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インタビュー 今、注目の経営者 ~セットメーカー~【株式会社エコム】

こちらからは「訪問しない」営業体制を確立!
新卒営業でも売れる「テストセンター型営業」とは?

一握りのトップセールスに依存する体質から転換に成功!そのビジネスモデルの全貌!

株式会社エコム


株式会社エコムは、静岡県浜松市に本社を持つ、熱処理設備のセットメーカーです。自社の祖業でもある熱処理炉のメンテナンスは社員全員が行える技術を有しています。製品加熱テスト(以下ワークテスト)を行うことができるエコムテクニカルセンター(ETC)では仕様検討段階からテストを行える設備を有している事から、熱処理設備を検討している全国の企業に顧客基盤を持っています。熱処理設備を仕様検討から設計、製造、メンテナンスまで一貫して対応しており、中小企業から超大手企業まで数多くの実績を有しています。

同社のテクニカルセンター

 

同社の手掛ける熱設備(熱処理設備)

 

 

船井総研との「一握りのトップセールスに依存しない営業体制」への仕組みづくり

船井総研との取組みは、社長就任前の高梨社長が中心となり、当時は「新規顧客開拓プロジェクト」としてスタートしました

デジタルマーケティングを活用した熱技術ニュースの発行やテストセンターの設立、WEBサイトを活用した新規顧客開拓、熱処理技術に特化したセミナーの開催など、現在の同社の営業体制の立ち上げを、当時は営業担当であった高梨社長とともに構築していきました。その結果、一握りのベテラン営業に受注を依存していた同社ですが、営業プロセスを改革し、営業体制を構築することで2、3年目の新卒営業であっても設備を受注できる体制をつくるこ
とに成功しました。

その中心となるエコムテクニカルセンターではワークテストをその場で行うことが可能であり、さらに仕様検討もお客様と一緒に行える環境を構築しています。営業プロセスの中でワークテストを行うことにより、ベテラン営業ではない若手の営業マンが設備・機械を受注できる営業体制を構築しています。実はこのテストセンター、かつては工場の一角に設備を置き、1台の設備からスタートしましたが、現在ではエコムの受注に必要不可欠な営業プロセスになっています。

また、2011年から毎月発行しているメールマガジン「熱技術ニュース」は現在では83号に至っており、情報発信を続けることで自社のファンを創りだす基盤になっています。熱技術に特化したセミナーも定期的に開催しており、毎回募集を開始した日に満席となり、毎回キャンセル待ちとなっています。お客様から個別でのセミナー開催を依頼されることも多く、同社と関わったお客様が熱技術ニュースやセミナー、テストセンターを通して「熱技術ならエコム」と認識する仕組みを構築しています。

新規開拓の仕組化に成功
同社代表取締役 高梨智志氏

 

ビジネスモデル改革+新規開拓で業績向上を実現!1人あたり売上3000万円超のモデル企業に

同社の歴史を紐解くと、同社は1985年に創業。当初は熱処理設備のメンテナンスから事業をスタートし、2004年に20周年を節目に社名を現在の「株式会社エコム」に改名しました。エコムは「Ecology(環境)」と「Combustion(燃焼)」を組み合わせた造語であり、創立以来培われた燃焼技術・熱処理技術を用いて、CO2やVOCの削減といった環境問題に積極的に取りくみ、社会貢献する事を目指されています。2017年にはエコムテクニカルセンターを開設し、熱設備業界でオンリーワン企業を目指してさらに拡大を続けています。2019年には自社ブランドの「エコネクスト」の開発を完了し、中長期的な戦略商品として海外も含めた事業展開を目指しています。

同社の強みの根幹は、いわゆる設備の設計製作・販売だけを手掛けるのではなく、他社製の熱設備であっても点検やメンテナンス、工事を受託できる高い技術力にあります。同社が手掛けるメンテナンス先は何と500社を超えます。

前述のデジタルマーケティングの取組みやテストセンターの取組み、さらに同社の強みである点検・メンテナンス事業の底支えもあり、同社は順調に業績を伸ばしてきました。生産性指標の1つである「社員1人あたり売上」も、いわゆる中小企業(製造業)のモデル数値3000万円を超えており、まさに製造業そのもののモデル企業であるともいえます。

同社は技術力の強化だけでなく、メルマガや冊子制作、またセミナー開催と、マーケティングにも非常に注力し、成果を上げている。

 

夢は上場!創業35周年を迎え、第二創業期に!

さらに同社は顧客のメンテナンスだけでなく、現在お客様がお使いの設備の省エネルギー診断が可能です。その強みを活かし、関西電力と共同開発しているIoTを活用して「見える化」をサポートする、クラウド型の「工業炉最適運用サービス」を2019年10月からサービスを開始しています。

また自社開発の熱交換器を搭載した省エネルギーバーナ「ecoNext(エコネクスト)」の事業化を目指しており、燃焼の先端技
術をリードしています。

そして同社には年々引き合いと規模が拡大しており、同社の強みであるエコムテクニカルセンターをより一層充実させることでお客様のニーズに応える体制を構築し、メールマガジン熱技術ニュースや技術セミナーなど、一連のデジタルマーケティングを活用して、2022年までに売上高25億円、社員80名の確立を目標としています。

そのために営業拠点も拡充。2017年には札幌支店を開設、さらに2018年には関西支店も開設しました。

そんな同社の目標は株式公開、すなわち上場です。創業35周年を迎え、そして次の目標である株式公開に向けて、同社はまさに新たな第二創業期に入ったと言えます。

会社名 株式会社エコム
業種 熱処理設備のセットメーカー
従業員数 65
創業 1985年8月
代表者 代表取締役 高梨智志
住所 本社/テクニカルセンター
〒434-0041 浜松市浜北区平口5281-3

第3エンジニアリング工場
〒434-0041 浜松市浜北区平口5281-3

札幌支店
〒065-0019 札幌市東区北19条東9丁目4番1号

関西支店
〒538-0043 大阪府大阪市鶴見区今津南2-5-36 マンションエムズ1F

電話番号 053-484-1122
URL https://ecom-jp.co.jp/

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