注目のキーワード

現在の不況はいつまで続くのか

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

▼無料ダウンロードはこちらをクリック

我々生産財業界の景況は、工作機械受注高と密接に連動しています。

例えば今年9月の工作機械受注高は昨年対比2割減、10月が昨年対比4割減、11月は昨年対比6割減という急減速となりました。こうした動きに連動して、特に9~10月からの景況悪化が著しく、自動車部品業界を中心に、受注量が昨年対比4割減という状況も、それほど珍しいことではなくなりました。

経営者にとって最も気になる点は、この不況がいつまで続くのか、そして今この時期に何をしなければならないか、という二点でしょう。

今後の景況について言えば、経済学の世界では「景気循環説」というものがあります。景気循環説によれば、不況の原因は好況にあり、好況の原因は不況にあるといいます。つまり、今の状況がいつまでも続くわけではなく、ある段階で回復に向けて反転します。

現在の景気後退を1929年のアメリカ金融恐慌となぞらえる方もおられますが、その時と今とでは全く状況が異なります。まず一つは情報の伝わるスピードです。1929年の恐慌の際には、翌年1930年にアメリカ国内の銀行600行が破綻、翌年5月にはそれが欧州に飛び火しています。アメリカにおいては景気後退が1933年3月まで続き、景気後退は3年半に及びました。しかし、今回の景気後退は過去に無いスピードで進んでいます。また、過去には見られなかった国際協調の中で、世界レベルで金融恐慌の発生をおさえようとする動きが顕著にみられるのも特徴です。

景気後退のスピードが速いということは、言い換えれば景気上昇のスピードも速いということです。例えばバブル期1989年12月に最高値(38,915円)をつけた日経平均株価は、2003年4月にバブル後最安値(7,607円)をつけました。ところが、2003年秋ぐらいには工作機械受注は本格的に回復を示し、2004年から2007年まで、生産財業界は過去に無い活況を呈することになるのです。このように、実はこの5年間の好況というのは非常に早い立ち上がりを見せているのです。

また過去40年間の工作機械受注高を見ると、3年以上連続して下落していることはありません。その要因として、3年以上設備投資をとめると、工場の生産性が逆に落ちてしまうことが考えられます。これは長期間、工作機械受注高が上昇した際にも見られる傾向です。今回

の好況は、5年連続で工作機械高が増加しました。過去には6年連続で増加した時期もありますが、その後の減少は2年以内で止まっています。増加が長い期間続いた時期は、納期が長く高単価な大型機の受注が好調な時期なのではないかと私は考えています。

以上のことから景気後退は2年程度で、その後はまた好況に転ずるのではないかと思います。不況期というのは取引業者を見直す時期でもあります。言い換えれば不況期は、シェア逆転のチャンスの時期でもあります。この2年間にどのような手を打つのかが、不況後の自社のポジションを決めるのではないでしょうか。

▼無料ダウンロードはこちらをクリック

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