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注目企業インタビュー

特集 事例研究-たった1名の担当者で売上1億円以上の部品加工ビジネス【平岡工業株式会社】

金型製造業からの多角化を実現する注目企業!
ユニークな部品加工サイトとメルマガをリリース!

たった1名の担当者で売上1億円以上の部品加工ビジネスを、現業のゴム金型業に付加。

平岡工業株式会社


平岡工業は広島県広島市に本社を置くゴム金型製造業です。1937年に平岡鉄工所として広島県楠木町2丁目にて創業。原爆によって休業に追い込まれましたが1948年に平岡喜三男氏が再建、1955年に金型製造を開始しました。その後、1965年にBSタイプ切断折曲機の開発に成功し、1973年に自動車部品の金具製造に着手、2009年にレリーフ部門を設立するなど多角化に成功し、広島カープのフォトレリーフを複数製作するなど、広島県を代表する地域密着企業として事業を拡大されています。

一方で、2012年にタイ現地法人HIRAOKA(THAILAND)CO.,LTD.を設立し、地域密着だけでなくグローバル化も果たしている、まさに今注目のモデル企業です。

同社の事業

 

同社の手掛けるフォトレリーフ。 除幕式をする平岡専務(右側の新聞切り抜きの真ん中)

 

 

個人・団体、商社、HPをきっかけに取引先を開拓し、成長を続ける部品加工事業

平岡工業は、ゴム金型製造をメインとするものづくり企業で切断折り曲げきや、各種機械装置の製作や部品製作など幅広い製品の製造を手掛けています。一つひとつの事業の付加価値が高く、魅力を持っておりますが、今回注目するのは部品加工ビジネス(各種機械/部品/特注機加工)です。

同社が部品加工事業に参入したきっかけは、金型製造業の需要の山谷の平準化です。本業である金型製造業はお客様の開発周期に左右されることが宿命で、例えば同社が主に手掛ける自動車関係の金型の開発周期は、4年に1回のペースで大きな山と谷が来ます。そこで、これまで山谷をなくす取り組みとして事業領域を付加していき、例えば、需要のブレの小さい切断折り曲げ機を手がけたこともありました。その様々な取り組みの中で、最適と言える結果がでたビジネスが、部品加工ビジネスです。当初は既存の得意先の冶具や装置の受託加工から始まり、月に100万円程度の売上でしたが、そこから、

①個人・団体などの繋がりからの開拓

②取引している工具商からの紹介

③HPからの引合

をきっかけに取引先数を増やし、リピート受注を重ねることで、今では年間で1.3億円以上の売上を誇る、第二本業といってもよい規模まで成長しています。

 

金型製造業が部品加工に参入するメリットは、新規開拓面と品質担保面の2点

金型製造業が部品加工ビジネスに参入する上で、得られるメリットは、同社が当初想定していた受注の山谷の平準化だけでなく、他にも2つのメリットがあります。1つ目は、本業と比較して、顧客開拓が容易であるという点です。本業である、ゴム金型の市場は比較的小さく、プレイヤーも限られる為、新規開拓をする場合は取引先同士の関係性に配慮する必要です。

ファクトリービジネス研究会会員 平岡工業株式会社 専務取締役 平岡 良介 氏

 

また、金型は一つの発注が100万円単位である為、新規で発注しにくい業界であり、大手のグローバル製造業は既存取引先を優先しがちです。一方、部品加工は市場が大きく、プレイヤーが多彩である為、関係性に配慮する必要はあまり大きくありません。加えて、発注価格が安く、発注依頼先に固執する必要がないので、新規開拓が金型製造業と比較して容易な点が魅力です。

2つ目は、金型よりも品質基準が明確である点です。金型製造業は、金型と製品の双方の品質担保が必要です。例えば、ゴム金型の場合、材質特性による製品の熱収縮を考慮しながら設計する必要があり、その知見が必要となります。さらに、金型の図面には記載のない部分も考慮しなければお客様の納得のいく製品にはなりません。一方、部品加工の場合は図面通りの公差を満たすことが求められ、その図面を基に品質面の担保が可能となることから、金型の知見があれば取り組みやすいというメリットもあります。その他、協力工場と連携することで比較的装置投資を抑えることが可能である点も魅力です。

 

成功のポイントは HP と 担当者

前述のように現在は、1.3億円以上の売上をあげている同社ですが、成功のポイントは、主に以下の2点ではないかと分析できます。

1つ目はHP(会社サイト)です。新規開拓は①個人・団体などの繋がりからの開拓、②取引している工具商からの紹介、③HPからの引合が主な顧客開拓のチャネルとなりますが、現在は③が大半です。同社のホームページをご覧いただくとわかりますが、一見するとゴム金型製造業というよりも精密部品加工に特化した会社のように見えます。

 

これは、ゴム金型では新規の引合は難しいと判断し、あえて部品加工に比重を置いたサイト構成にすることで、サイト来訪者に部品加工が得意な会社であるというイメージ付けを行っています。また、Googleの検索順位も「広島 部品加工」「広島 治具」といった見込み客がよく検索するキーワードで上位をとっており、見せ方の部分と検索エンジン対策どちらにも成功している点が成功要因と言えます。

