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バブルが加速する?米国の200兆円経済対策

 

かねてから申し上げている通り、今年1月くらいから製造業の市況は追い風です。同時に株式市況も一般市況もバブルであるといえます。

 

先日、ある地方の成形加工の会社に伺う機会がありましたが、2年ほど前は仕事がなく金融機関に支援を依頼するレベルであったのが、昨年年末くらいから24時間フル操業といっても過言ではないほどの活況。累積赤字も解消して業績は絶好調。ところが材料が値上がりして、さらに原料調達が思うようにできなくなる、そういうレベルで忙しくなっている。株式だけでなく鋼も特殊鋼も非鉄も、さらには原油も値上がりしています。

 

これは度重なる金融緩和により、大幅に増えたマネーが株式市場に流れ込み、さらに材料相場にも流れ込んで値上がりを促すという根本的にバブルの状態だと私は思います。

 

さらに先月末には米国議会がコロナ対策で200兆円の経済対策を決定しました。この経済対策は明らかに“過剰”な経済対策とされています。コロナで影響を受けた経済は実際には130兆円くらいだそうで、そこに70兆円近い余剰なマネーをのせた経済対策だからです。この民主党主導の経済対策に対して、共和党サイドは「Too Big(=財政出動は過大)」と言っているそうです。それに対してバイデン大統領ら民主党サイドは「Go Big(=経済対策は大胆に)」と言っているそうで、要はさらなるバブルが発生しかねないことを念頭においておく必要があります。つまり現在の活況は実は自社の本当の実力ではない可能性もある、ということです。

 

 

中国の新兵器が崩した、従来の軍事バランスと安全保障

 

かたや安全保障の面ではキナ臭い話も増えています。

あまり報道されていませんが、従来の軍事バランスを中国が崩す動きをかけているからです。

 

冷戦から今日に至るまで、世界の2大国といえば米国とロシア(旧ソ連)。米国とロシアは「相互確証破壊」という軍事バランスを保ってきました。相互確証破壊とは、万が一どちらかの国が先に核攻撃をかけた場合、確実に同様に核によって反撃される体制をとられているため、どちらも核の先制攻撃をかけることがない、という概念です。どちらか片方がミサイルを発射したら、それを探知した相手側も報復でミサイルを発射する。それがわかっているからどちらも先制攻撃をかけない、ということです。

 

核ミサイルには大きく2種類があります。

 

1つは1万kmを超える様な長距離のターゲットを狙う大陸間弾道ミサイル。通称ICBMです。

 

2つ目は4000~5000kmくらいの中距離のターゲットを狙う中距離核ミサイルです。

 

そしてICBMに対してはSTARTという条約により、米国もロシアも保有数をこれ以上増やさないことが条約で締結されています。

また中距離核ミサイルについてはINF全廃条約により、原則米国もロシアも新たな開発をストップしていたわけです。

 

ミサイルにはもう1つ、「巡行ミサイル」といわれる種類のものがあります。通常のミサイルは弾道を描いて飛びますから、遠くに飛ばせる代わりにレーダーなどで捕捉されやすく、発射を探知されたり迎撃されたりしやすくなります。ところが「巡行ミサイル」というのは地上10~20mくらいの低空を飛行機と同じ様に任意の軌道で飛行する為、地上レーダーでの捕捉が難しく、哨戒機といった特殊な設備をつかわないと補足ができないといわれています。ただし巡行ミサイルは飛行速度がマッハ1~2と比較的低速であるため、補足さえできればイージスシステムにより迎撃を行うことができるそうです。

 

これに対して、現在、中国とロシアが配備を進めている「極超音速ミサイル」というのは、巡行ミサイルと同様に低空を任意の軌道で飛行する為に補足が難しく、かつマッハ10~20といった“極超音速”で飛行する為、現在のイージスシステムでは迎撃が不可能とされるミサイルです。

 

そもそもIMF全廃条約で、こうした兵器の開発は禁止されていたので米国はほぼ保有しておらず、中国はIMF全廃条約を批准していないために独自開発、ロシアは秘密裏に開発を進めていたといわれています。

 

中国とロシアが保有する極超音速ミサイルには核兵器が搭載可能とされ、この新兵器により従来の軍事バランスは既に崩れかけている、といえます。

 

例えば米軍が誇る原子力空母。原子力空母は通常、イージス艦というイージスシステムを有する軍艦2隻とセットで空母打撃群を編成するそうです。イージス艦の役割は、空母を狙うミサイルを補足して迎撃することです。

ところが前述の通り、極超音速ミサイルを発射されるとイージス艦でも迎撃することが不可能であり、そうしたことから極超音速ミサイルは「空母キラー」といわれているそうです。

米軍は今後、東シナ海から南シナ海にかけて、これから200兆円を投じて対中国のミサイル基地を配備していくそうですが、こうしたことの背景にはこうした新兵器の存在が挙げられます。

 

ちなみに、極超音速ミサイルを迎撃するための技術論は既に確立されているそうです。これから200基もの人工衛星を打ち上げ、新たな防空システムを構築すれば、この極超音速ミサイルも迎撃が可能になるそうです。

