今、すでに突入している「両極化」時代
新年あけまして、おめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、2021年はどの様な年になるでしょうか?
世界最大の国際会計事務所であるデロイト・トーマツが昨年末に出版した著書、
「両極化時代のデジタル経営 ポストコロナを生き抜くビジネスの未来図」(ダイヤモンド社)
によると、現在は既に「両極化」の時代に突入している、といいます。
「両極化」の時代とは、
・グローバル と ローカル
・リアル と バーチャル
・AI と 人間
・経済価値 と 社会価値
など、一見相反する事象や価値観が衝突しながらも、互いにその勢いを増幅させる「両極化」ともいうべき複雑かつ重層的な動きが、経済社会の様々な領域で急速に台頭してきているのだというのです。
そしてこの様な状況下であるからこそ、一見相反する「両極的なるもの」を分断させずにつなぎ合わせ、新たな価値を生み出すことこそが「企業経営の成否を分ける重要なカギ」になる、といいます。
特に業績を向上させる上で注目すべきなのは、前回のレポートでも述べた「リアル と バーチャル」の融合であると私は思います。
実際、4万部を突破した近年の営業書の中では最も売れた「無敗営業(高橋浩一 著):日経BP」の後編である「無敗営業チーム戦略:オンラインとリアル・ハイブリッドで勝つ(著者、出版社ともに同じ)」によると、コロナ禍の中で「業績の下がった219社」と、「業績の上がった91社」の合計310社に行った調査結果によると、次の様な興味深い結果がでています。
まず、コロナ禍で「業績が下がった会社」も「業績が上がった会社」も、いずれも
・お客さまとの対面商談件数
は大きく下がっています。“かなり増えた・上がった”と回答している会社は
「業績が下がった会社」で1%
「業績が上がった会社」で3%
と、ここの数値はそれほど変わりません。逆に「業績が下がった会社」も「業績が上がった会社」も、その回答数の50%以上が“かなり減った・下がった”と回答しています。
つまり「業績が下がった会社」も「業績が上がった会社」も、対面商談の件数が減ったということは変わらないのです。
ところが大きく変わるのは“お客さまとのメールのやり取り”“お客さまとの電話のやり取り”です。
まず
・お客さまとのメールでのやり取り
でみると、
「業績が下がった会社」で23%が“かなり増えた・上がった”と回答しているのに対して、
「業績が上がった会社」ではそれが36%にも及びます。
また
・お客さまとの電話でのやり取り
も大きな差がみられ、
「業績が下がった会社」で15%が“かなり増えた・上がった”と回答しているのに対して、
「業績が上がった会社」ではそれが24%に及びます。
ちなみに、
・お客さまとのオンライン商談件数については
「業績が下がった会社」で30%が“かなり増えた・上がった”と回答しているのに対して、
「業績が上がった会社」ではそれが35%と、メールや電話ほどの差にはつながっていません。
これは、お客さまそのものがオンライン商談に対応できていないケースが多いことの裏付けであるといえます。
つまり総括をすると、コロナ禍に合わせて活動量が減っている会社は業績を落とし、リアルだけでなくバーチャルも活用してトータルで活動量を増やすことができた会社は業績を上げている、そうした事実が見えてくるわけです。
直近6年間で売上を4倍に伸ばした製造業(従業員130名)が取組んでいること
例えば前回のレポートでご紹介した株式会社関東製作所様(従業員130名)も、この2年間「営業DX」に取組むことで新規商談創出10億円、新規受注1.2億円を実現する、という成果につなげています。
ちなみに同社は、コロナ禍の前まで直近6年間で売上を4倍に伸ばすという卓越した経営を継続されてきた優良企業です。
ところがそんな同社も、昨年3月から本格化したコロナ禍の中で仕事が大幅に激減し、「このままでは、あわや赤字決算」というところまで追い込まれました。しかし前述の「リアルとバーチャル」を融合した「営業DX」に取組んでいたおかげで、失った売上を補填する新たな売上を確保することができ、同社は1月末決算なのですが、この1月末決算は無事に黒字に着地することができました。
同社は自社商品を持つメーカーではなく、いわゆるブロー成形金型・射出成形金型/部品を手掛ける受託型製造業です。しかしながら「営業DX」に取組み確実に成果につなげておられます。
下記URLからそんな関東製作所 代表取締役 渡邉 章 様へのインタビュー動画(約7分)をご覧いただくことができます。
↓↓↓ 関東製作所 渡邉社長様へのインタビュー動画はこちら!
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