2つ目のポイントが専任の担当者を据えたという点です。担当者の香川氏は、1.3億円の売上のうち、なんと1億円強をお一人で実績数値としてあげられています。ではなぜ、香川氏がこの成果をあげられているのかというと以下の2点が要因です。1点目は「スキル」です。実は、香川氏は元々営業ではなく、金型の設計・製造担当者でした。設計・製造担当者をいきなり部品加工の営業に抜擢した狙いは、チャージや工程を理解している点がポイントであったと、平岡専務は言われています。というのも、部品加工営業で重要な点は、商談時に仕様と用途に関するすり合わせがどれだけできるか?という点です。いかに図面に書かれていないような公差を理解し、どのような工程で作るべきか瞬時に判断し、その場でかなり正確な見積や可否、改善提案を話せるか、が受注率と信頼につながります。

部品加工の商談において重要なスキルは営業スタイルによって異なりますが、設計・製造に精通した香川氏の技術力・経験によって、スピード感ある対応と信頼を獲得していることがポイントの1つ目です。

部品加工ビジネスの立役者 香川氏

 

2点目は「スタンス」です。香川氏は、包み隠さず正直にズバッと言う性格で、その人柄が、製造業の担当者からは好まれるようです。お客様の視点に立ち、どのように作るのか正直ベースで相談するスタンスが、業界では受け入れられやすいようです。

つまり、成功要因としては、1つ目に部品加工を強みであると謳えるWebサイトを保有すること、2つ目には、部品加工の専任者を敢えて設け、営業畑出身ではなく、顧客に対して安心と信頼を勝ち取ることができる技術畑出身の加工を熟知した、専任担当者を設けるという2点が同社の部品加工事業成功の裏に隠された、要因と言えます。

 

第二本業としてさらなる飛躍を見据えたユニークな部品加工専門サイトをリリース!

先月、同社ではHP(会社サイト)とは別に、非常にユニークな部品加工専門サイトをリリースしました。「精密部品加工・調達代行センター(略してSCC)」という名前の専門サイトです。同サイトでは、様々なユニークな取り組みが施されています。

こちらでは、いくつか要点を絞ってサイトに関する特長を4つ、ご紹介します。

 

①マンガで訴求
同サイトでは「マンガでわかる精密部品加工・調達代行センター」と題して、悩める生産技術者を同社がどのように救うのか、紹介しています。動画文字や写真をちりばめたコンテンツもわかりやすいですが、マンガやイラストでの顧客価値訴求は、より臨場感を持たせることができるので、伝わりやすいコンテンツとなっています。

マンガを読むだけで同サイトの魅力が伝わる

 

②動画で訴求
また、同社ではマンガだけでなく動画で事例を伝える取り組みも行っています。専用のYoutubeチャンネルも設け、自社が行っている部品加工について、情報発信を行っています。こちらにも専任の担当者を敢えて設置することで、情報の鮮度が高い配信が可能となっています。

Web・動画全般に長けた 担当者 小池氏

 

専用Youtubeチャンネルを設立

 

 

③専用のロゴ・ユニフォームを準備
同サイトはいわば平岡工業色は一切消して、別の組織として活動しているかのようにブランディングしています。このため、専用のロゴを専務自ら作図し、専用ユニフォームまで用意する徹底ぶりです。

専用のロゴとユニフォームを準備

 

④ユニークなメールマガジンを配信
先月から専用サイトに誘導するためのメールマガジンを配信し始めています。
平岡専務の「売り込み色をなくし、購読者の興味を惹く内容にしたい」という思いを反映し、メルマガの名称も同氏のライフワークであるバンド活動と部品加工を文字って「MILLING OF ROCK」と題し、読んでいて面白いと思えるコンテンツの提供を心掛け、今後も継続的に配信する予定です(次回のメールマガジンはオリジナル曲を披露?乞うご期待ください)このように、会社サイトとは別に専用サイトを設けることで、さらに部品加工に特化したコンテンツを提供しつつ、印象に変化をつけることに成功しています。同サイトの今後の飛躍も含め、同社のこれからの飛躍に注目です。

 

2019年 ファクトリービジネス研究会「ベスト部品加工大賞」を受賞!

同社は昨年のファクトリービジネス研究会の同賞を受賞された企業様です。部品加工ビジネスだけでなく社内の雰囲気もとても明るく、細部までこだわって全てに取り組んでおられる、まさにモデル企業です。ぜひ参考になれば幸いです。

 

会社名 平岡工業株式会社
事業内容 ・金型(自動車用、産業用)の設計、製作

・切断折曲機の製造、販売

・各種機械/部品の設計、製作、調達代行

・各種特注機の設計、製作

・フォトレリーフの設計、製作

従業員数 グループ総数62名(日本本社42名、タイ工場20名)
創業 昭和12年4月1日
代表者 代表取締役社長  平岡 弘幸
住所 広島市安佐南区伴南2丁目5番19-31号
電話番号 082-849-6007
URL http://www.hiraokaind.co.jp

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