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注目企業インタビュー

事例研究-変化に対応する 部品加工業【株式会社岩本鉄工所】

溶接技術を活かした継続的な顧客開拓と、
多品種少量でも実現できるクラウド生産管理を実現!

社員4名から37名へ!

今、注目の先進板金加工業が取る、攻めの経営戦略とは?

株式会社岩本鉄工所


株式会社岩本鉄工所は現社長の父にあたる、先代社長が昭和40年に設立しました。設立当初から、1980年代までは、家内工業という規模の事業でしたが、現社長の岩本純一氏が「この規模では、当社の未来はない」と考え、事業規模を拡大。積極的な投資を進め、従業員人数は37名、4億8000万円(2019年5月)規模まで拡大した成長企業です。現在、同社が得意としているのは、他社には簡単にまねできないような複雑で高精度な製缶板金加工品です。現在では、特定業界への売上依存度も少しずつ下がっており、それに伴い営業利益率も業界平均を上回る数字を出されています。

 


同社外観と社員の皆様

 


トルンプ製ストッカー付レーザー加工機

 

長年のノウハウと果敢な設備投資で3つの強み

同社の強みは、板金加工業として高い溶接技術と、充実した板金加工設備保有していること、さらに多品種少量生産にも関わらず実現している生産管理システムを保有している点にあります。

1つ目の高い溶接技術というのは、 幾何公差±0.5mmの寸法精度を実現可能としている技術です。溶接の場合、熱による歪の影響を考慮することが必須となりますが、同社では鉄系・SUS系素材はもちろん、アルミ系の材料に対しても同程度の精度加工が可能であり、溶接工の長年の経験による、加工ノウハウが正確な寸法精度を実現させています。

2つ目としては、ドイツの板金加工メーカーである、トルンプ社製の各種加工機への積極投資を行い、取り揃えられた設備ラインナップです。特に、8kWのディスクレーザー加工機・4☒の長尺曲げベンダー機などは、とても希少な設備であり、同社が得意とする
厚板板金加工を実現するための専用装置といえます。

3つ目として、技術・設備だけでなく、同社が行っている品質管理・生産管理も特徴的です。一般的に多品種少量生産での製造業においては生産管理は難しいとされています。しかし、同社では生産管理システムをメーカーと共同開発し、①バーコードリーダーによる案件の進捗管理、②見積りマスターによる見積り管理、③図面のクラウド化を実現。これらを網羅することで、各種製品の工数実績ならびに見積り上の算出数字、各製品の単価・利益を紐づけることができ、製造工程におけるボトルネック解消・生産性UP・働き方改革対策を行っています。

 


溶接ロボット

 

ブラケット・架台・フレーム等の製缶板金加工が得意技術

同社ではブラケット・架台・フレーム・レバー部品などを取り扱っており、建設機械・自動倉庫向けに納品をしています。加工できる範囲としては最大長さ3,000mmまでの加工が可能であり、曲げるだけであれば、最大長さ4,000mmまでの対応が可能です。

具体的な事例としては、建設機械の車両に付属する照明のブラケットや運転席周りの保安部品に準ずるブレーキレバーや、オイルのタンク等も手掛けています。これらのサイズは、☒1,000mm以内の製品がほとんどで、共通する項目としては加工時における部品点数の多さが挙げられます。

複数部品を溶接により歪みを最小限に抑える加工技術や、組立品に関するトルク管理ならびにタンク形状の水漏れ(気密検査)といった検査についても内製化することで高付加価値の製品提供を行っています。

また、最近では3,0 0 0mm超の大型プラットフォームの製作など、大型品も取り扱っており、この歪みが出ずに寸法精度・幾何公差を担保するという溶接技術は大型品にも適応され始めています。

 


常に前向きに成長を志向する
同社代表取締役 岩本純一氏

 

新規開拓を推進、石川県でNo1の加工業を目指す!

現社長が、入社された当時4名(家族のみ)という零細企業の規模であった同社が、現在では37名体制となり、中小企業として大きく成長されてきました。

現在は、南加賀を代表する板金メーカーを目指し、生産性の向上・脱職人化を目指した積極的な投資活動を展開。近い将来、石川県を代表する部品メーカーを目指すということを目標にされています。

その一環として、社内の生産性だけでなく、積極的な顧客開拓も進められています。昨今、市場が大きく変化し、その変化のサイクルも短くなる中で、企業として清く正しい競争の中で生き残ることを大切にしており、自社の技術にあった新たな顧客開拓を行われています。

この2年では、一部上場企業をはじめ、5社以上の大口顧客の開拓に成功し、売り上げにおける構成比も大きく変化をしてきました。今後は、ロボット導入やIoT・ICT化を行い、今の生産性から2倍の生産性水準を目標に、全国各地の顧客に石川県小松市から部品供給を行っていこうと考えてられています。そして、石川県を代表する部品メーカーとなり、社員が家族や友人に誇れる企業となれるような環境づくりに努められています。

 

社員とともに日々成長を目指す

岩本社長の幼少期のころは仕事現場を遊び場とし、高校卒業後はどこにも修行に行かずに現在の岩本鉄工所に入社されました。

社長となってからは、「この会社は何のためにあるのだろう」と考えるようになりました。そして日々、社員と一緒に仕事をする中で、「お客様に喜んでもらうことも大切だけど、うちで働く社員に幸せになってもらうことはもっと大切だ」という考えを抱くようになられました。

岩本社長の人生には、常に現業のものづくりがありました。社員にも、技術者として、人間として岩本鉄工所での仕事を通して成長していってほしいとの想いから、日々コミニュケーションを取られています。


同社の製品事例

 

 

会社概要

会社名 株式会社岩本鉄工所
業種 建設機械・鉱山機械製造業
従業員数 37人
創業 昭和40年4月
代表者 岩本純一
住所 石川県小松市吉竹町タ33
電話番号 076-122-1486
URL https://www.tk-iwa.jp/
主要設備1 レーザー切断機(TruLaser5030fiber(L68)+PalletMaterⅡ)
主要設備2 レーザー切断機(TruLaser5030fiber(L41)+TruStore3130)
主要設備3 プレスブレーキ(TruBend5320)
主要設備4 プレスブレーキ(V230)
主要設備5 プレスブレーキ(TruBend7036)
主要設備6 プレスブレーキ(コマツ製PAS50*125)
主要設備7 溶接ロボット(パナソニック VR006)
主要設備8 溶接ロボット(ダイヘン FDB6L)
主要設備9 溶接ロボット(ダイヘン FDB6L)
主要設備10 Co2溶接機 × 13台
主要設備11 Tig溶接機 × 2台
主要設備12 MIG/MAG溶接機
主要設備13 レーザー溶接機 そのほか
主要設備14 縦型マシニング センタ-
主要設備15 CAD/CAM
主要設備16 生産管理システム3

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