現在のGPSシステムが30基の人工衛星から構成されていることを考えると、この200基の人工衛星からなる防空システムがいかに大がかりなものか、また、昨年にトランプ大統領が「宇宙軍」を創設し、同時に自衛隊も「宇宙作戦隊」を創設したことも、この新兵器への対策も念頭に入っているものと思われます。

 

こうしたことも背景にあり、英国は自国の空母「クイーンエリザベス」を中心とする空母打撃群を南シナ海に派遣。フランスも空母「シャルルドゴール」を中心とする空母打撃群を南シナ海に派遣。ドイツもフリゲート艦を日本に派遣するなど、国際的に緊張が高まっているわけです。

 

かたや、経済の動きは全く異なることが大きなポイントです。

 

例えばEUは昨年12月30日に中国と投資協定を締結しました。これによりEUの企業は独資で中国に進出することができる様になります。従来は現地企業との合弁でないと進出ができませんでした。EUの目論見は、中国でEVを安く量産することを主に考えている、といわれています。

また米国も、表面上は中国と貿易戦争を繰り広げていますが、実は水面下では動きが異なります。中国は米国の金融機関に対して大幅な規制緩和を行っており、米国のゴールドマン・サックスやブラック・ストーンといった投資銀行、大手ファンドが中国に大々的に進出してビジネスを行っています。「中国の不動産バブルは弾ける」といわれながら、ずっと弾けずに今日に至っていますが、その背景には米国の投資銀行やファンドの存在があるのかもしれません。

 

この様に、欧米のビジネスは非常にしたたかで、表面上は対立をしながらも水面下ではしっかりと巨大市場の利権を手に入れようとしています。

 

しかしながら、米国議会は中国と台湾の有事を真剣に想定しており、台湾のTSMCが日本や米国に開発拠点や新工場を建設する理由は、台湾有事の際のBCPであるといわれています。

つまり短期的には中国を巡っては安全保障リスク。中長期的にはやはり巨大マーケットあるいは世界の工場としてのポテンシャルは変わらない。短期と中長期と、両方の視点で市場としてのあるいは生産拠点としてのアジアを見ておく必要がある、ということだと私は思います。

 

 

これからの伸びる5大マーケット

 

こうした不透明な動きとは無関係に、これから明らかに伸びるマーケットは、かねてから申し上げている通り次の5つのマーケットです。

 

  1. CASE(次世代自動車)マーケット
  2. 半導体・5G・DXマーケット
  3. 自動化マーケット
  4. 中食マーケット
  5. 脱炭素マーケット

 

今回はこの中でも3)の自動化マーケットについて述べていきたいと思います。

 

例えば自動化マーケットの代表的企業として、キーエンスとダイフクを挙げることができます。

両社の売上は下記の通りです。

 

・キーエンス:年商5518億円

・ダイフク :年商4436億円

 

ところが、両社の時価総額は次の様な驚くべき数字です。

 

・キーエンス:時価総額 13.8兆円

・ダイフク :時価総額 1.4兆円

 

ちなみに、日本製鉄は売上6.2兆円に対して時価総額1.4兆円。つまり売上ではキーエンスの10倍近くあるものの企業価値でみるとキーエンスの1/10しかない、とう状態です。

また日本製鉄の時価総額は、売上では1/10以下のダイフクと、ほぼ同じ時価総額という状態です。

 

同様に日本を代表する製造業である日立製作所も、売上8.7兆円に対して時価総額は4.5兆円。キーエンスの約1/3です。

 

売上や利益というのは過去の実績にすぎませんが、株式時価総額というのは「未来への期待値」です。言い換えればキーエンスやダイフクが主要マーケットとしている「自動化マーケット」が、いかに有望なマーケットとして目されているか、ということがよくわかります。

 

実際、私の関係先の某プレス加工会社(従業員35名)は、コロナ禍にも関わらず今期が過去最高の売上かつ利益率になりそうです。なぜなら売上の1/2がCASE市場からのものであり、1/4が自動化マーケットから、1/4が中食マーケット(=巣ごもりマーケット)からのものだからです。

 

中小企業の業績は取引先で決まります。もっといえば取引先が属する産業によって決まります。

 

特に前述の“これから伸びる5大マーケット”からの仕事を増やすと同時に、また、特定顧客あるいは特定業界への依存を下げることが現在の大きな経営テーマだといえるでしょう。

 

 

例えば石川県小松市に本社工場を置く株式会社岩本鉄工所(従業員33名:板金加工業)の場合、従来は売上の95%を特定業界・特定顧客に依存してきました。

「このままでは経営リスクが高すぎる」「といって普通の営業のやり方では新規開拓が困難・・・」と、悩んでいた同社の岩本社長は、「営業DX」の導入を決断します。

 

その結果、年間3000万円を超えるリピート顧客との新規取引に成功するなど、コロナ禍の中でも継続して新規顧客からの引合いを獲得し、特定顧客・特定業界への依存度を下げることに成功し、自社の活性化に成功しておられます。

 

そうした同社の取組みを、下記URLから8分間の動画でご覧いただくことができます。

 

↓↓↓ 8分間の動画でわかる岩本鉄工所様の営業DXへの取組み

 

 

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