注目のキーワード
海外視察レポート

驚きのグレートカンパニー視察セミナーレポート:5日目

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

驚きのグレートカンパニー視察セミナー
 

2016年10月15日 (土)  このセミナーについて>>

※5日目はファクトリービジネス分科会コースとなります。

視察13社目:IST engineering

同社の外観

工業団地内に位置する

同社のPak社長ご講演の様子

(1)同社の概要

  • IST engineeringは、制御盤エンジニアリングや板金加工を得意とする会社で、韓国人オーナーであるJames Pak氏により設立されました。
  • 現在の取引先としては、Google、Appleなどの大手企業に加え、中小企業にも200社近い取引先。

 

(2)同社の歴史:Pak社長からの講演

  • 渡米当時、南北戦争が起きていた韓国からアメリカへの移住を決意し、英語もできない状況であったが、セブンイレブンでの深夜のアルバイトなどを行いながら生活を始めた。
  • 当時のシリコンバレーは大手企業ではIBM,HP,NASAがあり、中小企業も20社程度と小規模な業界であるといえるが、非常に活気あふれる土地であった。
  • 1970年の後半に起業したばかりのエンジニアリング系企業に就職が決まり、電気系の学部を出ていることから、品質管理の仕事に就くことになった。
  • また、1980年代後半になると、アップル社が台頭してきたことでパソコンの文化が大きく変わる時代へと入っていった。
  • PAK氏は、就職した企業では品質管理→スパーバイザー →エンジニア→エンジアリングマネージャーとなり、最後にはシニアマネージャまで上り詰め、約15年務めたのち、現在のIST engineeringを起業した。
  • 起業当時は、恒温室のビジネスを中心に行っており、検査用のチェンバーの製作にも取り組んでいた。ただし、最初の3か月はお客がない状況であった。
  • 仕事がない中で、ある日、シリコンバレーの会社の友達からの相談があり、ミシガンにあった会社の装置を使っていたが、その会社とのコミュニケーションがうまくいかず、関係が悪化していた。
  • そこで、以前働いていた企業を紹介し、企業間の取引で仲介役を担うことで、 自社の仕事を確保することができた。その結果、自社で受けることができる仕事が始まり、90年代後半から2000年まで非常に好調な状況であった。
  • 2000年の9.11や、リーマンショックなど様々な困難が起き、近隣の家屋の価格が半減するほどに影響が大きく、景気の変動にあわせて自社の規模も変更している。(※28人→19人まで昨年から減っており、今年は大統領選挙があるのでその影響の様子を見ている。)。

 

(3)同社の工場視察

  • 同社工場の視察を実施。日本企業とは異なり、5S活動がしっかりとしているという工場の雰囲気ではないが、大手企業との取引も十分に行うことができている。
  • 制御盤などもシャーリング加工を行わずにそのまま加工しているなど、日本で常識と言える加工も行っていない場合もあり、製品ができることが優先される傾向にある。
  • 工場内には製品も無造作に置かれ、製品と材料との区別がつきにくい工場であった。
  • 上記のような状態ではあるが、Google,Appleなどとの直接取引を行っており、大手企業6社で全体の売上の60%を占めている。アメリカの商習慣では、(商社という位置づけはなく、直接取引をおこなっている。)

制御盤組立工場の様子

製作現場は乱雑である

工場内にあった溶着装置

 

視察14社目:プラグアンドプレイテックセンター(Plug and Play Tech Center)

多くのベンチャーが入居する

若干22歳の戸村社長

河合電器製作所の河合氏

最終日、製造業分科会ではプラグアンドプレイテックセンターにて、シリコンバレーで活躍する日本人の方のご講演、さらに現地シリコンバレーの技術コーディネーター techrev社 CEO Manu Pillai氏とのマッチングイベント(=ミートアップ)を開催しました。

(1)福岡県サンフランシスコ事務所 阿部様

  • アメリカ シリコンバレー・香港・韓国・バンコク・上海に海外事務所を構え、
    ① 県内企業の海外支援
    ② 海外企業の誘致
    ③ 販路拡大
    ・観光客の拡大
    に取り組んでいる。
  • 県内企業の進出支援の例
    ・Rubyを使用した関係企業の支援を行っている。サンフランシスコで北米企業との技術交流会・意見交換会を行っている。(現地企業と福岡県の企業のマッチング)
  • 県産品の名産品の販路拡大
    ・あまおうなどの名産品の販売を行っている。
  • ネットワーク構築
    ・コンサルタントや弁護士との関係構築支援を行っており、サンフランシスコ事務所で製作しているWEBサイトでmyfukuoka.comを構築し、県内の企業情報を展開している。
  • 友好都市との連携
    ・サニーベール市が連携を行い、飯塚市との友好提携をおこなっている。
  • 福岡県人会を各国で開催。今回、メキシコでも開催されている。

 

