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注目企業インタビュー

特集 事例研究-変化に対応する セットメーカー【アート電子株式会社】

マーケティング・オートメーションの導入で、

単価3割アップ、過去最高の売上を実現!

営業のデジタル・シフトで営業マンを増やさず売上と利益を増やす経営を実践

アート電子株式会社


アート電子株式会社は静岡県浜松市に本社をおき、電子機器の開発支援をしているプリント基板設計・製作をメインとする企業です。電子機器の試作開発に特化し、高周波回路・電源回路のアナログ回路から、マイコン・FPGA設計などのデジタル回路まで、製品化を見据えた設計・開発のサポートを行っている点が同社の強みです。またノイズ対策を行うシミュレーションを行い、回路設計者の要望通りに機能する基板を作ることを得意としています。高品質の基板開発には高いスキルが求められます。また量産会社と同等の製造設備があり、設計から完成品の量産まで一気通貫で対応している企業です。

 

 

同社の外観                  同社製品(プリント基板)のイメージ

 

ソリューションサイトで60件/月の引合い獲得!

毎月数十件の引合いを取る同社ホームページ

 

現在、同社では技術開発だけでなく、Webサイト(ノイズ対策.com)ならびに展示会出展を集客チャネルとして顧客開拓を進めています。

特に、Webサイト経由では毎月60件の引き合い獲得に成功。その中から有望な商談や優良顧客に絞り、案件獲得・開拓を進めています。さらにマーケティングオートメーションという営業の効率化を図ることができるデジタルツールを導入し、20代前半の女性社員で構成されるインサイドセールス部隊と組み合わせ、営業活動を展開。2019年10月には過去最高売上を達成しました。

これまでの技術の知見を活かした自社商品の開発も手掛けており、ドローンなどの普及で注目を浴びている、RTK方式(リアルタイムキネマティック)の位置情報取得モジュールの開発を行い、現在販売を進めています。受託設計・製造は、自社の主軸となる事業の為、今後も中心に据えつつ、技術開発と社員教育の面も考慮し、商品開発を継続されていました。

同社の強みは、試作開発から製品化までを一貫してサポートできる点に特徴があります。プリント基板というのは、回路設計・パターン設計・シミュレーション・実装・製品化という流れが一般的で、同社は回路設計~実装までを一貫して手掛けており、「回路設計からパターン設計への連携」ならびに、「不具合が発生した場合の早期対策が可能」といった一気通貫によるリードタイム削減が顧客メリットとなっています。

同社ではこうした強みを活かし、電子機器の試作開発案件のスペシャリスト集団として、試作開発パートナーNo.1企業に成長することを目標とされています。

先頭に立って業績を伸ばす
同社代表取締役 伊藤規晋 氏

 

日本の半導体産業の発展とともに創業、そして時流適応

アート電子は、1982年11月22日に浜松市内で創業。創業当時、日本の半導体業界は世界を牽引するポジションにあり、国内の半導体メーカー各社がいわゆる世界のリーディングカンパニーと呼ばれる時代にありました。同社は、現会長であり創業者でもある、石原正康氏が電子部品商社に勤めていた折、「より顧客に価値あるサービスを提供したい」との思いから、プリント基板の設計ならびに部品供給を担う会社としてアート電子が創業されました。

現社長である伊藤規晋氏は、1990年に入社。当時は業界が大変盛り上がっており、現会長から面接時に「10年後に自社ビルの建設。20年後により8階建ての大きな社屋を購入。30年後に後継者に引き継ぐ」という確かな成長プランを明示され、その成長性に魅力を感じ、当時はまだ10名規模であった同社に入社をされました。創業から、30年以上経た現在までに、ITバブルやリーマンショックなど、電子部品業界にとっては厳しい時代を乗り越える中で、創業当時から確立してきた設計能力に加え、他には見られない、基板設計におけるトータルソリューションの確立に成功されました。

 

高付加価値プリント基板と一貫対応で差別化!

これまで同社で手掛けた製品の代表例として、高速伝送線路・高周波回路・制御基板・電源基盤・特殊用途基盤などの開発があります。特に、高速回路・高周波回路などは、微弱なノイズの影響を受けやすく、ノイズにより本来の回路としてのスペックが出ないということがよく問題となります。昨今のスマートフォン普及や自動運転ニーズ等、情報量の増加・高速化に伴い、同回路のニーズが高まる中で、これらノイズ対策は多くの企業において課題となっています。

しかし、このノイズの影響を解消する手立てというのは、同領域におけるトラブルシューティングを数多く経験し、パターンを理解した専門家でしか対応ができません。そこで、同社では、このノイズ対策に関するノウハウを掲載したノイズ対策.comというエンジニア情報専門サイトを構築、さらにノイズ対策に悩む設計者・開発者のセカンドオピニオンとして、回路設計段階・回路部品の選定方法などに対するアドバイスを無料提供し、試作開発者をサポートしています。またエンジニア教育も手掛けていることも同社の特徴です。

 

永続的な社員のスキルアップを目指して

伊藤社長は「社員がお客様を一番に考え働ける環境が必要であり、経営者である私が、社員を一番に考えて働く」ということを常に意識し、社員の皆様が安心して働ける環境づくりに徹しています。たとえば、ここ数年、積極的な新卒採用を行い、毎年2~3名の新卒を採用。技術者をイチから育てるために10年後を見据えたキャリアプランの確立や、入社後8か月間のジョブローテーション制度の導入を行っています。これら取り組みで、新卒の時に様々な業務に触れ、同社の顧客価値である”トータルでの開発サポート機能”を理解する場を設けているのです。同社では社員が永続的に成長できる場づくりを行っているのです。

 

会社プロフィール

会社名 アート電子株式会社
業種 電子部品(プリント基板)設計・製造
従業員数 45名
創業 1982年11月
代表者 伊藤規晋
住所 静岡県浜松市北区東三方町23−5
電話番号 053-439-7411
URL https://www.art-denshi.co.jp/
主要設備1 ハンダ印刷機
主要設備2 ハンダ印刷検査装置
主要設備3 高速マウンタ(YS12F(ヤマハ))
主要設備4 高精度マウンタ( YV88Xg(ヤマハ))
主要設備5 高速異形・大型部品対応機(YG100B(ヤマハ))
主要設備6 3D検査機(Ysi-V(ヤマハ))
主要設備7 噴流式フロー槽(自動)
主要設備8 噴流式フロー槽(自動)
主要設備9 外観検査装置
主要設備10 外観検査装置
主要設備11 X線検査装置
主要設備12 ディスペンサ
主要設備13 実体顕微鏡
主要設備14 画像測定器(マイクロビジョン(ダイナトロン))
主要設備15 デジタルマルチメータ(R6451A(アドバンテスト))
主要設備16 マルチファンクションカウンタ( AD5182(ケンウッド))

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