不況期の鉄則は新規開拓の推進:コロナ禍でどう新規開拓を進めるのか?
前回のレポートで、世界経済フォーラムが出版した「グレート・リセット」という本についてお伝えしました。
同書でも書かれている通り、全ての経営者は現在のコロナ禍があと18ヶ月~24カ月は継続するものと考えてビジネスを考えていかなければならない、ということです。
実際12月に入り、コロナ第3波が猛威を増しており、現在の状況が続けば経済的にも少なからずダメージがでることでしょう。
と、いって、コロナ禍の中でコロナにのまれて活動量を落とすと、そのまま業績悪化に直結するだけです。
コロナで物理的に活動量を増やせないのであれば、デジタル力を活用して「デジタルとリアルの融合」で活動量そのものを増やしていかなければなりません。
かつて1970年代にソ連の崩壊を予想したフランスの歴史人口学者のエマニエル・トッド氏は「コロナで厳しくなっている業界・会社というのは、コロナが原因でそうなったのではなく、コロナの前から構造的な問題を抱えていた」「コロナがそれを早めたに過ぎない」と喝破しています。
また、世界の株式公開会社のうち、全体の3/4はコロナ禍で業績を落としていますが、1/4つまり全体の25%は逆に業績を伸ばしています。
しかもこれは、「どの業界が良い」「悪い」といった単純な話ではありません。
例えばコロナ禍の影響をもろに受けている外食業界の中でも、マクドナルド社はこの12月末決算で過去最高の利益を計上する見込みです。
また逆に好調なはずの半導体業界の中でも、東京エレクトロンなどは「2021年・22年は2020年を上回るビッグ・イヤーズになる」と社長が発言しているのに対し、同じ半導体業界で露光装置を手掛けるニコンは主要顧客のインテルが内製を減らしているため受注不振に苦しんでおり、システムLSIを手がけている東芝の岩手事業所や大分事業所は外資に身売りをする話がでています。
好調なはずの半導体業界の中でも、これだけの「格差」が生じているのです。
経営者がアンテナを磨き、いわゆる「本当の情報」を入手して「付き合うべき相手」をきちんと選別しないと、前述の3/4の業績不振企業の仲間入りをすることになってしまうわけです。
具体的には、不況期こそ新規開拓に注力しなければなりません。特に現在の様にCASE(次世代自動車)の進展やEV化、あるいは5G・DXによる電子部品・半導体特需という環境下であれば、いわゆる“ものづくりの方法”が大きく変わるわけですから、成長市場の優良顧客も新しいサプライヤーを探しています。言い換えればこれはチャンスです。
厳しい言い方になりますが、「コロナ禍だから営業ができない」「ましてや新規開拓なんてできない」という考え方は、いわば“普通の考え方”であって、前述の業績不振企業3/4に直結する考え方です。
いわゆる私が知る限り「勝ち組」の会社の社長ほど「不況期は自社を伸ばすチャンスだ」「今こそコロナ禍でも安全にかつ確実に新規開拓を進める」と、とにかくポジティブなわけです。
例えばそうした会社の1つに、広島県福山市に本社工場を置く、深江特殊鋼(社員120名)という会社があります。
大不況のたびに新規訪問比率を上げ、何と経常利益率は3.7倍に
深江特殊鋼では、過去、不況のたびに新規訪問比率を上げてきました。
リーマン・ショック前までは全訪問件数のうち10%未満であったが、リーマン・ショック後は20%を超える新規訪問を実施。コロナ禍においては40%に迫る勢いで新規訪問を強化しています。
その結果、同社ではリーマン・ショック後に売上高1.6倍、経常利益率は3.7倍というまさに「ピンチをチャンス」に変える経営を実践されています。
では、いったい同社はどの様な取組みを進めているのでしょうか?
下記URLから、同社の代表取締役社長 木村雅昭様へのインタビュー動画(約8分の動画です)をご覧ください。
↓↓↓ 深江特殊鋼様のDX営業の取組み
もちろん、DXのあり方は、各社各社異なります。その会社のDXについて参考として取り入れるべきところは多々ありますが、しかし自社のDXは自社なりの姿を考えていかなければいけません。
ただし業績を上げるためのDXを進めるにあたって、それを進めるための方法論・DX進めるために必要なツールというのは明確に存在します。
船井総合研究所ものづくり支援室では、このような情報を中堅・中小製造業の経営者様向けに発信するためにオンラインセミナーを開催しております。
是非、ご参加をご検討いただければと思います。
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