入を検討するべきです。
また、実際にはMAあるいはSFAについて、既に別システムを導入しているけど見直しを検討している、といったケースも多々あると思います。
あるいはMAもSFAも全く導入していない、というパターンもあるかと思います。
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