(2)HACK JPN 戸村社長

  • 高校時代にTwitter・FaceBookでみたシリコンバレーの企業の企業家(同年代)の人の活動を見て、現在の自分の立ち位置に疑問を感じ世界で一番起業数が多いシリコンバレーでの起業を考え、 18歳渡米、21歳で起業し、シリコンバレーで事業を立ち上げている。
  • 事業内容は下記の通り
    ① シリバレシップ(=インターン事業)
    ② SV REPORT(=シリコンバレー・レポート)
  • リサーチ企業に対しては、各企業個別にアプローチし、独自情報の収集に取り組んでいる。(ゴールドマンサックス・マッキンゼーと同等レベルのものがほしい。)
  • シリバレシップでは、企業側から料金を取り、インターン生の誘致を行っている。
  • シリバレシップにおける企業側のメリットとしては、日本人を雇用することで新規の日本市場開拓を行う上でのハードルを下げることができる。
  • サービスコンセプトは、周りの人を幸せにするというコンセプトのもと、
    ・留学生がシリコーン先を見つけるサポートを行って、シリコンバレーで学ぶ機会を増やすこと
    ・今後、日本企業がシリコンバレーに積極的に攻めていくことができるようにと考えている。
  • 成功事例として、シリコンバレー・レポートを通して、某商社が製品開発の現地法人を開拓することができた

 

(3)河合電器製作所 河合様

  • 国内での販売を行っていた河合電機では、既存取引先からの問い合わせでアメリカ法人へのヒーターの案件があるとの話からその話を皮切りに海外進出を進めた。
  • 国内で製作した製品をそのままアメリカに持って行ったが、アメリカの市場にフィットするヒーターの加工を求められ、これまでに日本で提供していた製品とは異なり、設計段階から仕様変更が求められた。
  • 2006年9月~10月にかけて専用プロジェクトを立ち上げ、新工場の設立などを行い顧客に合う製品開発をおこなう。ミーティングなどの呼び出しに対応するために現地に事務所を構え、開拓を行う。
  • 2008年7月 リーマンショック後、2008年9月~10月にシリコンバレーの大手企業でサプライヤーの見直しがかかり、セールスチャンネルの統合が起き、2009年にアメリカ市場に向けた専用工場を愛知県に設立。2012年に量産の案件を獲得。
  • 現在では、お客さんから案件を丸投げされ(製品で必要なスペック(温度がこれ等)を求められ、それにこたえる形をとっている。
  • 値下げ交渉にあったことを転機に、量産からの転換を行い、短納期での対応を行っている。
  • 2016年2月アメリカに法人を設立。社長の希望もあり、カリフォルニアでの法人立ち上げを行った。
  • 西海岸では、半導体を中心に行っており、南カリフォルニアでは、医療、テキサスではヒーター案件の機械がないか検討中、東海岸では、食品機械関係で量産品の案件であるため今後進出を検討している状況である。

 

(4)ジャパンコーポレートアドバイザリー 平井社長

  • シリコンバレーにおける、会社登記・設立などワンストップで対応が可能。
  • 弁護士、税理士、会計士等の人脈を駆使し、海外進出に向けたネックとなる法律対策などにご自身の経験を活かし、サポートをされている。
  • ご自身もかつてはITベンチャーの経営者をされていた。

 

(5)techrev社 CEO Manu Pillai氏とのミートアップ

  • 今回のファクトリービジネス分科会ご参加企業各社より、Manu氏への自社プレゼンを行った。目的は自社製品・技術と、シリコンバレー現地企業とのマッチングである。
  • Manu氏はインド出身の技術コーディネーター。アップル、グーグル、フェイスブックをはじめ、シリコンバレー現地企業と多くのコネクションを持つ。また自身もIoT企業を経営している。
  • 今回は13社(15名)からのプレゼンを行ったが、Manu氏によると内5社はすぐにでもシリコンバレーでの展開が可能なポテンシャルがある。
  • シリコンバレーでは、こうしたミニ・マッチングイベントのことを「ミートアップ」という。また、ミートアップの際には自社の特徴・強みを3分間で短時間にプレゼンする必要がある。このプレゼンのことを現地では「ライトニング」という。
  • 以下、各社のライトニングの様子です。

 

プレゼンに対してコメント・アドバイスするManu氏

各社ライトニングの様子

 

まとめセミナー(片山和也テキスト)

  1. ストーリーを売る
    ・スターバックスリザーブ(世界の希少な豆を限定的に提供)
    ・ボーイング(地下トンネルから地上の世界一の工場を見せる)
    ・パイクプレースマーケット(鮭を投げる、チューインガムの壁)
    ・ストーリーテラー(BOX)

  2. 自社が何で世の中に貢献するのかを決める
    ・アマゾン「地球上で求められるあらゆるモノを探し発見できる様にする」
    ・スターバックス「サードプレースの提供」「コーヒーで食文化をつくる」
    ・グーグル「世界中の情報を整理し、アクセスできて使える様にする」

  3. 自社が何で世界一、あるいは日本一になるのかを決める
  4. イノベーションを起こす5つの原則(グーグル)
    1)最初から完璧を求めない
    2)不可能と決め付けない
    3)ユーザーに焦点を絞る(=日本で考えたアイデアは世界で売れない:チャットワーク)
    4)共有はアイデアを生む
    5)データを基に考える
  5. 働きがいのある職場をつくる
    ・社員がハッピーであることが大事(キンプトンホテル)
     ⇒上司が気にかけて、コミュニケーションが円滑に図れている状態をつくる
    ・社員が何の餅屋なのか探り出す(チャットワーク)
     ⇒ その社員のやりたいこと、得意なことをやらせる「長所伸展」
    ・何よりも大切なことは「信頼」、信頼が働き甲斐のある職場をつくる(GPTW)
     ⇒ハイトラスト・ハイパフォーマンス

 
 

製造業・工場経営の最新ノウハウ資料を見る

関連記事

アクセスランキング

製造業・工場経営.comを運営する船井総合研究所が提供する各種サービス

ものづくり経営研究会オンデマンド
ものづくりグロースクラウド

無料経営相談の
お問い合わせ